「凪、早く出ていったほうがいいよ。ここにいたらお母さんがイライラするでしょ。あなたのせいでお母さんすごく怒ってるみたいだし、早く出たほうがいいって」若葉は良い人そうに凪にそう言った。彼女は自分から凪に近寄って手を引っ張り、急いで凪を外へ出そうとした。凪は言い訳も拒否もすることなく、若葉に引っ張られるまま外へ出た。若葉は凪をオフィスから追い出した後、バタンッと大きな音をたてて、ドアを閉めた。若葉はこの時、上機嫌だった。母親が凪に任せた小さな事業、子会社をあれだけの実力を発揮して完璧に管理していると思っていたら、それは誰かに頼っていたからだったのか。兄たちの成果まで横取りしているようだ。そういうことだとわかり、若葉は安堵した。凪がひたすら母親を満足させることができなければ、二人が本当の親子であっても、次期当主の座は難しい。それに、母親はまた当主の座を若葉に戻すかもしれない。小さい頃から当主の手で教育を受けてきたのは若葉のほうなのだから。若葉は母親ほど傑出した才能はないものの、田舎娘の凪よりもずっとマシだと思っていた。若葉はくるりと体の向きを変えて、歩きながら言った。「お母さん、あなたもそんなにイライラしないで、凪はビジネスに関しては初心者だもの、まだ慣れてなくて当然よ。だって、前は田舎で畑仕事とかしてたんでしょ。良くて小さな工場でバイトしてたくらいよ。毎月だって、十万も稼げてなかったはず。大きな事業なんて扱ったことないんだし」和子は期待を裏切られたかのようにこう言った。「黛家の女性は昔から男よりも優れていた。どうして私の娘になると、使い物にならないのかしら。いくらわからないと言っても、会社に入ってもう一年よ、少しくらいは理解できるはずでしょ。あの子ったら、他人の功績を横取りすることしか知らないの。偽りの自分を私に見せて、能力が高く、実力があると思わせようとしたのよ」「お母さん、もう少しだけ凪に時間をあげなよ。そんないつも彼女を叱らないで。あの子ったら怒られて顔も上げられなくなってるよ」若葉は嘘らしい言葉で母親に助言していた。彼女はすぐに母親にお茶を持ってきた。「お母さん、まずはお茶でも飲んで落ち着いて」和子は若葉が持ってきたお茶を手に取り、顔を上げて次女を暫く見つめてから、ため息をついた。「若葉、あなた
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