しかし、彼女はあまりにも取り乱していた。気づかぬうちに、掛け布団が肩から滑り落ち、身体がむき出しになってしまったのだ。「うわっ、これはスゴい……まさかお嬢様って、裏ではこんな遊び方してんのかよ!」「何ボサッとしてんだよ!早く撮れって!この写真さえあれば、一生メシ食ってけるぞ!」「安田家、もう終わったな……」「……」飛び交う心ない言葉の数々に、遥の頭は今にも爆発しそうだった。――これは一体、どういうこと?――どうして、こんなことに?目の前の地獄のような光景に息が詰まり、そのまま意識を失ってしまった。一方、陽葵は逃げ出そうとしたが、部屋の中に自分の服は見当たらなかった。全裸のままでは、どこにも行けない。ただひたすら、記者たちにシャッターを切られ続けるしかなかった。陽葵は悟っていた――終わったのだ、と。だが、それは終わりではなく、地獄の始まりだった。部屋で起きたすべてが、ネット配信者によって生中継されており、その映像は瞬く間にネット中に拡散された。コメント欄は、無数の誹謗中傷で溢れ返っていた。「マジでこれ、安田家のお嬢様?ネタが濃すぎる……」「女2人と男1人?やばすぎ。こんな絵面、ネットで見れるなんて眼福すぎるだろ」「安田家のお嬢様と一晩過ごすって、いくらかかるのかな?ちょっと興味あるわ」「いやいや、むしろお嬢様と寝たらいくらもらえるかだろ?あの真ん中の男、多分プロの男娼だって話だぜ。稼ぎすごそう」「うわー、安田家の令嬢って買う側なんだ……」「……」どの言葉も、悪意に満ちていた。その頃、安田翔平はまだ入院中だったが、蘭雅人からの一本の電話に顔を真っ黒に変え、怒りが沸点に達していた。「……なんだと?どうしてそんなことになってるんだ?」電話口の蘭も焦りを隠せない。「社長、もう写真が一気に拡散してて……こちらの対応では、どうにもなりません……!」翔平は激昂した。「……5分やる。今すぐトレンドから削除しろ。絶対に、今すぐだ!」指示を受けた蘭は、各メディアやSNS運営に連絡を取り始めた。だが、どれだけ金を積んでも、どれだけ手を尽くしても、あのトレンドは削除できなかった。まるで何者かに釘付けにされたように、ランキングの上位に固定されたままだった。同時に、安田
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