Lahat ng Kabanata ng 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Kabanata 1261 - Kabanata 1270

1358 Kabanata

第1261話

「出ていけと言われて、はいそうですかと出て行ったら、面子も何もあったもんじゃないでしょう?これはあんたの家ではないのよ、家賃払ってんの?もし家賃を払ってるって言うなら、私は今すぐ出ていくわ。今後も二度と来たりしないわよ」英子も負けていられない。莉奈は若く、以前はオフィスで働くことに慣れていたし、力も強くない。これでは英子には全く敵わないのだ。このクズ女を追い出すことができないと悟り、莉奈は腹が立って夫のほうへ向きを変え、怒鳴り散らした。「俊介、あんたの姉が私をいじめてるでしょ?どうしてこの女を追い出してくれないのよ。言っときますけど、あんたの姉がここにいるってんなら、私は出ていくからね!」「姉ちゃん、莉奈、もう喧嘩はいい加減にしてくれないか?一日中、朝から晩まで喧嘩のオンパレードでさ、二人がそれに飽きなくても、俺のほうはマジでイライラしてんだよ」俊介は実際現状には、かなりまいっていた。本当に家にいて静かに暮らせる一日もないのだ。家に戻るたびに、母親と妻の喧嘩か、姉と妻が言い争っていてばかりで一日たりとも平和に過ごせる日がないのだ。パシンッ!この瞬間、莉奈の怒りが限界に達し、きつく俊介にビンタを一発お見舞いしたのだった。俊介は彼女に平手打ちをされて、ぶたれたところを手で押さえて馬鹿のように呆然と彼女を見つめた。「俊介、以前の私は人を見る目がなくて本当に馬鹿だったから、あんたと結婚すれば幸せになれると思ってたわ!あなたは、私があんたの姉や母親から嫌がらせを受けても守ってくれなかった!私はあんたがたくさんの結納金を出させなくてもいいように、こっそり結婚手続きをしたってのに、こんなふうに私を扱うわけね?」莉奈が夫を殴った側であるが、殴られた夫よりも辛そうにして涙をこぼしていた。佐々木家は一体どんな家庭だ!この男はどんな夫だ!最初の頃は、義父母、義姉が彼女につっかかってきても、俊介は彼女の味方だった。それが時間が経つとともに、俊介はだんだんと自分の両親と姉の肩を持つようになってしまった。それもそうだろう。俊介にとって両親と姉こそが本当の家族と呼べる存在であり、莉奈というこの妻はただの他人なのだ。だから彼ら佐々木家の一員になることなどできないのだ!この瞬間、莉奈は心底唯月のことが羨ましく感じた。彼女はさっさと離
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第1262話

俊介は扉越しに大声を上げた。「姉ちゃん、黙ってろよ。さっさと自分の家に帰ってくれ!今後何もない限り、あまりここには来るな!姉ちゃんは災いの元なんだよ!」唯月が彼に反抗心を持ち、暴れ出した時は今回よりも散々なものだった。包丁を手に彼を街中追い回したのだから。あれを姉は忘れてしまったのか?弟から災いの元とまで言われてしまった英子は腹を立てて言った。「そうだね、私は災いの元だよ。このクソアマが気に食わないんだよ。私が実家に帰ることと、その女と一体どんな関係があるってんだい?お父さんもお母さんもここにいるんだから、私が会いたいと思ったら会いに来て当然だろうが。別にそいつに養ってもらってるわけじゃなし、できるもんならそいつが自分の金で家を買えばいいだろうが。そうすれば私だって一歩たりとも部屋に入ったりしないよ!」英子は莉奈に幸せな日々など送らせるつもりはないのだ。莉奈は床に伏せて辛そうに泣き喚いていた。以前、唯月に不倫現場を押さえられて、ひどく殴られてからはこのように狼狽しきったことはなかったのに。この時の彼女は身も心も傷を負い、この世の不幸を一身に背負ったかのようだった。俊介は悲痛に泣き叫ぶ彼女の様子を見て、少し心を締め付けられていたが、それと同時に鬱陶しくも感じていた。莉奈は優しく温和で、人の気持ちを理解してくれて、若くて綺麗な女の子だと思っていた。そんな彼女と結婚すればとても幸せだろうと思い込んでいたのだ。それがまさか、莉奈が佐々木家の一員になってからというもの、家の中は日々大騒ぎになる始末だった。そして今、よくよく莉奈を見てみると、綺麗だとも、優しく人の気持ちを察してくれるとも思わなくなっていた。彼女は腹黒く計算高い、ケチな女性に変わってしまい、彼のためにその家族と仲良くする努力もしてくれないのだ。彼の甥が来ても、彼女は受け付けられなかった。それに、莉奈は料理もしないし、家事もしない。唯月のような勤勉さとはほど遠い。暫くしてから俊介はやはり腰を屈めて、妻の体を支えて立ち上がらせ、ベッドまで行ってそこに座らせた。そして莉奈の乱れた髪を整えてあげてから優しくこう言った。「莉奈、泣かないでくれよ。あっちの家はもうすぐ内装が終わるからさ、工事が完全に終わって結婚式を挙げたら引っ越しして、あっちで暮らそう。うちの父さん
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第1263話

元夫である俊介が離婚してからというもの、不幸続きであるということは唯月には関係のない話であった。彼女の日々は充実していた。朝四時くらいに、息子を起こしてまんぷく亭にやって来た。そしてまた忙しい一日が始まるのだ。陽はまだ小さいので、途中でまた寝てしまった。店に到着すると、唯月は二つの椅子をくっつけて、その上に息子を寝かせ、その側にまた椅子をいくつか並べて陽が寝返りを打った時に床に落ちてしまわないようにした。彼女が雇っている二人の店員は、朝六時に出勤してくる。普通、六時半から九時半くらいまでが最も忙しい時間帯だ。唯花は朝七時過ぎに甥を迎えにやって来る。この時間になると陽はすでに目を覚ましているのだった。陽はとても言うことを聞く子で、起きてからは泣き喚くこともなく、一人でレジの奥にあるスペースで、あのまだ完成させていないレゴを組み立てるのだ。「お姉ちゃん」唯花が店にやって来て、姉に一声かけた時、その中はすでに出勤途中の会社員たちで溢れかえっていた。それを見て彼女は姉の手伝いをした。「結城さんはもう仕事に行ったの?」唯花は「うん」と答え、お客が餃子を二皿注文したので、急いでその準備をして持って行った。「お姉ちゃん、陽ちゃんはもう朝ごはんを済ませてあるの?」唯月は「まだよ。あの子にはおにぎりと卵焼きを作ってあるから。そうだわ唯花、餃子が足りないから、ちょっと作ってもらえないかしら」と唯花に言った。餃子はいつもお客からの注文が入ってから焼き始めるが、すでに餡は皮で包んだ状態に準備してあるのだ。唯花は「わかった」と答えた。この時、隼翔が店にやって来た。「二人とも、おはよう」隼翔は入って来ると、まず挨拶をしてから店をぐるりと見渡して笑って言った。「イートインスペースは空席がないみたいだな」「東社長、お弁当を買って会社で食べられます?それか、少し待ってもらうか」隼翔は「急いでないから、少し待っていよう」と言った。そして彼は陽がいるほうへと向かった。「あずまおじたん」隼翔が来たのを見て、陽はとても嬉しそうにしていた。そんな陽の様子を見て、隼翔はメロメロになり驚いていた。「陽君、おはよう」隼翔は楽しそうにする陽を見て、両手を伸ばし抱っこしようとした。しかし、陽はこう言っ
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第1264話

陽は莉奈のことと、母親の説明も思い出していた。彼はやはり母親のセリフに込められた意味を理解できず、首を傾げて隼翔に尋ねた。「あずまおじたんは、けっこんしてるの?」「いいや、おじさんは結婚相手がいないから、まだ結婚していないんだよ」「おじたんはどうしてけっこん相手がいないの?」「だって、おじさんには好きな女性がいないからね」陽は目をぱちぱちさせて、興味津々な様子で尋ねた。「おじたんは僕のママは好きじゃないの?あと唯花おばたんに、ひめはおばたん。みんなすっごくいい人だよ。おじたんは好きじゃない?」隼翔「……」彼はおかしくなって言った。「君のおばさんは良い人だね。だけど、おばさんには旦那さんがいるだろう。だからおじさんが彼女を好きになれるわけないじゃないか。神崎さんも良い人だけど、俺は彼女には何も思わないんだ。俺のタイプじゃないからね。君のママに関しては……おじさんはただの友達だと思ってるだけだよ。毎日おじさんが来るのは、陽君のことが好きだからなんだ」陽はわかったようなわからないような顔をしていた。隼翔が自分のことを好きだと言っていたが。彼は思わずこう聞いた。「あずまおじたん、僕とけっこんしたいの?」隼翔「……陽君、俺たちは男同士だからな。結婚できないんだ。おじさんには彼女がいないけど、普通の男性と同じで女性に興味があるんだよ」「だけどさっき僕のことが好きだって言ったよね」「おじさんが君を好きなのと、女性が好きなのとはちょっと違う『好き』なんだよ」「好きは好きでしょ?どうしておじたんは僕のことが好きなのにけっこんしないの?」隼翔「……」無垢な子供にひたすら「どうして」と尋ねられて、隼翔は自分が語彙力不足だと気づかされた。どうやって陽に説明すればいいのかさっぱりだった。「陽君、君はまだ小さいから、この話題はもっと大人になってから話し合うことにしないかな?さあ、おじさんが組み立て方を教えてあげるから」こうして隼翔は話題をよそに向けた。今後、陽から知りたいことを聞き出そうとした時、できるだけ彼がまだわからない話はしないように気をつけたほうがいい。ただひたすら自分がドツボにはまって抜け出せなくなるだけだ。「陽ちゃん、朝ごはんだよ」その時、唯花が陽の朝ごはんを持ってやって来て、テーブルの上に置くと笑顔で
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第1265話

「内海唯月のことは気にしないでちょうだい。彼女に会いに行かなくていいから。そんなことしたらまるであなたが自信がないみたいに思われてしまうからね。おばさんがちゃんとどうにかするわ。私は隼翔の母親よ、一度離婚している女性なんて有り得ない。受け入れられないと思うのは当たり前なのよ」美乃里は琴音が唯月のところに物申しに行き、隼翔の怒りを買ってしまい、琴音がさらに彼から嫌われてしまうのではないか心配しているのだ。彼女は続けた。「今後、あなたはただ隼翔にアタックすることに集中してくれればいいからね。内海唯月に関しては私があなたに代わって対処するから。私は隼翔の母親なんですもの。いくらなんでも隼翔が母親である私と大喧嘩になることなんてないのだし」琴音は車を運転しながら言った。「おば様、今から内海さんのところへ行かれるんですか?私が見たところ、隼翔さんもただ内海さんのお子さんと仲が良いみたいで、別に内海さんのことを気にしているような感じはしませんでしたよ。私たちの考えすぎなのでは?きっと、隼翔さんは単純に内海さんのお子さんを気に入ってるだけなんじゃないですか?さっきあの子を見ましたけど、とってもお利口そうで可愛らしかったです。内海さんは隼翔さんの店舗を借りてお店を開いているだけで、別にどうということはないでしょう。彼女は家賃を彼に払うくらいだし、家賃をもらうからにはもちろんあそこを貸し出しますでしょう?内海さんは結城理仁さんのお義姉さんに当たる方です。結城さんと隼翔さんは親友同士。もしかしたら、隼人さんはその親友のことを考慮してのことかもしれませんし」琴音は心の中では唯月のことを警戒してはいるが、美乃里のように衝動的になり、今すぐに唯月のところへ行って隼翔からさっさと離れろとまでは考えていなかった。「琴音ちゃん、あなたそれは油断しすぎよ。内海唯月と隼翔の関係に何も進展がないのが一番ですけどね。先手を打って私からあの人に釘を刺しておくの。そうすれば彼女が隼翔に邪な考えを持たないでしょ。とにかく、あなたは気にしなくていいわ。おばさんがどうすればいいかわかってるから」美乃里はそう言いながら携帯を取り出して、琴音の写真を撮った。「おば様、私の写真を撮ったりして何をするんですか?」美乃里は笑って言った。「もちろん、有効活用するためよ。写真屋さんに行
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第1266話

唯月は正直に話した。「この店は東社長の貸店舗ですから、彼は私が結城さんの親戚であることを考慮してくださって、月十六万円の家賃で貸してくださっています。あとは水光熱費を加えて二十万くらいでしょうか」美乃里は息子がちゃんと唯月から家賃をもらっていることを知り、ホッと胸をなでおろした。少なくとも、息子はタダで唯月に店を貸して開かせているわけではないのだ。唯月は結城理仁の義姉にあたる。息子がただ月十六万の家賃を取っているだけでもそれは納得できる金額だ。公私混同していない。「あの子ったら、あなたから家賃をもらっているの。あなたは結城さんのお義姉さんでしょう。家賃をもらわなくたっていいのに」美乃里はそうわざと口にしたのだ。それを聞いた唯月は慌てて返した。「それとこれとは全く違う話ですから。もし東社長が家賃はいらないと言ってきたら、私も借りるのはお断りしますよ」「あなたが家賃を払う時、あの子はちゃんと受け取った?」「もちろんです。先月は現金でお渡ししましたが、東社長はお受け取りになりましたよ。目の前できちんと数えてから出て行かれました。今月は東社長から執事さんのほうへ渡すよう言われています」この時美乃里は、もしかしたら本当に自分は考えすぎだったのかもしれないと思い始めた。息子が本気で唯月のことを好きなのだとしたら、彼女が家賃を支払う時、彼はきっと受け取らないはずだ。「あの子ったら……だけど、この通りは人通りが多くて、商売をするのにはうってつけの場所よね。黒字を出すことは容易いと思うし、家賃が高かったとしてもそれなりの理由があるわよね」と美乃里は言った後、唯月にまた尋ねた。「あなたの息子さんは?」「あの子なら、妹がお店に連れて行っています」美乃里はひとこと「そう」と答えた。内海家の姉妹は本当に仲が良いようだ。「朝早くから飲食店をするのはとても疲れるでしょう。以前よりかなりお痩せになったみたいね」美乃里は頭からつま先まで唯月をじっと見つめた。初めて唯月と会った時と比べるとまるで別人のようだ。今の唯月は、あの頃と比べて何倍も美しくなっている。主に現在の唯月は活気に満ち溢れていて、自信に満ち、キラキラと輝いている。美乃里はもし息子が本気で唯月を好きになったとしても、それは別におかしいことではないと思った。彼女の変
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第1267話

「東夫人」唯月はその写真をちらりと見た後、すぐに美乃里に渡した。美乃里はそれを受け取った後、含み笑いをして唯月に尋ねた。「内海さん、この女の子のこと、どう思います?」彼女がそう尋ねる時、唯月の表情に注意していた。唯月はそれに答えた。「とても綺麗な人で、見た感じかなりやり手の女性のようですね。きっと能力の高い方なんでしょう。オーラもあるし、良い印象な方ですね」美乃里はその唯月の答えがとても率直なので、笑って言った。「あなたの人を見る目は確かなようね。この子は琴音ちゃんと言って、能力のある女性と言えるわ。大学を卒業してから実家の会社に入って、その身分は隠したまま一般社員からスタートしたのよ。それが今は会社の副社長を務めているわ。副社長になってから周りはようやく会長の娘であり、社長の妹だと知ったの。彼女は各方面において優秀で、私の親友の娘でもあるわ」美乃里は琴音の身分を明かした後また言った。「この琴音ちゃんとうちの隼翔の仲を取り持ちたいんだけどね、内海さん、この二人はお似合いだと思うかしら?」唯月は依然として淡々と答えた。「二人の身分やその社会的地位から見ても、彼女と東社長はお似合いだと思います。家柄も合っているし、お互いに支え合える仲になるでしょうね。外見は、東社長は以前怪我をされたそうですよね、傷痕の治療をしたら、このお嬢さんともっとお似合いになると思います。きっと、東社長もこの方を好きになると思いますよ」隼翔も自分の力だけに頼って成功を収めたのだ。彼はきっと自立した女性を好むことだろう。美乃里が言うこのご令嬢は隼翔のタイプにどんぴしゃなはずだ。唯月は、美乃里がこの令嬢と隼翔の二人をくっつけようと思っているなら、成功する可能性が高いだろうと思っていた。美乃里は唯月がこの話をしている時、その表情はいたって自然で、表情ひとつ変えず淡々としていたので、彼女は本心を語っているとわかった。唯月は隼翔にまったく男女としての気持ちを持っていないのだ。美乃里は唯月を気に入ることはないし、息子の嫁になるのは望んでいない。たとえ唯月がダイエットをして細くなり結婚前のスリムで美しい容姿に戻ったとしてもだ。そして今は自分で商売を始めたばかりで、商売はなかなか繁盛している。暫く努力して続けていれば、唯月はかなりの額を稼ぐことができ起業
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第1268話

美乃里は言い終わるとまた唯月に尋ねた。「唯月さん、あなた普段隼翔に会う機会あるの?彼とあなたの妹さんの旦那さんは仲の良い親友同士よ。だから普段からあの子に会う機会は多いでしょうから隼翔にちょっと言っておいてもらえないかしら?」唯月は笑って言った。「東夫人、それは問題ありませんよ。もちろん喜んでお手伝いします。東社長は良い人ですしね。確かに私は彼に会う機会は多いですが、私のアドバイスが効果があるかどうかはわかりませんよ。東社長は毎朝この店で朝食を食べて行かれます。彼はうちの子と遊ぶのが好きらしいんです。また社長が朝食を食べに来られたら、東夫人に代わって説得してみますね。ですが、さっきも言いましたが、その説得が利くかどうかはわかりません。なんといっても私と彼は店舗の大家と借主であるだけですからね。東夫人は彼のお母様でいらっしゃいますが、ご家族でも無理なことを私がやってみてできるかは期待されないでくださいね」美乃里は少し考えた後言った。「確かにその通りね。明日隼翔がここに朝食を食べに来たら、世間話をしながら琴音ちゃんのことをちょっと話してみてくれるかしら。彼がどう思っているか見てみてくれる?明日の夜は琴音ちゃんと一緒にスカイロイヤルで行われる小松家のパーティーに出席するのよ。隼翔にも私たちと一緒に来てもらいたいんだけど」実は隼翔もその小松家のパーティ―に参加する予定だった。ただ彼は女性パートナーも母親も連れずに、一人だけで参加するつもりなのだ。そもそも彼は東家という一族抜きに自分の力でのし上がってきた人物だからだ。周りも、彼と東家を分けて見ているのである。唯月は美乃里が隼翔の結婚のことでやきもきしているのが理解できた。美乃里と唯花の旦那側一族は親交がある。それに神崎家の詩乃とも少し交友関係がある。美乃里はただ唯月にちょっと隼翔のことをお願いできないか尋ねてみただけだが、彼女はイエスと返してきたのだった。隼翔が美乃里たちと一緒に小松家のパーティーに参加するよう説得する件に関しては、唯月は快く引き受けることはできなかった。彼女は隼翔にそのようなことを言えるような立場にはないからだ。それは他人の家の親子の問題だからである。この時、夜勤明けの会社員たちが朝食を食べにどばっと店にやって来た。それで美乃里は琴音の写真をカバンに戻し、立ち
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第1269話

琴音は車を運転しながら言った。「だから内海姉妹は人柄も考え方もしっかりしていると思っていたんですよ。お姉さんのほうは最近離婚したばかりだから、すぐに次の恋愛を考えるようなことをしないはずです。彼女はきっと今は自分のお店を開いてお金を稼ぎたいと思っているだけで、結婚のことは考慮していないでしょう」結婚で傷を負った人は、次にまた愛に向き合う時はかなり慎重になるはずだ。唯月は今はまだ自分の事業を起こしたばかりで、本気で再婚など頭にないのだろう。ここで美乃里が口を開いた。「彼女が少しでも隼翔に気持ちがあるのであれば、あそこで商売を続けさせないで店を閉めさせようと思ったのだけどね。だけど彼女は違ったわ。でもなんだか、彼女と隼翔との間に今後何かあるんじゃないかって思ってしまうのよ。 何か進展がある前にそうならないように警戒しておかないと。でもこれだけで行動をするのは彼女にあまりにも理不尽だわ。今や彼女は親も後ろ盾もない子ではないもの。彼女の妹は結城家に嫁いで彼ら一族が守ってくれる。麗華さんはお嫁さんのことを気に入ってはいないけど、それでもちゃんと守ってあげているしね。結城家と私たち東家との親交はかなり深いものだし、結城家の顔を立てるためにも強制的に彼女に店をやめて出て行けなんて言えないわ。彼女の伯母である神崎夫人もかなりの人物だから、怒らせるような真似はできないし」美乃里の意味は、唯月に息子の店を借りて商売を続けさせないということではない。ただ唯月と隼翔を近づけさせないようにしたいだけである。そうすれば二人が会う機会が減り、今彼女が心配しているようなことが将来起こらないかもしれないからだ。しかし、唯月は隼翔のことなど少しも思っていない。だから美乃里が唯月を店から追い出したり、彼に近づかないようにさせるのは理由もなくただ横柄な行為である。それにそんなことをしてしまえば、同時に結城家と神崎家を怒らせることにもなる。そのようなリスクを負うほどの必要はないのだ。しかしもし隼翔と唯月の関係に何か進展があってから、対策を練ったのではもう遅い。隼翔の性格なら、母親である美乃里は重々承知しているのだ。彼は好きにならないなら、絶対に好きにならない。誰かを愛すると、それは一生続くのだ。琴音は少し黙っていてから口を開いた。「おば様、内海さんには
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第1270話

「行ってらっしゃい」この時、明凛の視線はまだ彼女が読んでいる本の上に落ちていた。唯花はその堪能している様子を見て笑って言った。「明凛、うちの店にあるわずかな小説をあなたは何回も読んでしまったでしょうに、まだそんなに楽しそうに読んでるわけ?だったら、小説でも書いてみたらどうなの。この長年の本の虫の経験を生かして書いた小説ならきっと人気が出るわよ。そして出版されたらあなたの執筆した小説をこの店の一番目立つところに置いておくわ。うちの本屋のお守りみたいなものね」それを聞いた明凛は笑って言った。「私はただ読むのが好きなだけで、書くのは苦手よ。私みたいな面倒臭がりは美味しい物があれば意欲が湧いてくるけど、本なんて書けるわけないじゃないの。物書きは簡単だとでも思ってる?ストーリーを考えるだけでも、はげそうだわ」唯花は車の鍵を取ってきて、それと昔から変わらず使っている財布を持ち、甥の手を繋いで買い物に出かけようとした。そして親友のこの話を聞いて彼女は言った。「あなたと九条さんの愛の物語を小説にすれば、きっとベストセラーになるわよ」「私と悟の恋愛模様なんてそんなに盛り上がりもないし、もめたこともないし、恋のライバルすら出現しなかったわ。だから別に書けることなんて何もないのよ。それよりもあなたと結城さんの物語を書けばいいじゃないの。だけど、私には書けないわよ。ねえ、あなた自伝でも書いたらどうなの?」唯花も笑った。「私だって本を書く興味なんてないわよ。今はすっごく忙しいし、明日の夜には彼に付き合ってパーティーに行かないといけないしさ。ところであなたも来るの?」「もちろん行くわよ。前から悟に聞いていたからね。そうだ、悟との婚約パーティーはもうすぐなの。あなたと結城さんも絶対に参加してよね。パーティーはゴールデンウィークの前に決めたのよ、あの人ったらご両親と相談して今から一番早くて都合の良い日に決めたんだから、そんなに焦ってどうするのよって感じだわ」「それは九条さんがあなたのことをとても愛しているからでしょう。なるべく早くあなたと結婚して思う存分甘やかせたいのよ」それを聞いて明凛は笑った。実際悟は彼女のことをとても大切にしている。二人の仲はとても安定していて、喧嘩をして騒ぐようなことはなく、穏やかで幸せな甘い日々を過ごしているのだ。着々と
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