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第5話

Author: 神雅小夢
last update Last Updated: 2025-06-12 11:27:29

そんなこんなで、生活が乱れた私のミスは、仕事でも日常でも増えていった。

今までも乗り換えられて、傷ついてる子は何人かいた。話は聞いてきた。

だけど自分には無縁だとどこか、高《たか》を括《くく》っていた。

「鈴山さん、ちょっと」

工場で梱包の機械の調整をしていると、係長から呼ばれた。手招きしている。

なんだろうと思って、係長のデスクに向かう。

「包装紙、発注ミスしてる。この包装紙はもう使わなくて新しいものに変えるって、会議であったと思うんだけど? 聞いてなかったのかな? 社内メールでも連絡したんだけど……?」

係長から見せられたパソコンの発注画面を見て、私は自分の顔の色がなくなっていくのを感じた。

「す、すいません! 本当にすみません!」

謝るしかできなかった。

「今回は僕が気づいて、キャンセルがなんとか間に合ったからよかったけど、下手したら何十万って金額になるからね。気をつけて……」

係長の険しい顔が私を見つめていた。

「本当にすみません。今後はもっと気をつけます」

言い訳にしかならないが、早朝覚醒や胃の痛み、食欲不振は仕事にも確実に影響が出ていた。

「なにかあったの? 最近、顔色も悪いし、僕でよかったら相談乗るよ」

係長の黒い宝石のように輝く、穏やかで優しい目を見ていると、心に溜まったものを吐き出したくなった。

「あ、あの実はプライベートなことなんですが……」

私はこの重たい感情を誰かにもっと、自分の気が済むまで聞いてほしかった。

「なら、場所を変えようか?」

係長が事務所ではなく、相談室に行こうと言ってくれた矢先、

「係長~、二番に斉藤商事さんから電話です~」

事務員の声がした。

「あ、ごめんね。また声をかけるから」

係長が申し訳なさそうに両手を合わせてきた。

結局、その日は相談できなかった。

***

「やばい、やばい。どうやって会社に行こう⁉︎」

今朝、車のエンジンがかからなかった。バッテリーが上がっている。

昨夜、車のライトがつけっぱなしになっていたのだ。

バカな私! もう踏んだり、蹴ったりだ。

しかも、四月なのになんで雪が降ってんのよ~!

桜の季節なのに、昨日から急に冬に戻ったかのように寒い。

テレビではもう『異常気象』としか言わない。毎年この言葉を聞いている。

昨夜から降り出した雪は辺りを銀世界に変えた。桜に雪が積もり、空から降ってくる粉雪がキラキラと輝いていた。

奇麗だなぁ——

だけど、今はそれどころではない。工場は二十四時間稼働している。そうでないとニーズに追いつけないからだ。

私は急いでバスに乗り、駅に向かった。この雪でタクシーも捕まらなかった。駅から会社までは二キロぐらいだ。

駅から歩くしかない。

昨日の発注ミスのことを思い出すと、会社に行きづらいが「よし!」と気合いを気持ちを切り替えて、雪の中を歩く。

普段履かないレインブーツがなお、足を重くさせたが、踏ん張りながら、雪の中を歩く。

「会社に少し遅れますって連絡しよう」

私はスマホを取り出した。その時、男性がこちらに向かって歩いてくるのが視界に入った。

背の高い男性だった。スマホを見ながら歩いている。前をまるで見ていない。

危ないなぁ! もう! 狭い道でなんなの!

ぶつかるじゃない!

私は左に避けようとしたのだが、足が滑って派手に転んだ。

今日はなんでスカートを履いて着ちゃったんだろうと、そればかり思った。

雪で滑った私の下半身はスカートが捲《めく》れ上がっている。

ド派手に転んだ私に気づいた男性が、口元に手を当て『ククク』と笑っていた。

「パンツ、見えてますよ?」

薄茶色の髪に、銀縁のメガネをかけたマッシュヘアの男性が、私の目の前に立って意地悪な笑みを浮かべていた。

これが龍太郎との最悪で、最高の出会いだった。

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