「理仁、俺を笑い死にさせて、俺の財産を相続しようとでも企んでるのか?お前だってずっとおばあ様の孫やってるんだから、彼女がどのような人なのかよく理解しているだろ。だから、前もってこんなことになる心の準備をしておくべきだろ。新婚の時におばあ様が奥さんを誘拐しなくてよかったな、じゃなきゃ、お前はもっと耐えられなかったはずだぞ」誰かを好きになったばかりの、気持ちが盛り上がっている時に、暫くの間離ればなれでいなければならないのが一番辛い。理仁「……今だって辛いぞ。俺は朝目が覚めた時に隣に妻がいて、夜妻が家で俺の帰りを待っているのに慣れてしまっているからな。彼女が家にいるって思うと、彼女をあまり待たせたくなくて、いつも急いで帰ろうって思うんだ。今は俺を置いてどこかに遊びに行ってしまった。俺がついてこないようにまでしたんだぞ。携帯すら新しいものを買ってさ、こんなの耐えられん。悟、奢るからちょっと飲みに行こう」理仁はまだ一度もおばあさんの動向を人に頼んで探らせたことはない。おばあさんが唯花を連れて出かけたのだから、絶対にどこにいるのか知られないようにしているに決まっている。それでは唯花のほうから連絡してこなければどうしようもない。理仁は自分がどうして祖母を怒らせてこのような仕打ちをしてくるのか理解できなかった。彼の一番弱いところをついてきたのだ。「今何時だと思ってんだ?飲みに行くって、行かないよ。俺は妻と一緒にいないと、今妊娠中なんだから。今俺はタバコも酒もやめたんだぜ」悟は理仁の誘いをすぐに断わってしまった。理仁は言った。「……全く友達とは言えない、つれないやつだ」「友達だって俺と一生を過ごすわけじゃないだろ。妻こそ俺と一生を共にする人だ。そりゃもちろん妻を第一にするにきまってんじゃん。もう遅いからここらへんで切るぞ。明凛と一緒に夢の中に行くんだ、おやすみ」悟は笑いながらおやすみの挨拶をした。明凛はその会話を聞いていて、夫はどうも楽しんでいるような気がした。悟が携帯を置くと、彼女は尋ねた。「おばあさんと唯花が遠出したのに、結城さんは知らなかったの?あなたに、唯花がおばあさんに連れ去られたって文句を?」悟は笑って言った。「そうそう、あいつ、一体どうしておばあ様を怒らせて、こんな仕打ちを受けているのかさっぱりわからないっぽい
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