All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 1351 - Chapter 1358

1358 Chapters

第1351話

「私たちがあの子を結城家に嫁がせたいと思ったところで、それが本当にできると思う?」正一は言った。「私だってあの子を結城家に嫁がせたくはないさ。彼女は確かに私の弟の忘れ形見だから、普段からあいつの分まで可愛がってあげているつもりだよ。だけど、もっと可愛いと思っているのは私たちの娘と息子だ。だから、どうしてあの子をこの星城の一番の財閥家に嫁がせたいと思う?鈴だって、結城家に嫁がせたいなど思わないほうがいい。そんなチャンスは絶対にないんだから。他でもなく、私たちは結城家の若奥様とはわだかまりがあるんだ。結城家の他の坊ちゃんたちだって、鈴のことを好きになるはずがない。鈴はまだ二十歳だから、そんなに今から焦って結婚相手を探す必要もないだろう。私たちがまずすべきことは、鈴を助け出すことなんだから」夫婦二人はソファの前までやって来て腰をかけた。そして加奈子が夫に尋ねた。「じゃあ、どうやって助けるの?贈り物に謝罪も全部したじゃないの。だけど意味がなかった。本当はあの人に出てきてもらって、どうにかしてもらう予定だったのに、それも結城副社長に台無しにされちゃったわ。あなた、副社長はまさかあの小松って男のこと、知らないわよね?小松っていう名字だけど、あの小松家とは遠い親戚よ。もし、彼のことがばれたら、小松家が自らあの男を片付けてくれるわよね」「彼は小松家と泰蔵おじい様からはかなり遠い親戚に当たるけど、金だけはある。小松家の中ではなんとか話が通せるような身分だろう。副社長はきっと彼が誰なのかわかりっこないさ。結城家の人たちは、ただ小松家本家の人たちと深い付き合いがあるだけで、それ以外の親戚とはきっと知り合いじゃない。お前はとりあえずおとなしくしておくんだ。結城家があの男を調べて突き止めたとしても、私たちはその責任を全てあのボディーガードに押し付ければいいんだ。明日、お前はすぐにあのボディーガードを星城から離れさせるんだぞ」加奈子はそれに応えた。「わかったわ。ねえ、結城副社長に縋りつくって、どうするつもり?」「彼は咲を助けただろう。咲にその恩返しとして、強引にでも彼の嫁にしてもらうんだよ。彼ら結城家は絶対に咲のような娘を嫁として認めないはずだ。頃合いを見計らって話してみるんだよ。鈴を助け出せればそれでいい。あの子が刑務所から無事出てくれば、もう副社長に付き
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第1352話

これは二日酔いからきた頭痛だ。その頭痛に耐えながら、唯花は携帯を手に取り時間を確認してみた。すると午前十時になっていた。そしてぶつくさと呟いた。「あの人ったら、自分が起きたらさっさと一人で出て行っちゃって、私だけここに残すなんて。私が先に目を覚ました時は、置き去りにして彼を必要としないとか何とか言ってたくせに」コンコン。この時、ドアをノックする音が聞こえてきた。唯花は使用人だと思い、返事をした。「どうぞ」そこにドアを開けて外から入ってきたのは、姉の唯月だった。それから甥の陽も一緒だ。「お姉ちゃん?」姉が突然やって来たのを見て、唯花はとても驚いていた。なんといってもこの時間帯なら、姉は自分の店にいて、まだ閉店していないはずだからだ。「お姉ちゃん、どうしてこんなところに?」唯花は起き上がってベッドからおりようと思い、急に動いたせいで頭が痛み、もっとひどくなってしまった。一晩休んだというのに、どうしてまだこんなに頭がズキズキするのだろうか。いつもよりも数杯多めにちょっと飲んだだけだというのに。唯月が近づいてきて、ベッドの端に座り、唯花のその様子を見て言った。「頭が痛いの?」「ううん、全然」唯花は笑いながら嘘をついた。「今日は早めにお店を閉めて、あなたの様子を見に来たのよ。昨日の夜、どれだけお酒を飲んだの?」「そんなに飲んでないわよ、お姉ちゃん、人とビジネスの話をしてる時って、お酒を飲まないわけにはいかないじゃない。だからちょっとだけ、本当に数杯しか飲んでないのよ」唯花は姉からずっと飲酒を禁止されていることがわかっていたし、姉は理仁に唯花のことをしっかり見張っているようにも言っていた。お酒をまるで水のようにガブガブと飲ませないでほしいと。唯花はお酒が好きだが、酒に強くはないのだ。「結城さんから、あなたは結構飲んでいたって聞いたわよ。家に帰る時にはずっと美味しいお酒、いいお酒ってぶつくさ言っていたらしいじゃないの。確かに接待の時にはお酒を結構飲む必要はあるけど、自分に合わせて適度に飲むようにって、あれほど言っていたでしょ」唯月は結婚する前、仕事の関係で接待にもよく行っていたし、その時にはお酒も飲んでいた。しかし、彼女は自分の酒量が如何ほどかというのをしっかりとわかっていたので、飲み過ぎるようなこと
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第1353話

唯月が唯花の耳を引っ張る力は決して強くはなかったが、唯花はわざと大声をあげて、姉の同情を買おうとしたのだった。「陽ちゃん、おばちゃんのこと助けて」すると唯花は甥に助けを求め出した。陽はなかなかやる子だ。それを聞くとすぐにベッドに上がり、母親の手を唯花の耳から引き剥がし、さらに叔母の前で守りの姿勢を取った。そして母親に向かって「ママ、おばたん、いたいって言ってるよ」と言った。すると唯花が陽を抱きしめ、彼の顔にキスをし笑って言った。「おばちゃん、陽ちゃんのことを可愛がってた甲斐があったわ」唯月はまた妹にデコピンを喰らわせて言った。「さっさと身支度を整えて、下に降りてご飯を食べなさい」「はい、かしこまりました。姉御」「姉御?」「あははは、そんな本気でヤクザの姐さんみたいな顔しないでよ。お姉ちゃんは十八歳の女の子みたいに可愛いんだから」唯花は恐ろしい姉から言い逃れしようと必死だった。唯月はおかしくなって言った。「確かに私は十八歳の女の子みたいであることに間違いないわね。だけど、私は神様みたいに年を取らないわけじゃないの。午後車の受け取りに行くんだけど、時間があるなら一緒に行かない?それから、結城さんが紹介してくれた陽の先生はお昼に来るらしいの。彼から、昼は帰って昼食を取って、午後休憩するってあなたに伝えてほしいって頼まれたのよ」小松家のパーティーは日曜日に開催された。それが終わってその翌日、多くの社長たちは平日に戻って仕事へ行ったのだ。もちろん、理仁も責任ある一企業の社長なのだから、いつも通り朝出勤していったのだ。「あの武術のお師匠さん?」「ええ」すると、唯花は陽を離して言った。「じゃ、今から顔洗ってくるわ。午後、一緒に車の受け取りに行くね」唯月は息子を抱き上げて妹に言った。「早くするのよ。私、下で待ってるからね」「はーい」唯月は息子を抱えたまま、妹の部屋を出て行った。そして階段で、隼翔が自ら何かの箱を運んで入って来る姿が見えた。その瞬間、唯月は驚いた。東社長は今日は仕事に行っていないのだろうか?どうしてまた妹の家に?そしてすぐにハッとすると、息子を抱えたまま下に降り、隼翔のほうへ行って笑って挨拶した。「東社長、結城さんに何か持ってこられたんですか?なんだか重たそうですので、誰かに頼んで
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第1354話

「それに理仁から、財布の紐が堅いだの、ケチ臭いだの、もっと金を出していい自転車を陽君にプレゼントできないのか、だの言われそうだ」隼翔は陽を引っ張ってきて、その段ボールを指しながら言った。「陽君、おじさんが君に自転車を買ってきたんだよ。自転車は好きかな?乗ってみたくないか?」陽は、夜母親と一緒に周辺で散歩している時に、他の子供たちが自転車に乗っていたのを思いだし、頷いた。「あずまおじたん、僕、じてんしゃ好きだよ」それを聞いて隼翔は笑った。「だったら、おじさんが今からこれを開けて、自転車を組み立ててあげよう。それから外に自転車に乗りに連れてってあげる、どうかな?あとおじさんはね、風車も買ってきたんだよ、それを自転車の先頭に挿しておいたら、自転車に乗った時に風でクルクル回って面白いぞ」すると陽の可愛らしい顔が期待にキラキラと輝いた。その喜びようといったら、彼の顔を見ただけですぐにわかる。唯月はその自転車が数千円だと言っていたし、彼と理仁との関係も話し出したので、お金のことは言わないことにした。明日から、隼翔が彼女の店に朝食を食べに来たら、半月ほど無料で提供することにしよう。それで隼翔はその段ボールの箱を開けて、陽の代わりに自転車の組み立てを始めた。唯花が下に降りてきた時、このシーンを目撃した。そして彼らのほうへ近寄りながら笑顔で尋ねた。「東社長、会社へは行かなくて大丈夫なんですか?」昨夜のパーティーで、隼翔と琴音がなかなか仲良さそうにしていて、後のほうで二人は一曲ダンスをしていた。すると美乃里は非常に満足そうにニコニコと笑顔を見せていた。あの会場にいた人たちは、みんな樋口琴音は東夫人が自分の息子の嫁として考えている女性だとわかった。そして勝手に東隼翔と樋口琴音をカップル扱いしていたのだ。唯花は、夫の理仁が不在の時に隼翔がここまでやって来るとは思ってもいなかった。それに、ちょうど姉と陽がいる時にだ。「昨夜はかなり盛り上がったから、今日は家で休もうと思ってね」そして隼翔は決まり文句をまた繰り返した。「陽君に自転車を買って来たんだ。理仁から陽君がここにいると聞いて、ここに持って来たわけだよ」隼翔はそう言いながら、自転車を組み立てるための工具が入った袋を解き、その中から取り出して説明書を読み始めた。そして自転車の組み立てを始
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第1355話

俊介は電話越しに言った。「陽は三歳になるだろ、俺の息子だし、ブライズメイドをやってもらって何が悪いんだ?お前ら今どこにいるんだ?俺、今お前たちが住んでるマンションにいるんだけど、何度もドア叩いても反応がないぞ。ここにはいないのか?」莉奈は俊介の隣に立っていて、俊介と唯月の話に耳を傾けていた。あの日、姑と義姉と争って殴り合いになった後、数日休んで莉奈の顔の青あざはこの時なくなっていた。俊介はまた彼女にスキンケアを二セット買ってあげ、お金が惜しいと思いながらも思いっきりアクセサリーセットまでプレゼントした。それでようやく莉奈の機嫌を取ることができたのだ。俊介も両親と姉たちに話していた。彼と莉奈はもう結婚していて、彼女はただ彼と落ち着いて暮らしていきたいだけだと伝えた。結婚式も近いことだから、両親たちにはいつもいつも莉奈に当たらないようにお願いしたのだ。それに、当初彼と唯月が離婚することになったのは、両親と姉たちにも大きな責任があるのだと責めた。そして彼は両親に尋ねた。「もう一回俺に離婚してほしいわけ?唯月と離婚してかなりの代償を払ったのに、また俺に離婚させようってか?バツ二とか、周りからザマアって笑われる羽目になるだろ。二回も離婚した男だなんて、自業自得だとか言われるんだ。それに父さんたちが毎日こんなふうに莉奈と喧嘩して大騒ぎするし、離婚なんかしてまた誰が俺と結婚しようって気になる?二人は俺の家族だろ、俺のためじゃなくて、逆に足引っ張ってくるんだ。俺が一生独り身で生きていったほうが嬉しいのか?」彼がそのように言った後、両親はここ数日は静かにしていて、莉奈の分までご飯を用意するようになった。彼のあの問題を引き起こす姉に関しては、父親から追い出される形で帰っていったのだ。俊介たちが結婚式を挙げる前は市内に来るなと禁止令が出された。挙式の当日になってやっと市内に来て式に参加していいと許されたのだ。「唯月さんに、今から陽ちゃんを迎えに行くって言って」この時、莉奈が小声でそう言った。この日の朝、ジョギング中にまたあの名前も知らない女からあるメモが送られてきたのだ。相手は彼女にどうにかして陽を唯月の傍から引き剥がしてどこでもいいから連れて行けと言われている。ただ唯月と引き離せばいいだけで、その時には誰かが陽を彼女たちの手から「奪って」いく
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第1356話

俊介は言った。「陽に子供用のスーツを買うにしろ、本人を連れて行かないとだろ。俺は陽がどのサイズの服を着るかも知らないし、もし大きすぎたり、小さすぎたりしたらどうするんだよ」唯月はすぐに陽の服のサイズを俊介に伝えた。「今私が言ったサイズの服を陽に買ってくれば、ちょうどいいから」「唯月、お前今、俺と息子が触れ合うのを邪魔しようとしてねぇか?離婚する時に話し合ったはずだろ、俺が息子に会いたいと思った時は、いつだって会いに来ていいって。で、今俺は息子に会いたいわけ、一緒に新しい服を買いに連れて行きたいんだよ。それをお前は拒否してるってことだ」すると、唯月はブツリと電話を切ってしまった。前回のあの誘拐未遂事件で、唯月は莉奈のことを疑うようになってから、俊介に陽を連れて行かせることだけはしたくないのだ。俊介は、莉奈が誰かに利用されているということを知らないから、莉奈の言う事を聞いているはずだ。莉奈が陽を挙式の時のブライズメイドの一人にしようと言ってきた時、彼は一つ返事に同意したのだった。彼も別に他所から探して来ずとも、陽になってもらえばいいと思っていた。陽はもうある程度しゃべれるようになってきているし、物分かりもいい。他の同年代の子供たちと比べると背は高い方だから、ブライズメイドに適しているのだ。それに俊介は、自分の息子は大きくなっていくほどに、どんどん端正な顔になっていっていると思っている。そんな息子にブライズメイドをしてもらえば、父親として鼻が高い。しかも、陽は今はあの結城理仁の親戚なのだ。「どうだった?」莉奈は尋ねた。俊介は携帯を耳元から離し、それを莉奈に見せながら憤慨して言った。「あいつ、電話切りやがった。あいつどんどん俺のことを適当な扱いするようになってる。電話に出る気があれば出て、聞きたくないことは、ひとことも挨拶なしに直接切るんだぞ」莉奈は俊介のその話を聞きながら、笑えてきた。俊介は昔、唯月に何をするのもお世話をしてもらっていたものだから、かなり天狗になっていたのだ。だから唯月にはいつまでも自分のことを持ち上げてほしいと思っている。「俊介、あなたと唯月さんが離婚してもう何か月も経ったのよ。まだそれに慣れないの?」俊介「……」「唯月さんと陽ちゃんは今どこにいるって?陽ちゃんを送って来るのが嫌だってい
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第1357話

俊介は顔を暗くして言った。「陽は俺の息子だ、永遠にその事実は変わらない。唯月が俺と息子を会わせようとしないなら、俺はまた裁判起こして親権を争うぞ」莉奈は俊介に親権をまた争わせるようなことをするわけなく、急いで慰めた。「あなたは今タクシーのドライバーをしていて、収入が安定しないでしょ。私たちはもうすぐ結婚式を挙げるのよ。その後はハネムーンに行くんだから、そんな余裕ないわよ」彼女はただ陽を利用したいだけであって、陽の親権がほしいわけではない。将来、彼女にも自分の子供ができるのだ。もし、陽を連れてきてしまったら、その子への父親の愛が半分になってしまう。「今日、唯月はさっさと店を閉めて妹の家に行ったみたいね。じゃ、明日早めに彼女のお店に行って、陽ちゃんの礼服の試着をするって言って連れて行っても同じことだわ。一日の差なんだから、大差ないわよ」俊介は怒りの口調で言った。「唯花がいなければ、俺ら二人が仕事をクビになることもなかったんだ。唯月には俺の財産から二千万以上取られて、それもすぐに稼いで取り戻せると思ってたのに、離婚してすぐ仕事がなくなっちまった。今仕事を新しく探そうっても、なかなかいい仕事は見つからないし」彼はタクシーの運転手をしてお金を稼ぐしかなかった。その少しの稼ぎでは、彼が以前管理職をしていた時とは全く天と地の差で比べようもない。以前、彼の一カ月の収入は一般的な人たちの何倍もあったのだ。それが今や……俊介の家族は、いつもそれは唯月と離婚したせいだと言っていた。彼が以前管理職になり給料も上がり、社長から厚く信頼されていたのも全て唯月が幸運をもたらしてくれたからだと。そして莉奈はその逆で、運を遠ざける疫病神だと言ってきた。俊介が莉奈と結婚したら、仕事を失い、稼ぐことができなくなってしまった。それからはただ貯金を崩しながら生きるしかなく、家でも落ち着ける日々はなかった。唯月は以前、彼女の貯金を使って家のリフォームまでしてくれた。心をこめて丁寧に彼らのその家庭を築いてくれていたのだ。それが莉奈のほうはどうだ。こんな状況になっても、自分の貯金を一円も使おうとしない。家庭にかかる出費のほとんどは俊介が出している。彼の両親は息子が損をしていると思っていた。しかし、両親はこのような状況になった元凶はというと、実はあの唯月姉妹で
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第1358話

莉奈はこの日、あの名前も知らない女からの任務を遂行することはできなかったから、実家の家族に何かされるのではと不安だった。それで、俊介に実家に送ってほしいと申し出たのだった。彼女の実家も田舎のほうにある。俊介は義父母の家に行きたくなかった。毎回そこへ行くと、義母がここが不調だ、あそこも不調だ、家には何が足りないだの言ってきて、彼はそれを聞いて何もしないと気まずいから、仕方なくお金を出すしかなくなるのだ。出す金額はそこまで多くはないが、毎回行くたびにこうなものだから、俊介はとても気分が悪いのだ。どうも義父母の家からは自分をATMかなにかだと思われているようで気分が悪くなる。しかし、莉奈が心から彼のことを好きで、本気で彼と幸せな人生を送りたいと思っているおかげで、向こうから高額の結納金を要求された時には、莉奈が俊介の味方をしてくれた。そして親に黙ってこっそりと結婚手続きをしてしまったものだから、莉奈の家族は甘い汁をすすれなくなってしまったのだ。それで結納金の額はかなり少なくて済んだのである。当初の一千万以上から数十万に変わった。星城の田舎のほうであれば、その金額でも多いほうである。なんといっても一般家庭であって、どこぞの名家というわけではないのだから、それと比べることなどできないのだ。しかし、成瀬家が結納金を受け取った後、結婚式の当日、彼ら成瀬家が執り行うパーティーの費用は佐々木家が出せと言ってきたのだ。佐々木家はそれを拒否したら、彼らはそれを取り止め、親戚たちを市内に呼んで佐々木家でちょっとしたパーティーをするつもりだった。俊介と両親は話し合った後、成瀬家の要求通りに結婚式の当日は、両家、親戚たちが揃って食事をすることになった。披露宴はあるホテルに決まった。もちろん五つ星ホテルのような高級ホテルは高すぎるので、そんなところで行うことはできない。成瀬家は莉奈に結婚にあたってご祝儀や祝いの品は準備しないつもりだ。ただシーツセットだけで娘を送り出す。莉奈がもしそれに不満であれば、夫に頼んで出してもらうか、自分の金を使ってそれを準備すればいい。佐々木家にしろ、成瀬家にしろ、莉奈がある程度の貯金をしていることは知っているのだ。佐々木家は彼女にお金を出させてあの家の内装をさせたかった。そして成瀬家のほうは彼女にお金を出させて彼女の
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