-129 真実①- 突然だが時は宴が終わる直前に遡る、好美は無邪気に笑う恋人の顔を見て何かを思い出したかの様に声を掛けた。好美「ねぇ守、この後って空いてる?」 空いているも何も今日はこの宴の為に1日休みにしたと言っても過言では無い、その上週休との兼ね合いから翌日も予定は無かった(何という偶然)。守「別に、ただ好美と帰ろうと思ってただけだけど。」 流石に顔を赤くする位に吞んだ好美を連れて2次会なんて行けそうも無いと思っていたのにまさか泥酔している本人が誘ってくるとは、自分が好美の立場なら絶対に出来ないと思っていた守。守「何処か行きたいところでも?」好美「うん、守と真希子さんの顔を見てたら食べたくなった物があって。」 親子の楽しそうな表情を見て何処か懐かしい気分になった好美は、元の世界にいた頃の思い出に浸りたくなった様だ。守「食いたい物って何だよ。」好美「何よ、私達と言えば「あれ」しかないじゃない。」 首を傾げる守の横で少し頬を膨らませる好美、どうやら思い出の味は心の中に深く刻みついている様だ。 そんな中で2人の様子を怪しむ様な目で真希子が見ていた、きっと何処かで勘違いを起こしている模様だと捉える事が出来る。真希子「守、あんた酔った勢いで何をしようとしてんだい。間違いを起こしたら母ちゃん許さないよ。」守「待てよ、誘って来たのは好美の方だぞ!!」 慌てる彼氏を見かけた好美は顔をニヤつかせて真希子に耳打ちした、危険な香りが漂って来ているのは気の所為だろうか。真希子「あんた!!いくら何でも早過ぎるよ!!馬鹿な事しなさんな!!」 真希子が好美から何を吹き込まれたのか分からない守は頭を掻いてその場にしゃがみ込んだ、今一番欲しい物はきっと一杯の水だろう。守「母ちゃん、勘弁してくれよ。好美に何を言われたと言うんだ!!」 先程の真希子の台詞はただの悪ノリ、好美には「演技で怒って下さい」と頼まれただけだった。きっと思い出の味をなかなか思い出そうとしない守に反撃したかったらしい。真希子「悪かったよ、でもあんたもあんたじゃ無いかい?本当に好美ちゃんが食べたがっている物が分からないのかい?」 実は先程から2人の会話をずっと聞いていた真希子は好美の言う「思い出の味」が何か分かっていた。まぁ理由が理由なだけに仕方が無い(?)、いや当然の事だと思われる。
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