私は胸が張り裂けそうだった。私の子がいなくなろうとしているのに、慎一はまるで喜びを隠せない様子だった。たしかに、私が嘘をついた。でも、彼だって罪深い人間だ!悲しみが一気に私を包み込み、こんなときに彼と親密な関係になるなんて到底受け入れられなかった。だけど、体中の力が抜けて、立っていることすらできなかった。私は全身の重みを慎一に預けるしかなく、彼は私が彼にすがりつこうとしているのだと、私も彼に心を許し始めているのだと勘違いしていた。「慎一……」私は弱々しく拒んだ。「やめて。とても疲れてるの」彼は私を見上げ、瞳には欲望が滲んでいた。「わかってるよ。ただキスするだけ、ほかには何もしない」彼はどこか子供っぽく笑った。「今は無理だろ?そんなこと、俺が一番わかってる。ただ、十ヶ月も我慢しなきゃいけないなんて、俺もつらいよ」私は力なく笑い、それ以上返事をしなかった。彼に抱き上げられてベッドまで運ばれると、薄い部屋着はすぐに彼の手で脱がされた。彼はもっともらしく言う。「お風呂に入れてあげるよ。それから一緒に寝よう。もう遅いし、ゆっくり休まないと、赤ちゃんだって休めないから」彼の少し荒い呼吸が私の頬や首、鎖骨にまでかかる……お風呂に入れてくれると言いながら、未練たっぷりに私に触れていた。私は彼の手を掴んだ。「もう無理、お風呂は明日にして。今日は本当に疲れたから」信じてもらえないかと心配になり、さらに言い添えた。「妊婦は疲れやすいんだよ」私は身動きもできなかった。今この瞬間、子どもを失ってしまうのが怖かった。慎一はじっと耐えていた。普段は冷静で気品ある彼が、まるで水に濡れた猫のようで、私の唇にそっと、名残惜しそうにキスを残してから、冷たいシャワーを浴びに行った。私は浴室の曇ったガラス越しに映る彼の姿をぼんやりと見つめながら、いつしか深い眠りに落ちていった。再び目を覚ますと、もう彼の姿は隣になかった。今日は慎一が雲香のために記者会見を開く日だった。鏡の中の私は、目に痛みと意地が宿っていた。軽く化粧して顔色の悪さを隠し、黒の和服に身を包んだ。長い首筋にはキスの痕が残っている。タクシーを呼び、記者会見の会場へ向かった。現場は賑やかで、多くの記者が大きなカメラを構えていた。私は避けることもせず、真っ直ぐレッドカ
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