All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 481 - Chapter 482

482 Chapters

6. 「あの日の僕ら2」69

-69 いつもと違う雰囲気を楽しむ恋人達- 美麗は相も変わらずのチャイナ服で大学の授業を数コマこなした後に友人の安倉 優(あくら ゆう)と安正達のいる食堂へと入った、2人はこの日朝から連絡を取っていなかったのでまさかこのランチタイムにこの食堂で会うとは思ってもいなかった。優(当時)「ねぇ美麗、今日もあんたは昼限定ランチで良いよね。AとBのどっちにする?」美麗(当時)「じゃあ・・・、Cで!!」優(当時)「Cね・・・、何のセットだったかな・・・、ってあるかぁ!!」美麗(当時)「それと、お腹空いてるからご飯は小盛ね!!」優(当時)「どっちなのよ!!ボケを連発しないでよ、ツッコミが追いつかないじゃん。」 どうやら当時、学科内で美麗はクラスのボケという役柄を担っていた様だ。その事を一切知らなかった安正は恋人を見かけてポカンとした様子だった。安正(当時)「美(メイ)・・・、麗(リー)・・・?」美麗(当時)「安正?!何でいんの?!」安正(当時)「たまにはここで食うかってなったんだよ、この後授業無いから。」 後は帰るだけになった安正は大学より自宅からの距離が近いという理由だけでこの食堂を選んでいた。優(当時)「本当にこの人と付き合ってたんだ、じゃあ今夜も一緒に?」美麗(当時)「いや、残念だけどバイトがあるんだって。」 安正は淋しそうな表情を見せる彼女を急いで宥めた。安正(当時)「それがさ、今夜休みになったんだ。夜は店閉めるって言ってたから。」 安正の言葉に黙っていなかったのは他の誰でも無く優だった、優は安正のバイト先の常連だったそうで本人にとってはかなり重大な緊急事態が発生したらしい。優(当時)「じゃあ今夜私が予約してる焼肉弁当は?18:00に5人ま・・・!!」成久(当時)「待って、ちょっとこっち・・・。」 優の言葉に焦りの表情を見せた成久は優を少し離れた場所へと連れて行った、優は成久の咄嗟の行動に驚きの表情を隠せなかった。成久(当時・小声)「すいません、安正達に2人の時間を過ごして貰おうと嘘ついたんです。じいちゃんが言うには勿論今夜も営業しますし、焼肉弁当は肉多めで用意しますから話を合わせて頂けますか?」優(当時・小声)「ふふん・・・、ご飯も大盛りに出来ます?」 優のノリの良さは地元でも評判があったらしい。優(当時)「予約・・・、明
last updateLast Updated : 2025-12-15
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6. 「あの日の僕ら2」70

-70 嫉妬の矛先- 2人は綿菓子の屋台から数メートルに渡り伸びる行列に並んで自分達の順番を待っていた、十数分経過してやっと自分達の番が近づいて来た時に恋人たちはある事実に気付いた。安正(当時)「結構大きいね、どうしようか。」美麗(当時)「お腹いっぱいになっちゃったら他の屋台を楽しめなくなっちゃうね、最初から困ったな・・・。」 2人は数分の間黙り込んだ後に互いを見つめ合って声を掛けた。2人(当時)「半分こしようか。」 顔を赤らめながら手を繋いで待つ恋人達の様子からは初々しさも見て取れたのだが、互いが同じことを考えていた事による照れと嬉しさで2人の顔はもっと赤くなった。美麗(当時)「もうすぐだね、甘い良い匂い・・・。」 それから数分経過して2人の番まであと2組となった、ここまで近づくと屋台の中の様子を伺えたのだが見た目からしてどう考えてもヤクザ者の幹部と言える40~50歳代の男性と下っ端らしき20~30歳代の男性の2人で営業している様だった。ただ周囲でこの屋台の綿菓子を楽しんでいる客たちは本当に美味しそうに食べていた、どうやらこの屋台は当たりの人気店らしい。 そして2人の番となった、注文は「下っ端」の方が受け付けている様だ。下っ端(当時)「いらっしゃい、2つで良いかい?」安正(当時)「いや、1つでお願いします。」下っ端(当時)「何でだよ、ケチくせえ事言うなよ。」 すると隣で見事な綿菓子を作っていた「幹部」が「下っ端」を怒鳴った、2人の様子から恋人たちの意図を汲み取ったのだろうか。幹部(当時)「サブ!!余計な口たたいてんじゃねぇ!!」サブ(当時)「す、すいません、兄・・・、大将・・・。じゃあ君ら1つね、300円ね。」大将(当時)「待てサブ、君ら怖い思いさせてすまねぇな。こう見えてもヤクザから足洗って堅気の人間として頑張ろうと思ってんだよ、実は俺達は昔からある恩人のお陰で料理やお菓子作りが密かな趣味だったからこうやって綿菓子の屋台を出してんだけどな。どうやらまだヤクザ者の血が抜け切れてねぇみたいだ、悪い事しちまったからこれは俺からの侘びだ、タダで持って行ってくれ。こう言っちゃなんだが、幸せな2人に俺からの手向けって事にしといてくれや。」美麗(当時)「良いん・・・、ですか?」大将(当時)「ああ・・・、俺は決して嘘はつかねぇ・・・。」 
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