Lahat ng Kabanata ng 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Kabanata 1201 - Kabanata 1210

1362 Kabanata

第1201話

「これってさ、お宅のばばあは罰が当たったってことじゃないのかい。病気になったんだろ?どうせ助からない病気だ、癌だったんだろう?治療を受けたってすぐに死ぬんだから、いっそのことそのままくたばればいいさ。死んだら、お宅らの息子夫婦に謝罪ができるってもんだ」佐々木母と娘の口は本当に毒を吐くのがうまい。それを聞いて内海じいさんも手を出しそうになっている。佐々木父と俊介が前に出て壁を作っているので、内海じいさんは手を出そうにも出せなかった。内海じいさんは人差し指をわなわなと佐々木母に突きさして、怒鳴った。「てめえに関係あるか、お前は何様のつもりだ?内海家の事情に首を突っ込んできやがって、お前ら佐々木家とは一ミリも関係ねぇだろうが。他所に嫁に行った娘だぞ。あれはあの二人のほうが恥も知らずに私らの財産を横取りしようとしてんだ。お前らの財産を娘に分けようと思ってるか?もちろん息子に残すに決まってる。よくもまぁ私らのことが言えるよな」英子は声を高くして言った。「私が嫁にいった旦那は能力が高いんだよ。うちには家も車も貯金だってあるんだ。実家の財産を弟にあげたって大したことないわ。私が弟に譲ったんだよ、この意味がわかるか?唯花さんたち姉妹はご両親の財産をあんたらに譲るだなんてひとことでも言ったんか?あんたらはただ、あの二人に両親がいないのをいいことに、いじめてるだけだね。彼女たちを内海家の一員だとよく言えたもんさね。あんたらみたいな家族がいるなんて、彼女たちの運は本当に悪かったんだ。みんなの前で老後の世話も墓の管理も何もしてくれなくていいだなんて宣言したくせにさ、ちょっと何かあったら、唯花さんに頼りに来るなんてね。彼女がいい生活送ってるのを見てすぐに厚かましくお金をせびるとか、有り得ないだろ。唯花さん、私の話をしっかり聞くんだよ。お金に余裕があったとしても、あいつらに一円も渡したら駄目だ。あなたとお姉さんが幸せに暮らしていけば、あいつらをギャフンと言わせてやれるわ。あいつらはご両親が一生懸命働いて作ってくれた財産と賠償金を奪おうとしてるんだから、神様の罰が下るのを待つんだよ!お天道様はしっかりと見てるに決まってる。この死にぞこないのクソじじいめ、言っとくけどね、悪事を働けば必ずその報いを受けることになるんだよ。ただ今は、期が熟してないだけさ。報いを受けなき
Magbasa pa

第1202話

英子は外に出て、智文の車の前まで来ると、手に持つナイフでタイヤ全てを刺していった。全て終わらせると、英子はナイフを持って店に戻り、綺麗に洗って元の場所に戻した。そして帰る時に唯花に言った。「私があいつの車のタイヤを駄目にしたから、弁償しろと言ってきたら、この佐々木英子のところに来るように伝えてちょうだいね。じゃあ、唯花さん、これ以上商売の邪魔にならないように、私たちは帰るわ」佐々木家はすぐに去っていった。そして店の中が静かに戻ると、姫華は陽に目隠しするのをやめた。その時に陽が彼女の胸の中でぐっすり眠っていることに気づき、おかしくなって唯花に言った。「陽ちゃんったら、いつの間にか寝ていたわ」唯花は甥を姫華のところから抱き上げて、店の奥にあるベッドに寝かせ、布団を掛けてあげた。「ずっと佐々木家には好感を持っていなかったけど、今日はなかなか見直したわ」姫華はさっきのシーンを見ていて、悪者がやっつけられたことでスカッとした気分だった。明凛が笑って言った。「悪者には悪者が効くってもんね」唯花も笑った。「あの人、うちのじいさんに一度お金を騙し取られたから、前からずっと恨みを持っていたのよ。それが今日ちょうどその恨みを晴らすチャンスが来たのね。意外と仇には遭遇しやすいものなのかしら」彼女は携帯を手に持つと、電話をかけて智文の車を牽引にしに来てもらうことにした。智文の車が店の入り口にあると、邪魔になるし、出入りをするのも面倒だ。「唯花、あいつらが今日来たのはきっとあなたに何か言いたいことがあったからでしょ。あなたのお父さんがあいつらの実の子供じゃないから、ご両親の家のことは諦めろって。裁判で訴える書類の準備はできてる?準備ができたなら、すぐにでもあなた達の家を占領していると訴えるべきよ」「今は結果待ちなの」内海じいさんたちは唯花の両親が残した家を奪い取るために、彼女の父親は自分の本当の子供ではないとまで言い始めたのだ。だから、唯花は事実によって彼らの口を塞ぐ作戦だった。唯花と内海じいさんのDNA鑑定結果が出れば、彼女はすぐに訴えることができる。「あいつらが来たのは、きっとお父さんがあいつらの実の子供じゃないんだっていうことと、私とお姉ちゃんと話し合うためだったんでしょうね。話し合いで和解できれば、裁判をする手間が省けるから
Magbasa pa

第1203話

「プルプルプル……」唯花の携帯が鳴りだした。彼女は直感的に夫からかかってきたのだろうと思った。携帯を取り出して見てみると、やはり理仁からの電話だった。「夫からだわ」唯花は他の二人にそう言った。明凛は察してすぐにそこから離れ、本棚にまだ読み終わっていない小説を取りに行った。姫華のほうはへへへと笑って言った。「私もそろそろ帰らなくちゃ。契約書に不備がなければ、明日村長さんのところに契約のサインに行かせるわね。そしたら、私たちの事業はやっと始められるのよ」彼女はそう言いながら、自分のかばんを手に取り、立ち上がって帰る挨拶をした。唯花は笑いながら理仁の電話に出た。「唯花」理仁のその声は優しくとても魅力的で、わざと妻をメロメロにしようと思って出しているかのようだった。唯花は彼のそのわざとらしい声を聞いていられず、堪らずプルプルと体を震わしながら笑って言った。「理仁、何か言いたいことがあるならはっきり言ってよ。私を誘惑するような声を出さなくていいから」理仁「……何を笑っていたんだ?さっき電話に出てすぐ君が笑ってるのに気づいたよ。なにか面白いことがあったのなら、俺に聞かせて」この時、理仁はいつも通りに戻った。妻は彼のわざとらしい優しさよりも自然体の彼のほうが好きらしい。「なんでもないのよ。あなた忙しくないの?」「あと三十分で昼休憩になるよ」理仁は愛妻に時間は過ぎるのが早いんだよと教えるように言った。「あ、こっちにご飯食べに来る?あなた朝出かける時に昼は食事の予定があるからこっちには来られないって言ってなかったっけ?」理仁は眉間をマッサージしていた。午前中忙しく働いて少し疲れているのだ。「唯花、昼の食事会に君にも来てもらいたくて」唯花は少し驚いてから、少し不安そうに言った。「わ、私はまだ完璧にはできないかも。もし顧客との会食で何かやらかしてしまったら、あなたに恥をかかせてしまうわ」「君は伯母さんのところで暫くの間学んできたんだし、そろそろ実践をしてもいいんじゃないかな。酒の席でのマナーは俺が教えるから、安心して。俺も別に恥をかくとか、かかないとか気にしないから」理仁はゆっくり落ち着いた声で優しく唯花に会食に付き合ってほしいと説得していた。唯花も自信を持たない人間ではない。彼女は最初少し及
Magbasa pa

第1204話

「うん、私にお礼を言いに来たのよ。うちのじいさんがまた息子と孫たちを連れて来たわ。それから佐々木家と喧嘩になって、英子たち親子が箒で彼らを追い出してくれたの。智文のタイヤは英子が全部穴を開けてパンクさせたわよ」理仁はそれを聞いてから笑った。「佐々木家みたいなクズもスカッとするようなことができるわけだ」唯花は、ぷはっと笑った。「うちのじいさん達が来たのは、きっとあの私のお父さんが実の子じゃないって言ってた話をするためでしょうね。こちらから財産を放棄させたいのよ。こちらが引かないのなら、話し合いをしたいんだと思うわ。裁判にならずに親の家を取り戻すことができれば、私たちにとってもそれが最善だからね」内海じいさんらが話し合いで解決したいのであれば、唯花は喜んでそうするつもりだ。しかし、彼女が受け取るべき財産を放棄することは絶対に有り得ない。「私とおじいさんのDNA鑑定の結果はここ数日で出てくるわ。その結果があれば、あいつら、どうやってまたデタラメなことを言い続けるかしらね」「明日には結果が出る。俺も一緒にその結果を取りに行くよ」唯花は笑顔で言った。「わかった」「若奥様」「唯花さん」唯花はボディーガード二人が自分を呼んだ後、義母が彼女を呼ぶ声も聞こえた。唯花が意外そうに入り口のほうへ目を向けると、本当に義母である麗華がエルメスのかばんを提げて店に入ってきた。理仁は電話越しに尋ねた。「唯花、誰が君を呼んだんだ?なんだかうちの母さんの声がしたような」嫁と姑が一緒に過ごした時間はまだ短いので、理仁はまさか母親が唯花の本屋に顔を見せるとは思っていなかったのだ。「あなたのお母さんよ。理仁、電話切るわね」唯花はそう言うとすぐに理仁との通話を終わらせた。彼女は理仁が「じゃあね」とひとこと挨拶する暇も与えず、すぐに切ってしまった。携帯をズボンのポケットに押し込むと、立ち上がってレジの奥から出てきて、義母に笑顔で挨拶した。「お義母さん、一体どうしたんですか?」「あら、私はお呼びじゃないようね」麗華は少し笑みを含ませて聞き返した。「そうではなくて、突然だったものですから。お義母さん、座ってください」唯花は麗華に腰かけるよう勧めたが、麗華は座らずに言った。「唯花さん、今から出かけられる?私と一緒に食事をしてその後ショッ
Magbasa pa

第1205話

「ええ、彼が昼に顧客と食事をするって」麗華は当たり前のように言った。「だったらあの子にひとこと行けなくなったと伝えたらいいわ。私たち二人、一緒に外食してからショッピングしたことなんてないもの。理仁だって、この私に文句は言えないでしょ」周りはいつも麗華と唯花のこの嫁姑は仲が悪いなどと適当なことを言いふらしている。唯花が毎回パーティーに神崎夫人と参加していて、普段も唯花が琴ヶ丘邸に帰って姑に付き合っていないと言うのだ。二人が公の場で一緒に食事をしたりショッピングしたりする姿も目撃されていないと。麗華はこのような噂話に付き合いたくなかった。彼女と唯花の関係がどうなのかは、自分自身でよくわかっているのだから。しかし、出かけてお茶をする時に、お茶仲間から心配されて聞かれるのがとても面白くなかったのだ。そしてお茶も飲まずに、直接嫁のところへやって来た。麗華は嫁を連れてブランド店を回り、実際の行動をもって、あの噂話を消し去ろうというわけだ。これが突然麗華がやって来た理由であった。「わかりました」唯花が理仁に電話をかけようとしたところに、ちょうど彼のほうからかかってきた。唯花は義母のいる目の前で理仁からの電話に出た。「唯花、母さんは何の用で来たんだ?」理仁は母親が唯花になにか嫌な思いをさせに行ったのではないかと心配したのだ。彼の母親は以前、唯花は彼には相応しくないと思っていて、心の奥底ではやはり彼女のことを気に入っていなかった。しかし、今まで唯花の目の前で何か嫌味なことを言ったり、嫌がらせをするようなことはなかった。ある人から唯花は他人のことに首を突っ込みすぎだと、電話で彼の母親に電話がかかってきた時、母親は貴婦人としてのイメージをぶち壊し、唯花を守るために相手に怒鳴りつけたのだ。それにより彼ら結城家は超ド級に身内を大切にする一族だというイメージを植え付けたのである。嫁姑は何か揉め事を起こすことはないが、理仁はそれでも母親がどうして突然唯花の店へ現れたのか知りたかったのだった。「お義母さんは……電話にかわるわね」唯花は笑顔で携帯を麗華に手渡した。「お義母さん、理仁さんと直接お話したらいいと思います」麗華は携帯を受け取ると、電話の向こうにいる息子に言った。「理仁、唯花さんを迎えに来なくていいわ。私がちょっとだけあなた
Magbasa pa

第1206話

唯花は理仁と二言、三言話してすぐ電話を切った。そして二分も経たず、彼女の携帯に入金お知らせメールが届いた。家庭用のカードに紐づけされている電話番号を理仁が唯花の携帯番号に登録し直していた。理仁の番号のままだと、唯花がお金を使う時に不自由だと思ったからだ。毎回お金を使うたびにカード利用代金のメールが彼の元に届くと、彼女がそれを気にして使いにくいのではないかと思ったわけだ。彼自身は彼女がお金をどのように、いくら使おうが全く気にしていないのだが。このようなことに関しては、理仁は非常に気を使って考えている。家庭用のカードの紐づけ番号を唯花の携帯電話に変えた後、彼女は自由にお金が使えるだろう。理仁は家庭用カードにまとまった金額を振込み、唯花が姑と街をぶらつく時に、心置きなくお金を使ってほしいと思っているのだ。それから数分後、唯月が店に到着した。甥を姉に渡したので、唯花はこれで安心して義母と一緒に食事に行けるようになった。この後、昼から午後、そして夕方にかけて、嫁と姑は二人で行動する。麗華は結城家の現奥様という立場であり、普段ショッピングするのは高級ブランドなどが揃った店だ。一般人にはなかなか入れないような店ばかりだ。だから自然とそこで多くの名家のご夫人たちや、令嬢に会うことがある。麗華が唯花を連れてその高級ブランド店を一つずつ回り、二人は親し気に腕を組んで次から次に店に入っては出てきて、買った物は全てボディガードに持たせた。多くの買い物袋を提げているその姿は、街中でひときわ目立っていた。たまに、唯花は自分の好きなお菓子なども買っていた。麗華も彼女には大事そうに接していて、彼女が買って食べてするのに付き合っていた。この嫁と姑の実際の行動によって、あの噂話たちを打ち破ったのである。翌日、結城家で最も身分の高い嫁姑ペアが街中でショッピングを楽しんでいる様子を、芸能記者たちが写真に撮りゴシップニュースを上げた時、神崎詩乃はそのゴシップを見て、夫に言った。「私たちの娘の目は確かだけど、あの子は結城さんと縁がなくて残念だったわね。結城夫人が身内のことを大事にし、唯花ちゃんというお嫁さんを気にかけていなかったら、わざわざ自らあの噂を打ち消すような行動を起こさないはずだわ。彼女はもしかしたら唯花ちゃんには満足していないのかもしれ
Magbasa pa

第1207話

一方、別の場所では。唯花はゴシップニュースを見た後、暫くの間黙っていてから、親友に話しかけた。「理仁さんと結婚してから日常がガラッと変わったわね。たったこれだけのことでゴシップ記事になったわよ、私」彼女が結城家の若奥様となってから、これが初めてのゴシップであった。明凛は昔からこのようなゴシップには詳しかった。彼女は笑って「あなたの旦那さんは、星城のビジネス界のトップである、結城理仁さんよ。あなたと姑の交流は少なかったし、ここ最近は伯母さんと一緒にパーティーに参加したりしてたもんだから、周りが誤解してたのよ」と言った。「ちょっと前に、ある夫人があなたのお義母さんに電話をして、あなたが柴尾家の一件で余計なことに首を突っ込んだとかなんとか言ったの。きちんと嫁の教育しないといけないだのなんだのってさ、あなた知ってるでしょ?ああいう人たちって、どうしても姑があなたにきつい態度をするのを見たいのよ。あなたが結城家っていうトップクラスの名家に入ったことを嫉妬してるだけね。悟が言ってたけど、結城家において、おばあさんとあなたのお義母さんが一番ものを言える立場にあるんですって。おばあさんは言うまでもなく、麗華さんのほうは現女主人であるわけだものね。だから、結城家では、おばあさんと麗華さんの天下なのよ。おばあさんのあなたに対する態度は知っての通りでしょ。おばあさんったらあなたのことを自分の孫以上に可愛がって大事にしてるじゃない。それにあなたはおばあさん自ら結城さんに紹介した女の子で、彼にどうしてもあなたと結婚して恩を返してちょうだいって言ったくらいなんだしさ。おばあさんがあなたを結城家に招き入れたんだから、彼女があなたを守ろうとするのは当然の話ね。おばあさんのところにあなたの悪口を言っても通じないってみんな分かり切ったことよ、おばあさんは私が出会った中で一番周りをよく見ている聡明なおばあさんだわ。彼女はいつも問題があっても笑って全てをうまいこと処理してしまうでしょ。おばあさんが主導で動けば、結果はいつもうまくいくわ」明凛は今九条悟という彼氏がいる。だからゴシップや噂話などは最前列で知ることができるのだ。彼女が知っている情報は、結城家の若奥様である唯花よりもずっと多い。唯花はそもそも人の噂に興味のないタイプだ。星城のゴシップニュースなどはすべて明凛
Magbasa pa

第1208話

この時、唯花の元へ理仁から電話がかかってきた。その着信表示を見てから、笑って言った。「噂をすれば、彼からよ」明凛は唯花に言った。「はいはい、ご馳走様。結城さんはあんなに仕事が忙しいってのに、しょっちゅうあなたに電話をかけてくるよね。彼があなたのことを本当に大切に思ってるのが見て取れるわ。もちろん、うちの悟も似たようなものですけどね。あ、まだ『うちの』じゃなかったわ。まだプロポーズされてないし」唯花は理仁からの電話に出た。「唯花、今途中だよ。あと十分で着くから」「こっちに向かってるの?」唯花は最初、突然理仁が来ることに少し驚いたが、すぐにその理由がわかったのだった。唯花がDNA鑑定の結果を取りに行くと言ったので、彼も一緒に行くと言ったのを思い出したのだ。彼女が時間を確認すると、午後二時半で、すでに彼が午後の仕事をしている時間帯だった。彼は多くの仕事を放っておいて、彼女と一緒に結果を取りに行ってくれるのだ。彼の中で唯花に関わることは、その大小に関わらずなんでも重要なことである。その全ては彼にとってはおおごとなのだ。こんなに彼から愛され、大切にされて、まるで甘い甘いハチミツの中に溶け込んでしまったようだ。「私が自分で結果を取りに行ってくるから、あなたは仕事に専念していいのよ」理仁は電話越しに「いいんだ。そんなに時間のかかることじゃないし」と言った。「じゃ、待ってるわね」「うん」唯花は携帯に向かって相手に聞こえるようにキスをした。理仁はそれを聞き取って、ふふふと笑った。「唯花、俺がキスしたいのは君自身にであって、携帯越しじゃ満足できないぞ」唯花は笑って電話を切った後、親友に言った。「うちの旦那はお宅の彼氏さんとは違って、なかなかご機嫌取りが難しいわ」さっきのあれは明凛を真似してみたのである。初めは理仁をなだめるには十分効果があったのだ。しかし今はその効力が弱くなっている。彼が求めているのは、本人から直接してもらうキスなのだった。それを聞いた明凛は笑って言った。「だって、結城さんはたくさんのものをもらっているじゃない。甘い物のその美味しさに気づいたら、そりゃあ自然ともっとそれが欲しくてたまらなくなるもんでしょう」唯花の顔がなぜだか赤くなった。「あなたと九条さんは一体いつ結婚するつもりなの?」唯花は
Magbasa pa

第1209話

それから十分後。唯花はクラクションの音を聞いて、店のことは親友に任せるとテーブルの上に置いていた携帯を手に取りレジの奥から出ていった。少し進んでからまた振り返ってかばんを取った。「理仁さんからもらったかばんを忘れてたわ。これを持って行かなかったら、彼の顔が曇るのよ」明凛は笑った。「それは贅沢な悩みですこと」唯花は理仁から贈られたブランドバッグを手に提げ、本屋を出た。ボディーガード二人は主人がボディガードの一団を引き連れて若奥様を迎えに来たのを見て、空気を読んで邪魔をしに行かずその場に留まった。理仁は車を降りると、片手に花束を持って、もう片方の手で唯花の乗る座席のドアを開けた。唯花が近寄ってくると、その花束を彼女に手渡した。「唯花、これを」「ありがとう、理仁」唯花はその花束を受け取り、微笑みながら理仁の顔にキスをすると、車に乗り込んだ。理仁はキスされたところを触って、ニヤリとしてから車に戻った。「唯花、君にデザートと紅茶を買って来たよ」理仁は車に乗ると、デザートの入った箱を唯花に渡した。唯花は笑ってそれを受け取ると、彼を褒めて「理仁、心遣いがどんどん増えていくのね」と言った。彼女は彼に近づき、サッとまたキスをして、彼の耳元で囁いた。「愛してるわ」理仁は彼女の肩に手を回して、同じように彼女の耳元で小声で話した。「俺も君をとっても愛しているよ」助手席にいる七瀬は、心の中で独身男の気持ちも考えてくださいと愚痴をこぼした。毎日毎日、若旦那様と若奥様のラブラブっぷりを見せつけられては、七瀬と彼の未婚の同僚たちまでも恋愛をしたいと思い始めてしまった。唯花は花束を隣に置いて、あのデザートの箱を取り蓋を開けてから傍にいる理仁に尋ねた。「一緒に食べる?」「君が食べて。俺はやっぱり甘い物はちょっとね。君が作ってくれたものなら食べるけど」彼が甘い物は苦手だと言ったので、唯花も無理に勧めることはしなかった。優しく愛が溢れる眼差しに見つめられながら、彼女は美味しそうにそれをいただいた。「あなた、うちのおじいさん達が今どのホテルに泊まってるかわかる?結果を受け取ったら、直接あの人たちに会いに行こうと思ってるの。こちらから動くわ」唯花はさっさとあの家の件は解決してしまいたいのだ。「うん、あいつらのことはつけさせ
Magbasa pa

第1210話

「どうだった?」理仁はこの時まだ結果を見ておらず、彼女が結果を写真に撮り、姉に送るまでの一連の動作を見ていた。彼女の顔には一切笑みがなく、彼はてっきり内海隆史が内海じいさんの実の息子ではなかったのだと思ってしまった。「結果には私とおじいさんには血縁関係があるって出てるわ。つまりお父さんはあいつらの実の息子よ」「……本当に実の子供だったのか。あいつらの君とお義姉さんに対するあの劣悪な態度ときたら、君のお父さんが拾われっ子だって話を信じたくなってしまったくらいだよ」唯花は夫を見つめて、少し何とも言えない微妙な表情を見せた。「あなた、なんだかお父さんがあいつらの実の子供じゃなければよかったのにって期待してたみたいに聞こえるけど」理仁は気まずそうに言った。「だってさ、あいつらはやり過ぎだったろ。その態度はまるで君のお父さんがあいつらの子供じゃないって感じに思っちゃうくらいなんだ。実の子供に対してあんなにひどい扱いができるだなんて、本当に胸が締め付けられるくらいだよ」「私とお姉ちゃんはあいつらに完全に心が冷めきってるからね、一生和解する道なんてないわ」唯花はその結果をなおした。まだ姉からの返事はないから、きっと昼寝でもしているのだろうと思った。まんぷく亭はなかなか商売が繁盛していて、結構な稼ぎになっている。ただとても忙しいので疲れるのだ。店にはイートインスペースを作り朝食も提供しているから、どうしてもかなり早い時間に起きている。唯月は毎日昼の仕事を終えて昼食を取った後、午後は陽と一緒に昼寝をしていた。そして夕方近くまで寝て、簡単な夕食を作って食べると、また翌日の準備に取りかかるのだ。翌日必要な食材を考えて注文し、他にもいろいろな準備をする。店に出す餃子も手作りしているから、かなり時間がかかる。唯花は時間がある時には姉と一緒に作っていた。出来上がった餃子は冷蔵庫に入れておけば、翌日すぐにお客に提供できる。理仁は内海じいさんたちが今ホテルに泊っているのがわかっているので、唯花と一緒にボディガードの一団を引き連れ、ホテルシンプルインにやって来た。この時、智文はホテルにおらず、内海じいさんと息子三人、それから智明も一緒にいた。四人は一緒にポーカーをしていて、ドアをノックする音が聞こえると智明が手にカードを持ったままドアを開けにいった
Magbasa pa
PREV
1
...
119120121122123
...
137
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status