静華は微かに笑みを浮かべ、彼の手を握り返した。その後、何人かの人が祝福の言葉をかけに来てくれた。遊園地のスタッフもその様子を見て、わざわざ花束を持ってきてくれた。「お二人にプレゼントです!とてもお幸せそうなので、どうか末永くお幸せに!」静華はそれを受け取り、はにかみながら「ありがとうございます」と礼を言った。人混みの中から誰かが口笛を吹き、叫んだ。「お幸せにーー!」これほど多くの人から善意を向けられたことはなく、静華の心は温かくなった。遊園地を後にしてからも、手足の温もりはまだ残っていた。「静華」イヤホンから聞こえる機械的な音声には、どこか笑みが含まれているようだった。「すごく嬉しい。今日は、俺の人生で一番幸せな日だ」静華は、湊が握ってきた手に、緊張からくる汗が滲んでいることに気づき、思わず笑みがこぼれた。「私も……私も、すごく幸せ」静華の顔の怪我を気遣い、湊はマスクを買って彼女に着けさせ、タクシーを拾って先に病院へ戻り、包帯を巻き直してもらった。再び薬を塗り、病室へ戻った時、棟也が二人の絡み合った手を見て、驚いたように眉を上げた。「どういう状況だ、これは。まさか、結ばれましたか?」静華はこれを聞いて恥ずかしくなって手を引こうとしたが、湊は彼女の手を固く握り、逃がそうとしなかった。棟也は笑った。「それなら、僕も半分キューピッドみたいなものですね。湊、今回、彼女の心を射止めたことには、僕の功績も半分くらいあるでしょう?これで東区のあのプロジェクト、君の会社にもう数パーセント下げてもらわないとな」会社?静華は一瞬きょとんとし、顔を上げて尋ねた。「秦野さん、あなたたちは同じ会社じゃないんですか?」「もちろん違いますよ」棟也は答えた。「僕と湊はただのパートナーです。彼には自分の会社があるんです。しかも、とてつもなく大きくて、事業も多岐にわたって複雑でね。一日で稼ぐ金で、一戸建ての一つや二つ、問題なく買えるくらいです。結婚したら、あなたはただの社長夫人として、座って金を数えるだけでいいですよ」静華の心に、ずしりと何かがのしかかった。棟也がそこまで言うのなら、湊の会社は本当に大きいのだろう。湊は、それほどまでに有能な人だったのか?だとしたら、彼女なんかが……「でも
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