All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 651 - Chapter 660

682 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」149

-149 ここは異世界のはずなのだが- 土産物屋で好美達はありったけのちんすこう、紅芋タルト、そしてサーターアンダギーの素を買い尽くした(完全に沖縄じゃねぇか)、好美の事だから「暴徒の鱗」や「コノミーマート(相変わらずセンスの無いネーミングだな)」の商品として売る為の仕入れでもしているのでは無いかと思われたが別の可能性を示唆している人物がいた。この日はお客自体が少ないと見込んでいた為、多くの従業員を休みにしていたので偶然レジを打っていたこの店の店長だった。店長「あの・・・、誠に失礼である事を承知の上でお伺いするのですが、まさか最近はやりの「転売ヤー」とかいうやつですか?」 1年程前からこの世界でも店で買い込んだ商品をネットのフリマサイトやオークションサイトで高値で売り捌くと言う行為が目立っていた様だ、確かに1度に多くの商品を買い込んでいたら疑われても仕方が無い。好美「いえ、実は知り合いに大食いのハーフ・ヴァンパイアとマーメイドがいるんです。」 俺としてもあまりに信じがたい話だったがこの世界での事実なので仕方が無い、料理上手の姉を持つメラは兎も角、ガルナスに至っては完璧に母親(光)からの遺伝と言っても過言では無い。多分だが吸血鬼として血を吸う事が無くなった分大量に食事を摂取する様になったのだろう(特に白米)、2人がそんな事を考えていると店長はとある方向を指差していた。店長「もしかして・・・、ガルナスさんとメラさんの事ですか?」 何故店長が2人の名前を知っているのかと疑問に思いながら2人は店長の指差した方向へと視線を向けた、その先には小さなテレビが1台。店長「貝塚学園の生徒対抗で行われている大食い大会を見ていたんですよ、ペア部門に私の娘も出ているんですがお2人が圧倒的に強かったんで見入っちゃいましてね。」 どうやら都合がつかずに生徒の様子を見に行ったり応援しに行くことが出来ない保護者の為に校内で行われるイベントを中心としてテレビ放送を行っている様だ、それにしてもアイツは何ていうイベントを主催しているんだよ・・・。好美「ハハハ・・・、だったら説明する必要無いみたいですね。」守「こちらとしては手間が省けて良かったです・・・。」 会計を済ませて店を後にした2人は大きなビニール袋を両手いっぱいに持って車(カペン)の方へと向かった、そう言えばコイツって「
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7. 「異世界ほのぼの日記3」150

-150 好美にとってのオアシス- 恋人達は植物楽園の駐車場を後にして再びまっすぐな道を何も考える事無く走り始めた、と言っても「暑い」という一言はずっと脳内に残ってはいたのだが。好美「取り敢えず飲み水があれば助かるね、念の為に多めに買っておかない?」守「賛成だな、こんなに暑いとどれだけあっても足りないかもしれないからな。」 猛暑の中でひたすらに店を探していた2人、ネフェテルサ王国(と言うより2人が住むマンション)の様にすぐ近くにコンビニが有る訳では無かったのでかなり苦労したが楽しいドライブの時間が延びたと思えば難なく耐える事が出来た。 5分程走ると2人の目線の先にある店が見え始めた、暑さだからかどんな場所でも良いと思い始めた守は何も考える事無く駐車場にカペンを止めた。カペン「またワイをこんな暑い所に放置するつもりでっか?」守「「放置」だなんて人聞きの悪い事言うんじゃねぇよ、駐車場以外に何処に止めろって言うんだよ。」 確かに双方の言い分は分からなくもない、ただ店用の駐車場があると言うのに路上駐車をする者などいるのだろうか。好美「すぐに戻って来るから待っててね、お利口さんにしてたら後で冷たいお水をかけてあげるからさ。」 好美の一言を聞いてから数秒程沈黙したカペン、何かあったのだろうか。カペン「ま・・・、まぁ・・・、待たないとは一言も言ってませんし・・・。」守「お前、暑さでどうにかなったんじゃないのか?」カペン「何を言っているんでっか、無事に目的地に向かえる様に持ち主を待ち構えるのも車としての使命の1つですわ。」 ボディ自体はシルバー1色なのだが、ほんの少しヘッドライトの真下辺りが赤くなった様に見えたのは気のせいだろうか。守「お前・・・、まさか・・・。」カペン「ワイはただの車でっせ、持ち主の恋人に惚れる訳が無いですやんか!!」守「俺・・・、まだ何も言って無いけど自分から全部吐いてくれたから助かるわ・・・、って好美に惚れたのか?!」 どうやら元の世界にいた頃から好美と再会したかったのは守だけでは無かった様だ、ただ人間が車に惚れこむ事案はよく聞いた話であったが逆があるとは思いもしなかったな。好美「ヘヘヘ・・・、私もモテるもんだね。いっその事カペンちゃんと付き合っちゃおうかな。」カペン「カペンちゃんだなんて照れるやないですか、そんなん言
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7. 「異世界ほのぼの日記3」151

-151 重要な要素- 「バルフ酒類卸」の端で少し頬を膨らませながらビールをどんどん追加していく好美、何処からどう見ても我慢している人の表情にしか見えないが本人が自分の主義を優先させたいと言う意志が強かった為に誰も止めようとはしなかった。もしも止めようものならまるで両親に躾の一環としてお菓子を禁じられた子供の様に泣きわめくであろうと周囲の全員が想像してしまったからだ、店内にいたバルファイ王国の住民達は誰もそこにいる女の子がネフェテルサ王国で最も大きな高層マンションの大家をしている者だとは想像もしなかっただろう。守「あの好美さん・・・、決して駄目とは申してはいないのですがいくら何でも多すぎやしませんか?」 買い物かごいっぱいに入った缶ビールを眺めつつも、後先の事を考慮してじっくりと言葉を選びながら質問した守。もしも目の前で未だに頬を膨らませる恋人に下手な事を言ってしまえば店を出てからの車内が修羅場と化すのが目に見えて仕方が無かった、可能な限り危険を未然に防ぐのが大人の考え方である。 ただ彼氏の言葉を聞いた好美の反応は周囲の者達の予想からは大きく反する物だった、その見た目からは守が好美を泣かせたのではないかとも思わせてしまう様な雰囲気が醸し出されていたのだ。正直、気遣いが故に守から発せられた敬語がかなりの攻撃力が合った様で・・・。好美「多く・・・、無いもん・・・、『アイテムボックス』に入れて少しずつ呑もうって思っただけだもん・・・。」守「そ・・・、そうだよね・・・。折角の旅行なんだから酔い潰れちゃ勿体ないもんね。」好美「それに独り占めする訳じゃ無いもん、確かに免許は持って無いけどずっと運転してくれてる守と一緒に後で吞みたくて多く買っただけだもん。」 もしも俺が守の立場だったら好美のその気持ちがとても嬉しかったのだが好美の持つカゴに入っていたビールはまだ未精算だったので先に会計をしてしまおうと提案したいという意見も発したくなってしまっていた、いくら『アイテムボックス』を使っていると言っても流石に転生者達に万引きをさせる訳にはいかないので。好美「何よ、折角の雰囲気を壊さないでよ!!ちゃんとレジに持って行くに決まってんじゃないのよ!!」 そ・・・、そんなつもりは・・・、何かすんません・・・。好美「もう・・・、早く行こうよ。いつまたこいつに茶々入れられる
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7. 「異世界ほのぼの日記3」152

-152 忘れてた- 無心でただひたすらに運転する守の隣で長い間(何故か2台の)スマホと睨めっこしていた好美、さて今夜の宿は見つかったのだろうか。好美「え?今夜の宿って何の事?」 おいおい、さっきから今宵何処で過ごすかを探していたんじゃないのかよ。もしそうだとしたら何を見ていたんだと言うんだ・・・、どれどれ・・・、ってビールの醸造所かよ!!学生時代や元の世界で夜勤をしていた頃から脳内は酒の事でいっぱいなんだな、相も変わらずだぜ。好美「何人の携帯覗いてんのよ、失礼じゃ無いの?!」 いや、さっきから守が必死に近辺の2人で泊まる宿を探しながら運転しているというのに自分の為の調べ事をしていたお前の方がよっぽど失礼だと思うが?好美「仕方ないじゃん、さっきのお店で呑んだビールが美味しかったから何処のやつか気になっていたんだもん・・・。」 どうやら「バルフ酒類卸」が小売りを始めて数日後より醸造所から樽単位で買っているビールを、お客さんがその場で呑める様にグラスに注いで提供していた物の味に感銘を受けた好美はこのビールを是非「暴徒の鱗 ビル下店」で提供したいと思って調べ始めた様だ。ただイャンダやデルア、そして他の経営者達と相談せずに契約を交わして仕入れても良いのかどうかが疑問視されるのだが・・・。好美「大丈夫よ、「ビル下店」だったら勝手に鮪や野菜を沢山仕入れてもすぐに対応してくれるもん。」 そう言えば過去にそんな事あった様な気がするな、ただ店側の者達は突然の仕入れに毎度毎度パニックになっていたぞ。好美「何その言い方、それだとまるで私が店の従業員と敵対しているみたいじゃない。」守「ハハハ・・・、今までの好美の行動を考慮するとそう言われてもおかしくは無いよな。」好美「守まであいつを庇うの、酷い・・・。」 少し寂し気な表情をする好美、それを見て気を利かせた彼氏は最近やっとやり慣れて来た『転送』を使って恋人に手渡した。守「悪かったよ、ほら、これでも飲みな。」 自宅の冷蔵庫で冷やしていた麦茶を手渡した守、しかし好美の反応は予想通り。好美「ビールが良い・・・。」守「おいおい、昼間っからどんだけ呑むつもりだよ。」好美「だって、皆私が「暴徒の鱗」のバイヤーだって事認識してくれて無いんだもん。」 今までギャンブルでの泡銭で買った物は一応バイヤーとしての「仕入れ」
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7. 「異世界ほのぼの日記3」153

-153 思い出をもう1度- 2人を乗せた車(カペン)は「バルフ酒類卸」を出てからずっとまっすぐな道を走っていた、ただその道のりは高速道路でも無いのに軽自動車にとってはかなりの距離を言っても過言では無かった様だ。カペン「お2人はん、雰囲気から察するにお楽しみの様ですので水を差す様で申し訳ないんですけど少し退屈して来ましたわ。」守「いやいや、『アイテムボックス』の中にずっといるままよりは断然マシだろう。」 確かに守の言葉には一理ある様に思われた、しかしカペン本人(?)からの目線からすればそれ以上に今の状況を退屈だと思ってしまう理由があった様だ。カペン「守はん、昔みたいに峠を走ったりしませんのかいな。ほら、真希子はんと一緒に走っていた時みたいに。」 カペンの言動から察するに、元の世界にいた頃の真希子との記憶が強く根付いたと推測された。きっと走り屋の、いや「紫武者(パープルナイト)」の仲間の一員として峠を攻めていた記憶が蘇ったのだろう。守「安心しろって、この旅行が終わったら嫌と言ってしまう位に母ちゃんと走らせてやるからよ。」 ただ1つだけだが守は愛車に伝えなければならない事があった、元々母が「紫武者」と呼ばれていた最大の理由だ。守「ただな・・・。」 一瞬真実を告げるべきか迷った守、久々の愛車とのドライブ中にそんな宣告をしていいのか正直分からなかった。カペン「「ただ」・・・、何でっか?何か言いにくい理由でもあるんでっか?」守「特に理由は無いけど・・・、なぁ・・・。」好美「「理由は無いけど」何よ、ちゃんと言ってあげないとカペンちゃんが可哀想じゃない。」 本心からカペンをフォローをしているのか、それともただただ守を責めたいのかが分からない言葉を発する好美。しかし、カペンは好美の言動が嬉しかった様で・・・。カペン「よく言ってくれましたわ、好美はんがそう言ってくれたら守はんもちゃんと理由を話してくれるはずですわ。」 カペンの口調は何処か嬉しそうと言うか、楽しそうと言うか・・・。守「別に言いづらい訳じゃ無いんだけど・・・、実は母ちゃんがスルサーティーから乗り替えたんだよね・・・。」カペン「えっ・・・?!」 別に守がブレーキを踏んだ訳では無かったのだがその場で急ブレーキをかけて止まったカペン、持ち主により伝えられた事実に驚きを隠せなかったらしい。
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7. 「異世界ほのぼの日記3」154

-154 学生時代の裏側- カペンの心中を未だに理解出来ない2人は本人(?)が話しやすい様にじわじわと会話を運んで行く事にした、直接的に聞いてもきっと理由を聞く事など出来ない事は最初から分かっていたからだ。一先ず懐かしい思い出を語る事でカペンが重い口を開く(?)きっかけになってくれれば・・・、なんて思ったりもしていた。 おいおい、そんなに世の中甘くないと思うぞ。そんな作戦での誘導尋問が上手く行くとでも思っているのか?好美「そう言えば守は日本にいた時、私が松龍でのバイトで会えない時はどうしてたの?」 大学で毎日の様に会っていたのは良いが、やはりお互いが違う学部学科に通っていたが故に授業の時間割やバイトのシフトの関係で会えない時があってもおかしくはなかった。ただ当時の好美は心から守の事を信用していたので問題となる行動はしないだろうとあまり詮索しない様にしていたのだが、自分と会っていない時に何をしていたのかを全く気にしていなかった訳では無かった様だ。今日この日をいい機会だと踏んだ好美は時間だけはたっぷりあると思ったので思い切って尋ねてみる事にした。守「そりゃあ・・・、バイトしてたよ。」好美「でもさ、私がバイトしてた時間帯全てに守もバイトしてたとは限らないでしょ。」 確かに好美の台詞は意表を突いていた、好美が午前授業だけで昼からバイトに入っていた時に守がランチを食べに行っていた事があった上によっぽど金に困ったフリーターでなければそこまでかつかつにシフトに入る事は無かったはずだ。 これは微かな記憶だが2人が付き合い始めた当時、好美へのプレゼント代や自動車教習所代等を稼ぐ為にバイトに励んではいたが好美との時間をちゃんと取ろうと努力はしていた様だ。守「正と学内の図書館で勉強してたんだよ、やっぱりそれなりに余復習してなかったら大学の授業について行けなかったらな。」 確かに高校時代までの物と違ってより専門的な内容となった大学の授業について行くには結構大変なものだ、それなりにノートをまとめたり配られた資料を見やすくするのも至難の業だったと言っても過言では無い。その事は友人の鹿野瀬 桃を通じて好美も聞いていたと思われるが・・・?好美「で・・・、でも私からしたら授業やバイトが無い時は暇そうにしていた印象があったもん。でないとあんなに大盛りのランチを食べれる程の時間の
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7. 「異世界ほのぼの日記3」155

-155 親子- 自分の質問に対する恋人の返答を軽く流しつつも、好美は心の中でとある会話を思い出していた。先程自らの台詞の中で名前を出した守の母・真希子である。当時この世界で出逢った(いや再会した?)ばかりの2人は元の世界で顔をチラリとしか見えていなかったので面識はあったものの(原因は勿論真希子)、互いを守の母親、そして恋人として上手く認識する事が出来ていなかった。 そんな中、好美の家のバルコニー行われた食事会(と言うか呑み会)中に例の会話は行われた。好美(回想)「あ・・・、あの・・・。」真希子(回想)「ん?どうかしたのかい?」 何故かいつもと違って人見知りを発揮してしまった好美、話しかけるときのたどたどしさがそれを何より物語っていた。好美(回想)「真希子さんでしたっけ、お子さんはいらっしゃったんですか?」真希子(回想)「私かい?元の世界に一人息子を置いてきちゃった身なんだよ、丁度貴女位の歳だったと思うけどね。」 2人共顔を赤くしていたからか、今は何でも聞けそうな気がしていた。好美(回想)「息子さんがお1人で・・・、じゃあ真希子さんだけこっちに来ちゃっているから寂しくしているんじゃないですか?」 日本酒の入ったグラスを片手にしていた真希子の表情が少し暗くなったと感じた好美、今まで誰にも言えなかった裏事情でもあったのだろうか。それともまずい事を言ってしまったのだろうか、もし後者なら早いうちに謝罪をしておかなければならない。好美(回想)「あ・・・、あの・・・、ごめんなさい。」真希子(回想)「え?ああ・・・、良いんだ。こっちこそすまないね、少しだけだけど息子がまだ小さかった頃の事を思い出したんだよ。」好美(回想)「お子さんとの思い出・・・、ですか。」 ため息をついてグラスの日本酒を一気に煽った真希子は再び深く息を吐いて語り始めた、少し酒臭かったが好美は全く気にならなかったという。真希子(回想)「あの子が生まれたばかりの頃ね、今となっては正体を明かしているけど貝塚財閥の筆頭株主である事を隠していたシングルマザーだった私はスーパーでのパートや渚の手伝いで大忙しだったんだ。そうだったからあまり息子に構ってやれなくてね、パートから家に帰る度に決して広いとは言えなかった居間で1人遊んでいたのを見て涙をぽろぽろ流していたんだよ。それに金持ちって思われた
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7. 「異世界ほのぼの日記3」156

-156 楽しい思い出- 好美の目からは真希子の表情が少し困惑している上に寂し気に見えた、酒の席で語れる程の「楽しかった思い出」があまり無かったのか、それとも逆か、好美が後者であって欲しいと強く願っていると真希子は重い口をゆっくりと開いた。真希子(回想)「楽しかった思い出か・・・、息子が4歳の頃だったと思うんだけどね、パートが休みだった日に2人で近くの公園に遊びに行った事があるんだよ。あの頃、普段は家に籠りっきりだった事が多かったから新鮮に思えたのか知らないけどあの子の表情がキラキラと輝いて見えたのさ。私自身はいつも前を通るだけで見慣れた景色だったけどあの子がその中に入るだけで別物に思えて仕方なかった事を今でも覚えているよ。」 いつの間にか日本酒からワインにシフトチェンジしていた真希子はゆっくりとグラスを動かしながら香りを楽しんでいた、好美自身がこっちの世界で適当に選んだワインだったが大企業の筆頭株主は相当お気に召したらしい。好美(回想)「小さい子って遊具とか砂場で遊ぶのが好きですよね、私も昔そうだったな・・・。」 好美は昔、まだ徳島に住んでいた頃の事を思い出した。県南の方にある大きなダム近くの公園で遊ぶのが大好きだった様だ、特に父・操と一緒にローラー滑り台で何度も何度も昇り降りを繰り返しては疲れて眠くなるまでずっとはしゃいでいたらしい。 ただ真希子の胸中に思い出として残る公園は好美が考えている物とは違っていた様で遊具と言えば小さな滑り台とブランコ、そしてジャングルジムだけで生い茂っていた多くの木々の方が目立っていた。どちらかというと森林公園や自然公園と言ったところか、しかしそんな中でも真希子の瞼の裏に映る守は屈託のない笑顔を見せてずっと楽しそうにしていた。真希子(回想)「私も一緒にブランコに乗ったりジャングルジムに登ったりしたっけね、息子が「ママ競争しよう」だなんてはしゃいでいたもんさ。天辺に登った後に2人で食べたお握りが何よりもご馳走に思えてね・・・、ただの塩握りだったけど本当に美味しかったよ。」 家が元米農家の俺もそうなのだが、米の好きな人間には共通して分かる事が有る。いっぱい動き回った後に食べる塩握りは格別に美味い、正直言って具材等が余計(いや邪魔)に思えてしまう位だ。真希子(回想)「その後ね、友人がやっていた中華居酒屋で友人とその子供と
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7. 「異世界ほのぼの日記3」157

-157 真面目な睨めっこの理由- 長々とした回想シーンが笑顔で終わったので一安心した守、自分の見ていない所で先に亡くなった母がこの世界で1人寂しくしていなかったと分かったので少し安心した様だ。守「本当に母ちゃんも同じ様な事を言ってたんだな、ずっと山で走り回っていた記憶が印象強かったからそんな小さかった時の事なんて覚えて無かったかも。」好美「母親ってね、子供との思い出ならどんな事でも覚えているものよ。」 おいおい好美、まだ結婚してもいないお前が何言ってんだよ。好美「何よ、未だに実家暮らしで独身のあんたに言われたくないんですけど。」 あ・・・、すんません・・・、って俺の事は良いんだよ!!俺は一生結婚なんてするつもり無いんだ(と言うより出来ると思っていない)から放っておいてくれ!!守「ハハハ・・・、もしかしたらこうやって卒業旅行をしているのもあいつは指咥えて羨ましがっているんだろうな・・・。」 おい守、全部聞こえてんぞ!!確かに指咥えてますよ、羨ましいと思っていますよ!!右足の骨折で大学を卒業してから今の会社に入社するまで自宅療養の状態だったんだから仕方ねぇじゃねぇか、もう人生で経験するであろう項目の半分以上を諦めているから常にため息つきながら生きているんだよ。 それよりお前ら、長々と回想シーンが続いていたけどいい加減見つかったのかよ・・・。好美「「見つかった」って何の事よ?」 いやいや・・・、さっきからスマホでずっと今宵の宿を探してたんだろ?えらくマジになってスマホと睨めっこしてたけど、やっぱり守と過ごす宿だから結構拘っていたのか?好美「ああ・・・、宿ね・・・。」 おいてめぇ、何で目線を逸らしてんだよ、こっち向きやがれ(※転生者達には俺の姿は見えていません)。守「確かにずっとスマホ見てたけど、宿を探していないなら何をしてたんだよ。」 助手席で頭を掻きながらスマホ片手に悩んでいたみたいだけど、現状で宿を探す以外に悩む事なんてあんのかよ。この世界にある宿自体どれだけあるのか分からないのに早くしないと予約で全部屋が埋まってしまうんじゃないのか?折角の旅行なんだからラブホテルに泊まるっていうオチは勘弁してくれよ?守「流石に俺もそれは嫌だな、ただ好美が何をしていたのか分からん事にはね・・・。」 先程から引き続いて近辺の宿を虱潰しに探す守の横で
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7. 「異世界ほのぼの日記3」158

-158 やっとですか?- 好美が結構な高額をボートレースにつぎ込み、中盤で自分の負けが確定したので愕然としていた横で守は地道に宿を探していた。うん、偉い偉い。守「おいおい、褒められても・・・、嬉しくなる年代じゃ・・・、ねぇぞ。」 そう言っておいて顔が赤くなってんぞ、素直になったら良いじゃねぇかよ。好美「もう・・・、人の彼氏をからかわないでよ。あれよ、もう夕方になりかけているから日が傾いてそう見えるだけよ。」 えっ?!もう夕方なの?!お前らどうすんだよ、まだ泊まる所決まってねぇんだぞ!!好美「分かってるよ、今度はちゃんと探すから許してよ。」 分かったよ・・・、こっちも2人きりで行き当たりばったりの旅行なのに言い過ぎて悪かったな。好美「良いよ、私達の事をずっと気にかけてくれていたんでしょ?1つの優しさとして捉えていたからどっちかと言うと感謝してるし。」守「それに、お前がいなかったらこうやって好美と旅行になんて行けなかったからな。」 お前らな・・・、何改まった様に言ってんだよ。取り敢えず早く宿探・・・、そうや・・・。好美「照れてるね、ちょっと優しさ出して来てんじゃん。」守「お前も人の事言えない奴だな、素直に喜べや。」 違うわ、こういうの慣れて無いからどう返せば良いのか分からないだけだよ。好美「そう言って・・・、照れてるくせに。このこのー。」 何もない所を人差し指で優しくつんつんと突く仕草をする好美、改めて言うが俺の姿は誰にも見えないので致し方無いのだ。 俺の事は良いから宿はどうするんだ?さっきからこればかり言ってるけど結構重要な問題だからな?一先ず洋風のホテルが良いか、和風の旅館が良いか相談したらどうだ?守「そうだな・・・、好美はどっちが良い?」好美「やっぱり疲れた体を癒したいから温泉付きの旅館かな、各部屋に露天風呂付の所があったらそこに行きたい。」 普段から家にある露天風呂に入っているのに旅行先でも露天風呂に拘るとは、好美は「よっぽど(若しくは超)」が付く程の温泉好きと言える。と言うかお前、酒呑んでボートしてただけだから別に疲れている訳じゃ無いだろ?好美「誰が私って言ったのよ、ずっと運転してくれてる守の事よ。」 あらま、これは大変失礼致しました。彼氏想いの良い彼女じゃねぇか、羨ましいぞ。守「何言ってんだよ、羨ましがっても決
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