All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 521 - Chapter 522

522 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」⑲

-⑲ 吸血鬼の秘策- ネフェテルサ王国で随一の売り上げを誇る洋食レストランの味のベースを自分でも簡単に作れる事が分かった真希子は早速「ブイヨン」、いや「鰹出汁」を作る為に材料の調達へと向かった。中心街へと『瞬間移動』するとジューヌが露店を閉めかけていたので、真希子はやや滑り込み気味で声をかけた。真希子「ジューヌさん、ごめんよ。まだ鰹節はあるかい?」 折角、一から出汁を取るんだから、元日本人として素材には拘りたい。ジューヌ「あるけど、削って無いやつしか無いよ。」 この露店ではいつも、客のニーズに合わせる為に「花かつお」を中心とした削ってある物と削って無い物を用意していたが、この日は何故か後者ばかりが飛ぶ様に売れていた。真希子「助かるよ、一度自分で削ってみたいと思っていたんだ。」 真希子には幼少の頃からかんなで鰹節を削りたいという少し変わった夢があった。ジューヌ「今からでも良いならこっちで削るよ?」真希子「いや、自分でやるよ。出汁を取る直前に削った方が風味が良いって言うからね。」 その後、急ぎ店に戻った真希子はかんなを『作成』して調理場へと向かい、鰹節を削り始めた。ただその様子をオーナーシェフは決して見逃さなかった。ナルリス「真希子さん、何をしているんです?どうして鰹節なんかお持ちなんですか?」 真希子は一瞬「まずい」と思ったが、この光景を見られてしまったので正直に話す事にした。真希子「店長、ごめんなさいね。実は私、ブイヨンの作り方なんて知らなかったんだよ。元々は守が作った鰹出汁を『複製』して使っていたんだ。でもこの前酔った勢いで全部飲んじゃってね、新しく作り事にしたって訳。ただ作るなら拘りたくなってね、それで今に至るのさ。本当に申し訳ない。」 真希子は怒られると思ったが、ナルリスの反応は意外な物だった。ナルリス「そうでしたか、あの優しい風味と香りは鰹出汁でしたか。だからお客さんにも人気だったんですね。」 「日本」という国名も知られていないこの異世界でどうして和風だしの味がウケているのか不思議で仕方が無かったが、真希子はお気楽な人間だった為にあまり気にせずにいた。ただ、問題はそこでは無い気がするが。 しかし、今はそれどころでは無かった。好美がずっと「試作品」を待っていたのだ。待ちきれそうにない好美を何とか宥める為、ナルリスは客席へと向
last updateLast Updated : 2026-01-12
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7. 「異世界ほのぼの日記3」⑳

-⑳ 秘策の詳細- 吸血鬼が経営するレストランのテーブル席で「試作品」を待ちながら1人ワインを楽しむ好美の様子を見て、副料理長兼ソムリエのケンタウロスは嫌な予感がしていた。ロリュー「ナル、あのままだと試食どころじゃなくなるんじゃないのか?控えめにしておいてさっさと料理を出さないと。」ナルリス「いや、これはこれで良いんだ。と言うよりこっちの方が都合が良い。」 ロリューはオーナーの発言の意味が分からなかった、よく考えてみれば先程から何の作業を行っていない。敢えて言うなら調理場では真希子がひたすらに鰹節を削っているだけであった。ロリュー「お前、まさか・・・。」ナルリス「その「まさか」だよ・・・。」 そう、ナルリスの秘策とはワインを好きなだけ呑ませて酔わせ、いっその事帰らせてしまおうというものだった。正直言って、下衆な作戦な気がするが。ロリュー「だったら真希子さんはどうなるんだよ、今必死に出汁を取る為に鰹節を削っているんだぞ。」ナルリス「夜営業でその出汁を使う事にすれば良いじゃないか、それに俺もロール白菜なんて作った事無いもん。」ロリュー「いやいや、お前が言い出した事なんだろ。発言には責任を持つべきだと思うけどな。」ナルリス「そう言ったって、今からは仕込みが大変だろ。」ロリュー「だからって何もしないのは罪だぞ、俺も手伝うから早く仕込もう。」ナルリス「うん・・・、お前が言うなら仕方が無いか・・・。」 どちらがオーナーなのか分からない位に説得力のあるロリューの言葉に押されて仕方なく白菜の仕込みを始めるナルリス、その様子を真希子が見逃さなかった。真希子「店長、何もしてなかったって今聞こえたけど?このままだと店の信用を失う事になるよ、この街での好美ちゃんの影響力を知っているだろう。今となっちゃあんたの嫁さんとほぼ同等だ、ちゃんと作らないとこの店が潰れちゃうよ。悪い事は言わないから今からでもちゃんと作りな。」 副店長の声が聞こえたのか、ワインをゆっくりと楽しむ好美が調理場に近付いて来た。好美「ねぇ、「試作品」の調理は進んでんの?」ナルリス「こ・・・、好美ちゃん。今味のベースが決まったんだよ、これから白菜で挽肉を包んでじっくりと煮込んで行こうと思っていてね。」 ナルリスは慌てた様子で白菜を、湯を沸かした寸胴の中に放り込んだ。ロリュー「おいおい、
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