「玲さん、気に入ってくれました?垂れ幕に書いてある言葉は全部俺の本心です。決してからかっているわけではありません」奏汰は愛おしそうな目つきで彼女を見ていた。玲は背を向けて去ろうと思ったが、二歩ほど進んでまた立ち止まり、振り返って奏汰に言った。「あの垂れ幕をさっさと外せよ!」「なんでですか、あれは玲さんへの愛を綴ったものですよ。俺があなたに言いたい事を書いてあるんです。直接言おうと思っても、聞いてくれないじゃないですか。だから、ここに垂れ幕をさげておけば、毎日あの言葉を目にして、俺のことを気にし始めるかもしれないでしょう?」玲は暫く彼を睨みつけていてから、再び背を向けて去っていった。玲は奏汰をどうすることもできない。この男は本当に恥も何もかも捨てている!あの結城家がどうしてこのような恥知らずを輩出したのだ?「玲さん」奏汰がすぐに追いついて、彼女の腕を掴んだ。玲のボディーガードはそれを阻止しようと思ってもできなかった。彼らは奏汰とやり合ったことがあり、奏汰の喧嘩の腕はかなりのものだと知っているのだ。本気で止めようとしたところで、それは無理なはずだ。それに、玲は奏汰に対して対処のしようがなく、完全に呆れかえっているが、実際には奏汰と本気で争っているわけではないと彼らもわかっている。それに玲の両親も奏汰のことを気に入っている。玲は力を込めて奏汰の手を振りほどき、冷たい顔を向けた。「結城社長、自重しろって言ってるじゃないですか!あんたはそれ以外に言える話はないんですか?」奏汰はニヤニヤと笑った。「俺たちは男同士じゃないんです?男が男の手を引いたところで、別にどちらも損はしないでしょう。ここまで来たんだし、うちで食事でもしていってください。奢りますから」玲は冷ややかな声で拒否した。「結構です!」「一人で食べても美味しくないです。一緒に食べましょう。玲さんが好きな料理しか頼みませんので」そう言いながら、奏汰は再び玲の手を引こうとしたが、玲に素早く避けられてしまった。しかし、玲はまたすぐに、図々しい奏汰に強引に手を掴まれてしまい、ラグジュリゾートのほうへと引っ張られていった。玲は奏汰に連れられる形で歩きながら、低い声で命令した。「結城奏汰、手を放せ!」「嫌です。できるなら俺を殴って倒してみれ
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