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第510話

Author: ミス・シャドー
礼音は手のひらを強く握りしめ、今にも発狂しそうなほど怒りの淵に立っている。

「この婚約は、私が生きている限り、あの人に永遠に破棄させないものだわ!けれど、今日の出来事はあまりに腹立たしいわ。必ず仕返しをしてやらなければいけない!この私がそう簡単に侮れないということを、思い知らせてやるわ!」

彼女は窓の外に遠ざかる安岐山を見つめ、その瞳には悪辣が広げた。

「そして栗原美絵子は、死ななければならないわ!音羽風歌も、ろくでもないわね。機会を見つけて一緒に始末してやるわ!音羽駿は、世の中の女が絶滅しても私とは結婚しないと言ったわね。だったら、彼の周りの女を全て殺してやるわ!彼に誰と結婚できるか、見ものよ!結局、私と結婚するしかないだから!」

洸斗は彼女の眼差しに宿る凄まじいほどの冷酷さに恐れをなし、一言も口を挟めなかった。

一日後。

ある地域の山林にて。

一行は顔に迷彩柄を塗り、偽装服に身を包んでいた。俊則の端正で非凡な顔も、その迷彩の下に見事に隠されていた。

彼は正確な情報筋から、二つの組織が今日、五百メートル先の和泉亭(いずみてい)で秘密裏の取引を行うとの連絡を受けていた。
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