All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 981 - Chapter 984

984 Chapters

第981話

「唯月さん、店には人手が必要なの?私はね、今仕事がなくて、年も年だし、若い子たちに勝てないから、なかなか仕事が見つからなくて。もし人を雇う必要があるなら、私を雇って。給料は多くは要求しないよ、一カ月に十六万ぐらいで、食事と住所だけ提供してくれればいいのよ」英子は話題を変えた。佐々木母も娘の言葉に同意し、息子の元嫁に言った。「そうよ、唯月さん。お義姉さんはこの暫くの間、ずっと無職なのよ。あなた一人で店をやりながら陽ちゃんの世話をしなくちゃいけないでしょう?それは大変だわ。一人雇ったら結構楽になるはずよ。お義姉さんは別に他人じゃないし、よく働く子よ。知らない人を雇うより安心できるでしょう?万が一、盗み癖のある人を雇ってしまったらどうするの。陽ちゃんなら、私に任せてね、あなたは商売に専念すればいいのわ」佐々木母は自分で陽の面倒を見れば、唯月が毎日佐々木家へ陽を迎えに来る。そうすれば、唯月が俊介と会うチャンスも増えると思っていた。十年以上の付き合いだし、二人の間に息子もいるから、失った愛を取り戻すのは簡単で、ただ時間の問題だと思っていた。俊介がまた唯月のことを好きになったら、佐々木母はすぐその成瀬というあの女を追い出すつもりだった。あの厄介な疫病神が嫁いで来てから、佐々木家が一日も落ち着ける日などなかった。作る料理もまずいし、少し注意するとすぐ泣き出す。俊介を味方に付けて、親である彼らに反抗させるのだ。唯月は冷たい表情で言った。「必要ないわ、それに、雇う余裕もないし」一カ月に十六万ぐらいの給料をあげるって?このような小さい店で、黒字になるだけでもよくやっているというものなのに、人を雇う余裕なんてないのだ。それに、雇ってもそんなに給料が払えるわけがない。ましてや佐々木英子を雇うなんて、もっとありえない話なのだ。「陽ならちゃんと自分で世話できるから。それに、九月になったら幼稚園に入ることだし」唯月はもちろん佐々木母が何を企んでいるのがわかっていた。陽を利用し、彼女を俊介と復縁させようという魂胆だろう?そんなの冗談じゃない。一度はめられてひどい目に遭ったのに、彼女は馬鹿じゃないから、また同じ罠に落ちるわけがないだろう。離婚する前に、唯月は確かに俊介に少し未練があった。しかし、離婚する時のあの大騒動で、その未練など消え
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第982話

「ばあちゃん、何か必要があるなら、俺に言えばいいよ。別に隼翔に頼む必要はないだろう」「あなたに用はないわ。余計なこと聞かないで、早く隼翔君の電話番号を教えなさい」理仁は訝しそうに親友の電話番号をおばあさんに伝えたが、やはり気になってまた尋ねた。「ばあちゃん、一体何があったんだ?どうして隼翔じゃないとだめなんだ?」「あなたに関係ないわ、仕事に戻って」おばあさんは隼翔の電話番号を手に入れると、すぐ孫の電話を切った。電話の向こうの理仁は言葉を失った。ちょっと気になっただけなのに、それも駄目なのか。おばあさんは早速隼翔に電話をかけ、向こうが出ると、彼女は焦った口調で隼翔に言った。「隼翔君、大変なのよ!佐々木家のクズともがまた唯月ちゃんをいじめに来たの。唯月ちゃんの元義母と義姉よ。店を開くことができて羨ましがって、その店を譲れって言いだしたの。唯月ちゃん一人ではあの母子二人に負けているわ。今の彼女はもう百キロもあるわけじゃないから今の体格では、喧嘩に負けちゃうのよ。私はもう年を取ったし、助けたくてもできないの。地面に倒れてもあの二人には全く効果がなかったし。だから、あなたに助けを求めるしかないのよ。会社が近くにあるし、警備員を何人かこっちに送ってくれればいいのよ」おばあさんは言い終わると、隼翔に質問する暇も与えず、すぐに電話を切った。「もしあなたが自分で来たら、その隠された本心が分かるわ。警備員を送ってくるだけなら、まあ、私の見間違いだったってことね」おばあさんは携帯を握りしめ、トイレを出た。佐々木家母子がまた何を言ったのかわからないが、唯月はかなり怒り出した様子で、二人を追い出そうとしていた。それを見たおばあさんは危うくあの二人を引き止めるところだった。もし隼翔が来たときに、佐々木家母子がいなかったら、どうやってヒーローの登場を演じることができるだろう。幸い、佐々木母子のクズっぷりは侮れないものだ。おばあさんが引き止める必要もなく、そう簡単に引き下がるわけがない。「唯月、お義姉さんは本当に今困ってるのよ。俊介も結婚式をやるからお金が必要なの。あなたは陽ちゃんと二人だけで生活してるから、大したお金もかからないでしょ?それに、妹も助けてくれるんだし、もうお金に困ってないはずだよ。だから、四百万をお義姉さんに貸してく
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第983話

「すぐ行くから、唯月、すまんな」俊介は母と姉の代わりに詫びると、すぐ電話を切り、車の鍵を手に取って父親に言った。「父さん、母さんと姉さんがまた唯月のところに行ったんだ。本当に恥をかかせてくれる二人だよ。一緒に行って連れて戻してくれないか」佐々木父も顔色を暗くし、暫くして「全く何をやってるんだ」と言った。かつてはちゃんとした家庭が彼女たちのせいでバラバラになり、新しい嫁を迎えたものの、妻と娘は息子の元嫁の良さを思い出し、頻繁に唯月のところに行って困らせているのだ。一体どういうつもりか、実に情けないことだった。「お前と玲奈さんの結婚式が終わったら、母さんを連れて田舎に戻るよ。これからは大したことがないかぎり、星城に来ないからさ」佐々木父は妻と娘を連れて実家に戻るのが最善だと考えた。新しい息子の嫁と距離を保てば毎日喧嘩になることもなくなるだろう。それに、元嫁からも離れて、彼女に静かな生活を送らせることができるのだ。俊介は黙って父親の決定を認めた。唯月が元夫にかけた電話を切ると、隼翔が勢いよくガラスドアを押し開けて駆けつけて来た。彼の後ろに、十数人の警備員もついてきた。唯月はポカンとした。これは一体どういう状況なのか。おばあさんは「おや、結構な人を連れて来たじゃないか」と思った。「この二人の女を追い出してしまえ!」隼翔は入ってくると、何も聞かずに警備員に佐々木母子を店から追い出すよう命令した。彼は佐々木母子の前に立ち。傷跡のある顔を冷たく引き締め、冷酷な目つきで二人を見下ろすと、母子二人が我慢できず震え出した。「この通りの半分の店舗は俺のもんだ。俺の縄張りで迷惑をかけてくるなんて、いい度胸じゃないか。この東隼翔のことをなめているってことか?一度しか言わないからな。また俺のテナントのところに近づいたら、ただで済まさんぞ!出ていけ!」「は……はい!今すぐ消えます、今すぐ!」佐々木母は恐怖で震え出した。そして娘を連れてさっさと逃げ出した。母子二人は車に戻り、あっという間に走り去っていった。外でずっと見張っていた莉奈は隼翔が警備員を連れて来たのを見ると、すぐ自分の車に戻り、こっそり成り行きを見ていた。それに、彼女は携帯で動画を取り、俊介に見せようと思った。唯月は今もう強い後ろ盾を見つけて、俊介は彼女にと
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第984話

おばあさんは呆れて言葉を失った。「東社長、どうしてあの人たちがここに来ているとわかったんですか?」唯月は我に返り、思わず尋ねた。隼翔はもがく陽を降ろした。あれだけ風車を買ってあげたのに、陽はまだこの東おじさんを好きになってくれていないのだ。隼翔は少しショックを受けていた。たった三歳の子の機嫌も取れないなんて。「結城おばあさんから電話があったんだ。君の元義理の母親と姉がまた騒ぎを起こしてきたから、早く助けてほしいって言ってきたんだよ。それに、彼女たちのせいで陽ちゃんがびっくりしたり、おばあさんが傷ついたりしたら大変だと思って、急いで警備員を連れて来たんだ。みんな大丈夫だったか?」唯月は納得した。結城おばあさんが彼に電話をかけて助けを求めたから、隼翔が突然現れたわけだ。東グループが近くにあるのが幸いだった。おばあさんが彼に助けを求めるのは当然のことだった。唯月は多く考えず、ただこう言った。「あの人たちはただ厚かましい人なだけですから、別に怖くないんですよ。水を汲んでかけて追い払おうと思っていたところに、東社長が来てくれたんです。東社長、本当にありがとうございました」隼翔は言った。「無事で何よりだ。今後また来たら、すぐに追い出せばいいんだ。あんな理不尽な奴らと話す必要などないんだぞ」もし彼女らがものを壊すような真似をすれば警察を呼べるが、ただ愚痴を言ってきて、お金を借りようとしただけでは、唯月は通報できないのだ。「結城おばあさん、内海さん。俺はまだ用事があるので、先に帰ります。もしまた何かあったら電話をしてください。後で執事にここにも警備員を配置するよう言ってやるんで。こうしたら、この辺りも比較的平和になり、こんなことが二度と起きないようにできるだろうから」隼翔は急いで来て、あっという間に去っていった。滞在時間は十分もなかった。唯月はおばあさんはわざと隼翔を探るためにこうしたのだとは知らず、彼が警備員を連れて去ったあと、おばあさんに言った。「東社長は本当にいいオーナーさんですね。この店舗が良いなって思ったのは、ただ人通りが多いからだけじゃないんです。東グループと他の中小企業もたくさんありますから、店をやったらきっと儲かるなって考えたんです。今はここを選んで本当によかったと思っています。東社長はただ家賃を回収す
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