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第12話

Penulis: 黒い土地
香炉があったはずの場所には、代わりに飾り気のない白い陶器の四角い箱が、ぽつんと置かれていた。

蓮の足が止まる。

かつてない戦慄が背筋を駆け上がった。

彼は吸い寄せられるように、制御の効かない足取りでその箱へと歩み寄る。

箱の台座には付箋が貼られており、そこには初音の筆跡があった。

【蓮、これがあなたの求めていた幸せよ】

その横には病院の医療廃棄物処理証明書が置かれ、【胎児遺体火葬】という文字が鮮明に記されていた。

ガチャン!

蓮の手から紫檀の箱が滑り落ちる。その翡翠のバングルは、床に叩きつけられて粉々に砕け散った。

蓮は膝から崩れ落ち、その場に跪いた。

それは、彼の子供の遺骨だった。

霊峰に登り、額を地面に擦り付けるようにして祈り、ようやく授かった子供だった。

つい二日前、初音の腹を撫でながら、無事に生まれたらお礼参りに連れて行こうと誓ったばかりの子供だった。

それが今や、一掬いの冷たい灰に変わり果ててしまった。

「あああああっ!!!」

蓮の喉の奥底から、獣のような絶叫が迸った。

凄まじい衝撃が理性を粉砕し、胸の中で何かが弾けた。喉元に鉄錆のような甘い味
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