隼翔は裕福でお金には困っていないから、何か買う時には質のいいもので高いものを選ぶのは普通のことだろう。唯月は心の中で考えているそれを口には出さなかった。隼翔が買い物する時にどのようにお金を使うかなど、それは彼女とは関係ないからだ。彼女はただ隼翔のテナントを借りている人間にすぎない。「おばたん、いつになったら僕に妹ができるの?」陽は無邪気にそう尋ねた。唯花は微笑んで甥におかずを取ってあげた。「おばちゃんもわからないのよ。おばちゃんに赤ちゃんができて、もし男の子だったらどうする?」彼女は理仁と彼ら結城家にはいつも男の子しか生まれないという問題について話していた。彼ら結城家は女の子が生まれないような何かがあるのではないかと疑うほどだ。陽は少し考えてから言った。「おばちゃん、僕女の子がほしいんだ。男の子はいらないよ」「どうして男の子はほしくないの?」「男の子なら、僕とおなじでスカートがはけないでしょ」それを聞いて唯花は大笑いした。姉が相変わらず食べる量が少なく、肉を食べないのを見て唯花は姉に言った。「お姉ちゃん、毎日朝早くに起きて、夜も遅いでしょ。こんなに疲れることやってるんだから栄養のあるものを食べなきゃだめよ。ダイエットすることばかりに気を取られたらいけないわ」「夜ごはんはできるだけお肉を食べないようにしてるの。食べ終わったらジョギングもしなくちゃ。たくさん食べるなら、多めに何週か走ってこないといけなくなるわ」離婚する前と比べると、唯月はかなり痩せている。しかし、唯花のように常にモデル並みのスタイルをキープしている人と比べたら、唯月はまだとてもふくよかな体型なのだ。唯花も姉にたくさん食べるよう説得することは難しいとわかり、諦めるしかなかった。「この量にももう慣れたし、ダイエットに詳しい先生から、ダイエットメニューを教えてもらって、その通りにしっかりご飯を食べているから。毎日の運動量も十分だわ。こんなに長く続けてきて、やっとこれくらいの効果が出てきたの。今やめたら今までの努力が無駄になってしまうでしょ」唯月は羨ましそうに妹のスタイルを見て笑って言った。「お姉ちゃんは、今後は体重管理に注意していくわ。あなたみたいにモデル体型を保つようにね。また食べ過ぎて百キロ越すような太っちょにはならないわよ」彼女自身
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