All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 1961 - Chapter 1964

1964 Chapters

第1961話

玲は凪のその証言を援護するように言った。「ご当主様、凪さんの話は本当です。彼女はさっきずっとここで食事なさっていました。俺は彼女にダンスを誘おうと思って、その時彼女はやっと立ち上がったのです」「私は別にあなたが若葉を転ばせたなんて言ってないわ。ただ近くにいるのに、妹が転んでどうしてすぐに助けに出てこないの」和子は養女のほうを大切にしていると柏浜では有名だった。和子のその言葉に、周囲はみんな心の中で、このばあさん、痴呆症にでもなっているのか、状況をまったく理解できていない、と愚痴をこぼしていた。養女が転んで、実の娘が助け起こしに行かないと責めるとは。若葉は自分で起き上がることができないのか?若葉が転んだことは凪と何の関係がある?「そうよ、若葉が派手に転んでいるのに、凪ったら立ったまま傍観しているなんて、情けのない人間ね。若葉を起こすのを手伝ってあげてもいいじゃないの。若葉が無様に転んで恥をかいたのを楽しんでいるんでしょ?」そう言ったのは綾だ。明らかに凪のせいではないのに、このように言うことで若葉に凪を恨ませようとしているのだ。凪は口を開いて何か言いたげにしていたが、結局何も言わずに頭を下に向けて悲しそうな雰囲気を出した。彼女の可哀想な様子に見た者は怒りを覚えた。みんな、黛家の面々は状況をちゃんと理解できない理不尽な人間だと思った。若葉の実の父親は、本物の令嬢だった凪を陥れたのだ。彼女は生まれてすぐに執事の娘として、田舎に連れて行かれて育った。そして若葉のほうは、元々凪のものだった全てを奪った。そして神の意志でやっと凪が本物の令嬢であることがわかったというのに、黛家は以前と変わらず若葉のほうを大切にしている。凪に対して表面的にはよくしているが、実は彼女に冷たくあたっている。この黛家の当主である凪の実の母親ですらこのように凪を扱っている。凪が正式に黛家の令嬢として戻って来て、すでに一年経っている。それに和子とは何度も接待に付き合っていて、その時みんなは黛家の当主が凪に不満を持っているのを目の当たりにしていた。当主が誰かの前で凪に対して微笑みかけている姿など見たことはない。今、凪は黛家が経営する会社では管理職に就き、彼女にある程度の権限を与えたように見えるが、それはただ表面上にすぎない。凪が田舎で育ち、何も
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第1962話

「お母さん、私ちょっと頭が痛いわ。それに足を捻ったみたい」若葉は可哀想な様子で続けた。「お母さん、さっきうっかり結城社長にぶつかっちゃって転んだの。凪とは関係ないから、綾さんも凪を疑わないでほしいの」そして彼女は奏汰のほうを向いて、悲しい顔で彼を責めた。「結城社長、どうしてこんなことするんですか?あなたが白山社長のことを好きで、口説いていることは知っています。私たちはライバルだけど、こんなふうにひどい事しないでくれませんか?」それを聞いて和子は眉をひそめ、娘に尋ねた。「結城社長があなたを転ばせたというの?」すると奏汰がそれに反発した。「黛家のお嬢さん、食事ならいくらでも好きなように自分勝手に食べてもいいですけどね、言葉ってのは好き勝手に何でも言っていいものではありませんよ。さっきはそっちが俺に足をかけてきたが、転ばせる力が足りなかっただけでしょう。俺はその足をよけるしかなかっただけで、逆にそちらがバランスを崩して勝手に倒れただけじゃないか。自作自演のくせに、バカな事を言うんじゃないぞ!」奏汰相手に、善悪をひっくり返そうとしても、それは不可能だ。彼はたった一人で、十人以上の恋敵を口舌合戦でこてんぱんに打ち負かすことができるのだから。それが若葉たった一人で彼を相手にしようと思っても、闘える資格すらない。奏汰は黛家に言い返す機会を与えず、顔を上げて天井に設置されている監視カメラを見て言った。「ここには至るところに監視カメラがある。あんたが俺が先に足を引っ掛けたと主張するなら、監視カメラの映像を確認してみれば済む話だろう。みんなに見せて俺が先に手を出したのか、それともあんたが先に手を出したか、判断してもらおうじゃないか」グラン・エデンは白山グループ傘下のホテルだ。玲はこの白山グループの社長であり、監視カメラ映像を確認させる権利がある。若葉は頭をフル回転させて反論した。「私だって、結城社長にわざと足を引っ掛けようとしたわけじゃありません。ただ、うっかりあなたにぶつかってしまったんです」「つまり、俺のせいじゃないと言うことだろ?」若葉は言葉を詰まらせた。ここまで聞いて、和子も事の経緯を理解した。彼女は怒りを抑え、穏やかな声で奏汰に言った。「結城社長、申し訳ありません。うちの娘があなたを誤解したようです。本当にご迷惑をかけま
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第1963話

若葉は言い訳しようとしたが、母親の厳しい顔つきを見て、結局母親に頭を下げて謝罪した。「お母さん、ごめんなさい。私が間違っていたわ」すると彼女は和子に近づいて、親しげに腕を絡め、甘えた様子で言った。「お母さん、私が悪かったの、もう怒らないで、ね。私すっごく白山社長のことが好きなの。元々彼をめぐって競争は激しかったのに、結城社長まで加わったのよ。私たちは女だから、白山社長に近づくことができないでしょ。だけど、結城社長は近づくことができる。白山社長のボディガードも結城社長のことはどうすることもできないし。彼ったら堂々と白山社長を追いかけるって宣言したじゃない。それに白山グループの入り口に花を敷き詰めて告白までしたわ。私は彼のことが羨ましいし、嫉妬してるの。だから思わずさっきみたいな事やっちゃったわ。まさか彼があそこまで反応が早くて彼を転ばせるどころか、逆に私のほうが転ぶ羽目になるとは思わなくて。痛かったし、すっごく恥ずかしかった」さっき転んだ自分の光景を思い出し、若葉は歯ぎしりをするほど悔しがっていた。今まであそこまで他人の前で恥をかいたことはない。「お母さん、怒らないで、ね?今後はあんな低レベルな間違いをしないって約束するわ。凪も凪よ、私が転んだのを見たのにすぐに助けに来てくれないんだから。綾さんの言った事は正しいわ。あの子は私の無様な姿を見て喜んでいるのよ」そう言い終わると、和子は若葉の額を軽く突っついて言った。「凪が食事をしているところに白山社長が突然来たのよ。あの子も反応できなかったはず。あなたが転んだ時、彼女はその瞬間何が起こったのかわからず驚いていたって、言っていたでしょ。どうやってすぐに駆けつけることができるの?あの子は田舎育ちで、護身術すら学んでいないわ。だから反応が遅いのは当然。あなたは少し学んだ子だけど、結城社長に逆にやられてしまったでしょ。怒らせてはいけない相手に手を出してしまったのよ。これはあなた自身の問題であって、自分の過ちだわ。それを凪のせいにするのはいけないのよ。あの子は私の実の娘だもの。覚えておきなさい、あなたの父親が過去にあんなことをしていなければ、凪もここまで辛い思いをすることはなかったんだからね。そもそも、あなたは凪には申し訳ないことをしているの。だからいつもいつも、凪があなたの物を奪ったよ
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第1964話

和子と若葉の親子二人は再びホテルの中に戻っていった。そして、若葉の目にまた怒りの炎が燃え上がった。彼女がホテルの会場に入るとすぐに凪と玲が一緒に踊っているのが目に飛び込んできたのだ。若葉だけでなく、他の玲を慕う女性たちも、それぞれ憎たらしそうに鋭い視線を凪に突きさしていた。そしてまた彼女たちは奏汰のほうを見ていた。しかし、奏汰はワイングラス片手にそこに立って、ワインを飲みながら玲と凪のダンスを見ていた。彼はまったく嫉妬した様子はなく、逆にうっすらと笑みを浮かべていた。彼女たちはこの最強の恋敵に大いに失望した。なぜあの二人の邪魔をして、白山社長を奪わないのか理解できないのだ。彼女たちも白山社長とダンスしたいと思っていた。凪は周りからの憎しみの視線をひしひしと感じ取り、小声で玲に言った。「白山社長、私をダンスに誘うなんて、私、彼女たちの敵として見られてしまいます」玲は軽く笑った。「凪さんは怖いのですか?」凪は瞳をキラリと光らせて、玲と少しの間目を合わせていてから笑った。「白山社長、本当に興味深いお方ですね。私も彼女達と同じようにあなたのファンの一人に加わりたいです」「俺もあなたのことは高く評価しています。しかし、残念ですが、あなたに希望を抱かせるわけにはいきません。他の人を探してください」凪の玲を見つめる瞳はただ面白い相手だと感じている程度で、まだ沼にはまるほどではなかった。玲は凪が自分に深くはまってしまうのは避けたかった。彼女はこのダンスで奏汰からつきまとわれるのを避けたいので凪を相手を選んだ。そして同時に、彼女に別の気持ちを抱いていないとはっきりと伝えた。凪は非常にスカッとした性格の持ち主だから、きっと正しい選択肢を選ぶだろう。すると凪は笑って言った。「白山社長には好きな方がいるんですか?もしそうなら、私もお手伝いすることしかできませんね」凪は玲のことを同じく高く評価していた。しかし、玲は黛家の婿養子となることは不可能だと理解した。凪は黛家に戻ってから、家系図を調べていた。すると歴代の当主は婿養子しか迎え入れず、その相手はどれも能力のない男たちばかりだった。有能な男は彼ら黛家の婿養子として入ることはできない。当主との関係が非常によく、全てを捨ててしまいたいと思わせる男であれば話は別だ。玲からは断
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