私は雲香と警察官の背中を写真に撮り、そのまま穎子に送った。誠和法律事務所の名義で、この件の進捗をリアルタイムで追ってほしいと頼んだ。自分にケジメをつけるためでもあり、この件を見守ってくれているネット民のみんなにも説明責任があると感じたからだ。女性をプライベート写真で脅すようなクズどもは、みんなこの事件の結末を見ている。もしも犯した罪に罰がなければ、私みたいな被害者はきっと、これからもっと増えてしまう!私は病院の廊下に立ち、ふと突き当たりの病室に目をやる。慎一は、あそこにいる。まず、霍田当主のことについて、私にも責任の一端があることは認める。そして、慎一には、私に謝ってもらわなきゃ気が済まない。ここに来る前、わざと黒いスーツジャケットを選んだ。同じ色のワイドパンツに、細いヒールの靴。少しでも自分を強く見せたくて、気合いを入れたつもりだった。だけど、高級VIPエリアのふかふかのカーペットを歩くと、なぜか自分がちっぽけになった気がして、気勢もすっかり消えてしまう。拳を握って自分に言い聞かせる。なのに、妙に可笑しくなった。私、どうしちゃったんだろう?そんなに彼に会うのが怖いの?彼だって別に、私を食い殺す鬼でも妖怪でもない。ただの人間なのに。私は「清算」に来たのであって、昔話をしに来たわけじゃない。そう思ったら、心が少し軽くなった。足取りも速くなり、病室の前まで歩いた。だが、ドアのガラス越しに、真思が慎一のベッドの傍らに座っているのが見えた。二人は、何やら話し込んでいた。真思の顔は柔らかく微笑んでいて、慎一もいつもの鋭さを隠し、穏やかな表情で彼女と話している。病室にはちょうどよく陽が差し込み、彼の柔らかな前髪に光が当たっている。少し俯いた彼の黒い瞳は深く、眉のあたりは驚くほど優しげだ。海苑の別荘のあの客室は不思議だった。窓は小さいのに、陽だまりはいつも美しい人にだけ降り注ぐ。毎朝、彼は朝陽の一番に私にキスして起こしてくれた。私を寝起きでキスして起こすのが好きだって言っていた。夢から覚めたばかりの私は、従順で、何をさせても素直だったからだと。私はわざと彼の首に腕を回して引き止めて、出勤を遅らせたり、雲香の送りもサボったりしていた。でも今、胸がきゅっと縮む。こんなに夢中で優しい彼の表情、私だけのものじゃなかったん
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