そう言うと、章何は背を向けて立ち去った。ここに残ってどれだけ多くのことを言っても無駄だと、章何は分かっていた。虎衛はここにはいない。章衡から彼らを救い出すことができないのなら、選択肢は一つしかない。真相を明らかにし、虎衛の潔白を証明することだ。章衡は確かに腹立たしいが、一つだけ正しいことを言った。いくつかのことは、彼一人で言っても意味がないのだ。朝廷には平陽王や虎衛を虎視眈々と狙っている者がどれほど多いことか。彼らに付け入る隙を与えてはならない!調査は意外と順調に進んだ。章何は配下を河湾村へ遣わし、現地の村人たちに尋ねた。楚知耀と虎衛が何者かは知らなかったが、白羽とその仲間たちのこととなると、村人たちは口々に称賛した。そこで、章何はわざわざ数人の証人を都へ連れてきた。ところが、章衡が彼より一足先に結論を得ていた。大殿において、章衡は片膝をつき、ここ数日の調査状況を報告した。「ご報告申し上げます。二つの虎の頭の刺青を詳細に調べましたところ、確かに相違点がございました。虎衛の刺青は全て胸にございますが、山賊の刺青は多くが腕にございます」そう言って、彼は二枚の紙を差し出した。それぞれに二つの虎の頭の刺青の図案がはっきりと描かれていた。御上様は見やり、それから傍らに立つ楚知耀を見て、すぐにまた章衡に向かって尋ねた。「されど卿は、たとえ刺青が異なっていても、虎衛と山賊の間に関係がないとは証明できないと言っていたではないか」「確かにその通りでございます」章衡は続けて言った。その声は朗々としていた。「されど臣は先日、泳北から逃亡した山賊を一人捕らえました。彼の証言によりますと、泳北の山賊はかつて戦場から退いた老兵の一団であり、虎衛を敬慕するあまり、虎衛の姿を真似て刺青を施したとのことです」その言葉を聞いて、御上様は激怒した。「実にけしからん。虎衛を敬慕するならば、、虎衛に倣って国を守るべきであろう!」どうして村を虐殺するような残虐なことができるのだ!大殿の中は、水を打ったように静まり返った。しかし御上様の視線は、もう一方の傍らに立つ章何に向けられた。「余は聞いたぞ、卿も手がかりを探しに行ったそうだな?」章何は前に進み出て応じた。「はい。臣は殿下と虎衛が隠れ住んでおられた村を見つけ、村人たちを証人として
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