All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 761 - Chapter 764

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第761話

唯月は笑って言った。「二人の仕事はうまくいってないって聞いたけど、それほどかからずに失業するかもしれないわね。給料だって中身が空っぽのカードを渡されるわけで、それのどこが自慢になるっていうの?私とあいつは離婚する前は必要な費用を夫婦二人で半々負担してたけど、離婚する時に二千万以上財産分与で私がもらったわ。あいつが失業したとしても、別に私と陽が生活に困ることなんてないのよ」莉奈「……」俊介は不機嫌になった。「誰が俺らが失業するって言った?俺らは仕事は順調だぞ」それに対して唯花が口を開いた。「あんたの母親が言ってたのよ。あの人、ほぼ毎日お姉ちゃんのところにやって来て、その女狐にあんたがたぶらかされて夢中になってるって文句言ってるのよ。その女は財産を食いつぶす貧乏神だってね。湯水のようにお金を使って、あんたが苦労して稼いだ金も全く惜しまないとか、成瀬さんの両親は娘を嫁がせるんじゃなくて、娘を売ったクズ一家だともね」莉奈の顔色が一瞬にして暗くなった。俊介は成瀬家が要求してきた結納は確かに多すぎると思い、唯花の言葉にすぐには返事はしなかった。現在の彼の財力であれば、成瀬家の要求通りにそのお金を渡すことはできる。しかし、実をいうと彼はあげたくないとも思っていた。その金額があまりにも多すぎるからだ。それに彼は自分のお金を使って、あの家をまた内装しなければならないのだ。それから、結婚式や披露宴、様々なところにお金が必要で、成瀬家に結納金を渡したくないと思っていた。俊介の母親の言葉を引用して言えば、一千万以上なら世間で一番優しく美しい仙女のような女性を嫁にできるだろう。成瀬莉奈はそれにあたるのか?さらに、莉奈は道徳観に欠けているとも言っていた。莉奈が当初、彼には妻も子供もいると知っていながら、彼を誘惑したと。莉奈にその気がなかったらできないことなのだ。莉奈が何も企んでいなければ、さっさと離職して、俊介から遠く離れていたことだろう。俊介の母親は成瀬莉奈こそアバズレ女だと罵っていた。たとえ容姿がいくら美しかったとしても、安っぽいクズ女で唯月には敵わないと言っていた。「お姉ちゃん、私、他にもまだいろいろ買わなくちゃ。またあちこち回りに行こうよ」唯花は不和の種をまくのに成功し、姉と一緒にショッピングカートを押して去っていった。俊
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第762話

「母さんは悪気があって言ってるんじゃないって。年配者にそんなカリカリしなくたっていいだろ?莉奈、結納金のことなんだけど、本音を言えば、確かに成瀬家からの要求は多すぎるよ。もし、そっちに一千万以上の結納金をあげて、そっちも全部俺らのために使ってくれるなら、喜んで結納金を渡すんだけどさ。俺が出す半分でもそっちが出してくれれば、嫌な気はしないんだけど。でも、君の両親は、ただ新しいシーツセットと、電動バイクしかくれないだろ、そんなの大した金額じゃないじゃないか。二十万もしないもんだ。君の両親が来たあの日、俺、実はこそっと聞こえちゃったんだ。結納金の一千万は二人のお兄さんに半分ずつ分けて、お兄さんたちの家をリフォームするって。それから残りの数百万は自家用車を買うのと、君の両親がもらって自由に使おうって。嫁入り道具にはたった数十万しか出さないって言ってたぞ」俊介はその日、裏でこっそりと莉奈の両親が一千万以上の結納金をどう使うか話し合っているのを聞いて、怒りで火を吹きそうだった。彼が持っていた四千万くらいの財産は半分の二千万以上を唯月に渡し、残っているのは二千万に満たないくらいだった。しかし、それにバックマージンと、サプライヤーからの報酬を合わせると、二千万以上の財産になるのだった。それでも成瀬家からのあまりにもひどい要求には耐えられなかった。実は莉奈のほうも、心の中では両親の要求はあまりにもひどいと思っていたのだ。結納金はそもそも彼女のものだ。それを二人の兄の家のリフォーム代と新車代に使って、自分の嫁入り道具にはシーツセットに電動バイクなどと、彼女はかなりショックだった。普段、両親、兄、義姉、みんな彼女をとても可愛がって愛してくれているようだった。それなのに、まさか自分が嫁いでいくことになったら、両親がずっと隠していた醜い一面が出てきたのだ。口では彼女のことを一番愛していると言っておきながら、彼女を利用して二人の兄の生活がもっと良くなるように助けてあげるらしい。しかし、俊介に文句を言われて、莉奈は本能的に自分の両親を庇った。「お父さんもお母さんも私をここまで育てて学校も行かせるのにたくさんお金を使って苦労してきたのよ。結婚するにあたって、結納金をあげるのは私を育ててくれた恩返しにも繋がるの。お金をあげたら、両親がそれをどう使お
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第763話

俊介はさらに続けた。「不動産権利書には君の名前も加えるよ。だからあの家は半分は君のものになるんだ。きれいにリフォームしたら、俺らは毎日快適に暮らせるだろ。そのお金で君の二人の兄さんとその嫁さんを快適に暮らさせるよりずっとこっちのほうがいいさ」莉奈は内心俊介の意見には賛成していたのだが、口先はこれとは違う言葉を放った。「もともと一千万以上出すって約束してたのに、それを三百万ちょっとにするなんて。俊介、結婚するのよ、私ってそんなに価値のない女なの?最初の頃は私にどこぞの財閥家の若奥様みたいな生活をさせてくれるって魅惑的な言葉で私をその気にさせたじゃないの。盛大な結婚で私を佐々木家に迎えてくれるって。それがたった三百万の結納金だなんて、盛大だって言える?」俊介はこの時、我慢できずにこう答えた。「星城の一般家庭の結婚は、条件が良い家だって、数百万だよ。結納金の相場はだいたい百万円前後だ。星城の女性が結婚する時は、本当に結婚するだけでお金の要求をしたりしないよ。娘が結婚して幸せになってくれればいいって思う家庭がほとんどさ」同じように星城の田舎出身である唯月が彼と結婚する時に、内海家は彼に六百万の結納金を要求してきた。しかし、内海家がそんな要求をする資格はないと言って、それを唯月が断った。それが今、成瀬家は一千万円以上の結納金を要求してきたのだから、本当にまるで娘を他所に売りに出しているような感じだ。「私の村では、ある家の女の子が結婚した時に、何も言わずに男側のほうが数百万円の結納金を用意してくれたわよ。それに家や、二千万くらいする高級車だってプレゼントしてくれたんだから」おそらくその家の娘が相当な金持ちと結婚したのを見て、羨ましいと思ったのだろう。俊介が高給取りで、市内に家も持っているし、彼の両親は年金も退職金もたくさんあるから、佐々木家の経済状況はかなり良いと知って成瀬家は結納金を多くもらいたいのだ。それに娘が盛大に結婚すれば、村に戻った時にも鼻高々だと思っているのだ。俊介は言った。「その女の子が結婚した相手は成金二世か何かだろ?俺はそんなんじゃないよ。もし、そういう男と結婚した女が羨ましいなら、成金二世でも探しにいけばいいだろ」そう言い終わると、自分を引っ張る莉奈の手を振りほどいて、ショッピングカートを押して歩き出した。「俊介、
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第764話

唯月は笑って言った。「結城さんは元から良い人でしょ。彼とあのクソ男を比べることなんかできないわ」カートを見て唯月は言った。「これくらいでいいでしょ、まだ買うの?先に家に持って帰って、何が足りないか確認してから、もう一回来る?」たくさん買いすぎても、彼女たち二人で家まで運ぶのも疲れるのだ。清水は今家にはいない。唯花が彼女に正月休みとして家に帰ってもらったのだ。清水に働きに来てもらってからというもの、彼女たちはたくさんお世話になったのだ。唯花が彼女にボーナスを渡した以外に、唯月のほうも年越しだからと言って、清水にお礼としてお金を包んで渡したのだった。加えて清水は理仁のほうからもボーナスや報酬をもらえるから、上機嫌で家に帰って正月を迎えられる。若旦那様のために働くからには、絶対に損などしないのだ。若奥様とお姉さんの唯月も、とても良心のある人たちだ。結構な額のボーナスと臨時収入をもらった清水の他に、今、理仁に仕えている七瀬のほうもボーナスが何倍にもなり、年末のボーナスももらえるのだった。彼もまた若旦那様が重宝しているボディーガードなのだ。それに、若奥様からも信頼され、味方につけている人間である。「それもいいわね」唯花は選んだお菓子をカートに入れ、姉と一緒にカートを押して会計の列に並んだ。またタイミング悪く、姉妹が会計に並んでいる時に、またあのクズ男と女狐と一緒になってしまった。しかし、姉妹は前のほうに並んでいて、あの二人は後ろだった。俊介はやはり莉奈のことが好きなので、彼女から別れると脅かされると、すぐに彼女の元へ戻ってなだめたのだった。それに、カートの中に正月祝いの商品も満タンにした。俊介の佐々木家へあげる分と、莉奈の両親や兄二人にあげる分だ。莉奈は怒りを鎮めて彼と喧嘩はせず、二人はまた仲直りしていちゃついていた。この時、唯花姉妹がカートの中の商品を一つ一つ取り出してレジに置いていき、その金額がどんどん増えていっているのを見て、唯月がお金を払うわけでなくても、俊介は元義妹は浪費家だと思った。こんなにたくさんの物を買っている。以前、まだ彼の家に住んでいた頃、たしかに彼女が家事のほとんどを担当してたが、それは全部姉を手伝うためだった。毎月五、六万の生活費を渡してきていたが、あれっぽっちで一体何ができる?
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