章衡は礼をして退出し、宮中を出ると馬に乗り去った。駿馬が都の外へ出た時、章衡は馬を止めた。顔を陰鬱に曇り、馬から下りると、誰もいない小道に向かって言った。「兄上、出てこられよ」物陰に隠れていた章何もまた眉をひそめ、そこでようやく姿を現した。章衡は章何の足を見て、淡々と言った。「兄上は回復されたばかり。養生なさるべきですぞ」章何は章衡の言葉の意味を理解した。彼は五年も寝たきりで、腕前は五年前と比べてかなり衰えており、尾行の腕さえも鈍っていたのだ。季岳が昨日既に調査し、都の外には大小合わせて二十数軒の屋敷があり、そのうち水の近くにある屋敷は十数箇所もあると報告していた。喬念が一体どこに閉じ込められているのかは、一軒一軒調べて回る必要があった。だが、彼は待ちきれなかった。だからこそ、章衡を追跡することにしたのだ。しかし、気づかれてしまった。章何の顔色は陰鬱で、口調にも冷たい響きが混じっていた。「分かっておる、今や兄上とてそなたを止められぬ。そしてそなたが念々に心を寄せておることも。しかしいずれにせよ、監禁すべきではなかった!」章衡は冷淡な表情で言った。「兄上が何を仰せか、理解できませぬ」とにかく、章何の前では、彼が念々を連れ去ったことを決して認めまい。章何は眉間に深く皺を寄せた。「衡よ、人を好くということは、かのようなものではない。そなたのやり方では、念々をますます嫌わせるだけだ!」同じ言葉を、今朝林華にも言われたばかりだった。章衡の顔色はますます陰鬱になった。「兄上が何を言っても信じぬというのなら、兄上ご自身でお調べになるがよろしい」そう言うと、彼は馬に乗り、冷たい声でこう言った。「ただ、二度とついてくるな」言い終えると、馬を駆って去っていった。章衡が埃を巻き上げて去っていく後ろ姿を見て、章何は拳を固く握りしめた。ただ自分が五年間も体が不自由であったことを恨んだ。今となっては、権力も勢力もなく、好きな女一人守れぬ身になってしまったことを!そう思うと、章何の瞳の奥に次第に暗い色が浮んだ。章家の屋敷へ戻ると、章母が彼を待っていた。章母の慈愛に満ちた顔を見て、章何の顔色は突然険しくなった。無理やり前に進み出て、目を伏せ、「母上」と声をかけた。章母の心は微かに締め付けられた。
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