次の瞬間、パソコンの画面に望愛の情報が表示された。鈴の目に最初に飛び込んできたのは、入学当時の学生証写真だった。今よりあどけない表情をしていたが、面影ははっきりと残っていて、整った顔立ちはむしろ今より印象的だった。そして、学籍情報には――彼女が鈴よりも一学年上であることが、確かに記載されていた。「……本当だったんだ」鈴が小さくつぶやく。仁も隣に寄って画面を覗き込む。鈴の手元では、マウスの動きが止まることなく、次々と情報を開いていく。データの最終項目までたどり着いたとき、彼女の指がふと止まった。望愛の学生時代のデザインファイルを開いたその瞬間、鈴の目に驚きの色が宿る。「……これ、どういうこと……?」画面に映し出されていたのは、現在バイヤーショップで主力として販売されているあの服のデザイン。完成品と比べて粗削りではあるものの、明らかに原案と思しき図だった。「こんなの、あり得ない……!」声に力がこもる。「この中に、絶対何かある」もう一度マウスを操作し、他のファイルを確認する。そこには、同じ系統のデザインが複数存在し、どれも技術的に完成度が高い。描いた者の力量が如実に表れていた。「このデザイン……君の?」仁が静かに尋ねると、鈴は迷いなく首を振った。「初稿はこんなのじゃない。この図は私が描いたものじゃない。なのに、どうして……どうしてこんなにも似てるの?」画面の中のデザインと、自分の記憶の中にある図案の重なり――それは、偶然では済まされない「類似」だった。言葉の端々に迷いが滲む。そのとき、資料室の扉が開いて、ケリーが戻ってきた。鈴の顔色に気づき、自然と視線を画面へ向ける。「……赤穂?鈴、彼女のこと知ってるの?」鈴はピンと張り詰めたような眼差しで顔を上げると、ケリーの腕をとって問いかけた。「先生、彼女のこと……ご存じですか?」「ええ、知ってるわ。あなたより一つ上の学年よ。ただ、私が担当していたわけじゃないの。彼女の指導教官はウィリアム教授だったはず。……何かあったの?」鈴は画面を指差し、声を震わせながら尋ねた。「先生、このデザイン……彼女の作品なんですか?」ケリーは困惑した表情を浮かべながらも答える。「彼女のファイルにあるということは、そういうことなんだと思うけど
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