望愛は一歩前に出て、そっと由香里の腕を取ると、囁くように言った。「おばさん、大丈夫ですって。これを知ってるのは私とおばさんだけ。私さえ黙っていれば、翔平さんにバレることなんてありませんから」だが、由香里の顔からは余裕が消えていた。彼女には分かっていた。翔平がどれほど三井鈴を気にかけているか。何度も、鈴には手を出すなと警告されていた。……なのに。「望愛……お願い、絶対に誰にも言わないで……」由香里がすがるように言うと、望愛はふわりと笑って頷いた。「安心してください。撮影にかかった費用も、全部私の口座から出してありますから。仮に翔平さんが調べたとしても、辿り着くのは私までです。おばさんの名前が出ることはありませんよ」その言葉に、由香里はようやく胸を撫でおろし、「それなら安心ね……本当によかった」と、小さくため息を漏らした。「ただ――」望愛が一瞬言い淀んだ。そして、少し間を置いてから言葉を続ける。「おばさん、この前お約束いただいた……あの土地の件なんですけど」「そんなの大したことじゃないわよ。伯母さんが一度約束したことだもの、ちゃんとやるわ。心配いらないって」望愛の口元に、満足そうな笑みが浮かぶ。彼女は親しげに由香里の腕に手を添えた。「それなら、よろしくお願いしますね。伯母さん」由香里は深く息をついた。三井鈴の件さえ翔平に知られなければ、それでいい。土地の一件など、たいしたことではない――その頃、鈴は自らの名義で正式な声明を発表し、上石との噂をはっきりと否定した。同時に、ホテルの監視映像を調べたところ、当日その場にいたのは四人だったことが明らかに。ネットに広がっていた憶測が、ようやく「誤解だった」と収束し始める。【うぅ……残念……また新しい推しカップルが誕生するかと思ったのに、ただの仕事の話だったのね】【でも、うちの上石はイケメンだから、いつか運命の人に出会えるはず!】【正直、鈴さんと上石ってお似合いだったから、ちょっと惜しい気もする……】【いやいや、なに言ってるの?身分も背景も違いすぎるでしょ。上石と鈴さんじゃ格が違うよ。それより、鈴さんの隣にいたあの男の人、めっちゃ雰囲気良くなかった?】【分かる!あの人すごいイケメンだったし、オーラもすごかった。鈴さんと同じ
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