美乃里が病室に入ろうとした。健一郎が彼女を引き止め、「唯月さんを入れた以上、彼女に任せよう」と言った。二人のボディガードのほうが困り果てた顔で言った。「旦那様、私たちが入らないと、隼翔様に後でものすごく怒られますよ」健一郎と美乃里は隼翔の両親だ。両親には何もできないが、ただのボディガードである彼らであれば、話は少し変わってくる。「お前たち二人で様子を見てきてくれ」健一郎はボディガードが入っても、唯月に乱暴な真似はできないだろうと考えていた。隼翔は今すぐ唯月を追い出したいと顔に書いているような感じだが、もし本当に誰かが彼女に手を出したら、誰よりも焦るだろう。きっとそんなことなどできないはずだ。二人のボディガードが部屋に入った。唯月は椅子を持ってきて、ベッドの隣に座り、静かに隼翔がベッドを叩く様子を見ていた。そして隼翔のほうはそんな彼女をどうすることもできない様子だった。「あいつを追い出せ。今後、絶対に入れるな!」隼翔は二人のボディガードが入ってきたのを見て、ベッドを叩くのをやめ、唯月を指さして追い出すよう命じた。唯月が振り向き、二人を見つめた。「私を殴って気絶させて、担いで出ていけるなら手を出してみてください。気絶させられない以上、あなたたちの方が出ていってもらえませんか」二人のボディガードは言葉を失ってしまった。彼らは互いに顔を見合わせた。そして、お互いに押し合いをし、誰も率先して唯月を殴って気絶させようとしなかった。冗談じゃない、この方は隼翔様の愛する人だ。そんな彼女を殴って気絶させる勇気などあるわけないだろうと二人は思っていた。「さあ、どちらがかかってきます?」「彼です」「こいつです」二人のボディガードは互いに相手を指さした。唯月はおかしそうに言った。「なら、二人でじゃんけんでもして決めたらどうですか?」隼翔の顔が一気に暗くなった。二人のボディガードは本当にじゃんけんで勝負を決め、最後に負けたボディガードはやむを得ず前に出て、まるで容赦なく唯月を殴りつけて気絶させるかのような構えを見せた。「お前たち二人で彼女の腕を掴んで、引きずり出せばいいだろう」そのボディガードが手を出すより早く、隼翔が口を開いた。「隼翔様、内海さんは結城家の若奥様のお姉様です。わ、私たちは
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