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第0989話

Auteur: 龍之介
研究所では年末の総まとめ作業が始まった。綿は全身全霊を注いで仕事に取り組んでいた。

空いた時間には、祖父母の家に顔を出していた。

千恵子は手を痛めていたが、それでも研究所への関心を失わなかった。綿が訪ねるたび、彼女は必ず研究の進捗を報告させた。

そのたびに山助は口を挟んだ。

「やれやれ、せっかく孫が来てくれたんだから、少しはゆっくりさせてやれよ。毎回仕事の話ばっかりじゃ、疲れるだろうが」

それを聞いた千恵子はすかさず言い返した。

「何も分かってないわね、あんたは!」

山助は小声でぶつぶつと反論した。

「はいはい、俺は分かってないよ。分かってるのはお前だけだよ」

二人はいつものように言い合いをしていたが、そこには温かな愛情が滲んでいた。

そして時折、千恵子はこんなことも口にした。

「じゃあ、仕事以外に何を話せっていうの?まさか恋愛の話なんかできないでしょ。この子の恋愛はぐちゃぐちゃだし」

こうなると、黙るのは山助ではなく、綿の方だった。

頭が痛くなりそうだった。

今日は珍しく休みが取れたので、綿は祖父母の家で食事をすることにした。

食事の最中も、千恵子はあか
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