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第303話

Auteur: 花辞樹(かじじゅ)
パパはいつもは優しいけど、一度怒り出すと、本当に怖い。

清音はびくっと首をすくめ、怖くなってお兄ちゃんの腕にしがみついた。

「辰希、清音を連れて先に車に乗ってなさい」 その時、景凪はあくまでも優しい声で言った。

どんなに醜く憎み合おうとも、子供たちの前でだけは、あさましい姿を晒したくはなかった。

辰希が清音を連れて車に乗り込み、走り去っていくと、景凪の瞳からすうっと温度が消え失せる。

憎悪に満ちた顔で近づいてくる深雲を見て、郁夫は眉をひそめ、景凪をかばうようにその前に立った。

深雲は、郁夫に殺気立った視線を向ける。

「なんだ、この前殴られただけじゃ足りなかったか?まだ俺の妻に付きまとっているとはな!」

郁夫は冷たく言い返した。「まず、景凪はあんたに離婚を突きつけてる。次に、暴力でしか物事を解決できない男なんて、未開のゴリラとどこが違う?」

「俺が同意しない限り、離婚など成立するものか!」深雲は一歩前に出ると、怒りに燃える郁夫の顔を冷ややかに見据え、それから景凪にちらりと目をやり、不意に、底意地の悪い笑みを浮かべた。「景凪が惨めに俺に媚びへつらい、愛してくれと乞い、キス
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