All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 641 - Chapter 650

682 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」139

-139 人手不足が故のエルフのもう1つの役割- 大切な要素と言える「移動手段」は確定したものの、2人は全くもって目的地を決めていなかった。大体は旅行雑誌などを読んで目的地や食事等を決める事が多いと思われるが「卒業旅行に行く」事だけしか決めていなかった恋人達は何1つ調べ物をしていなかった、と言うか天界や外界を除いては隣り合った3国しかないので別に決める必要は無いと思われるがどうするつもりなんだろうか・・・。好美「別に良いんじゃない?「目的」って必要な物なの?」 確かに1番の目的は「旅行自体を楽しむ」事にあると思われる、目的地や何をしようかなどを予め決める必要は無いのかも知れない。もしかしたら行く場所で何かしらが見つかるとも言えるはずなのでそれに期待しても良いのかも知れない、行き当たりばったりと言う言葉があるのでそれに従ってみても楽しい可能性が無きにしも非ずだ。守「一先ず出発するか、ずっとここにいても仕方ないんだし。」好美「そうだね、ずっとこの駐車場にいたらルイズに迷惑を掛けるだけだからね、多分。」ルイズ「多分じゃないわよ!!」 おいおい・・・、まさかお前、ずっとそこにいたのかよ・・・。ルイズ「そんな事どうでも良いでしょ、それより早く行ってくれなきゃ他のお客さんが入れなくて困るでしょうよ。」好美「分かってるよ、私達お客なのに何でそんな扱いされないといけないのよ・・・。」ルイズ「「何で」か知りたい・・・?」 小刻みに体を震わせながら好美達の正面へと振り向き直すルイズ、女将の見た目は昨日とは打って変わって・・・。好美「あんた・・・、今日は何でそんな格好なの?」ルイズ「この旅館も人手不足なの、私が仕方なく駐車場の整理や警備を担当してもおかしくないのよ。」 そう、ルイズは水色の制服に警察官とほぼ同様の服装を身につけていたのだ。何処からどう見ても旅館の女将には見えない、と言うかいくら人手不足だからって女将がそこまでする必要があるのかよ。ルイズ「うちの仕事はシフト制なの、今日は私が駐車場係な訳で別に仕事が固定されている訳じゃ無いのよ。」守「ハハハ・・・、こりゃいの一番に相談すべきは1人しかいない様だな・・・。」 一方、「暴徒の鱗 ビル下店」では・・・。結愛「ハックション、ハーックション!!うーん・・・、風邪引いちまったかな・・・。」デルア「
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7. 「異世界ほのぼの日記3」140

-140 暫く見ない間の変化- 少し嫌嫌な雰囲気を醸し出していた好美を含めた恋人達が渋々車に乗り込んだ後、守は旅館の駐車場から出ようと元の世界にいた頃の記憶と感覚を頼りにギアを「2」に入れてエンジンを蒸かした。『アイテムボックス』内でほったらかしにして久しく乗っていなかったからか、少々興奮気味になっていた事で母・真希子が持つ走り屋の血が騒いでいたのが見て取れた。好美「ちょ・・・、ちょっと・・・。大丈夫な訳?」守「当たり前だろ、これは俺の車だぞ。」 好美は元の世界にいた頃のデートで何度もこの車に乗って出かけていたが故に大丈夫だと信じたかったが、やはりブランクが大きいからか多少ではあるが不安な気持ちがあった様で本当にこのまま卒業旅行などに出掛けても良いのだろうかと心配になってしまうのは俺も同感であった。それにしても守、久々のMT車だからって蒸かし過ぎじゃねぇのか?守「これ位で無いと発進に失敗するかも知れないだろうがよ、お前だって分かるだろ?」 確かに気持ちは分からなくもない、俺も家の軽トラ等に乗る際には多少強めに蒸かして自分を安心させていたからだ。ただ、守の愛車(?)は大丈夫なのだろうか・・・。守「バ・・・、馬鹿野郎!!(?)を付けんじゃねぇよ、れっきとした俺の愛車だっちゅうの!!」 お前な、「だっちゅうの」なんて久しぶりに聞いたぞ。それにそいつを愛車って言うなら早く発車させろって。守「分かってるよ、うっせぇな・・・。」 久々に起動するエンジンを温める為か、改めて強くアクセルを踏み込んだ守。エンジン「ブオンブオンブオン、ブオーーーーン!!ブオーーーーン!!」 守の愛車はけたたましい排気音を奏でた後、持ち主がクラッチを上げた瞬間・・・。エンジン「プスン・・・。」 そう、MT車ではよくある事だが半クラッチに失敗してエンストしたのだ。何ともかっこ悪くて気まずい状況で俺が守の立場なら耐え切れない、CVT車を買って正解だったと俺は胸を撫でおろすばかりであった。好美「もう・・・、先が思いやられるよ・・・。」守「大丈夫だって、久々だからそうなっただけで問題無いから。」 ため息をつく恋人の隣で焦りの表情を隠せない守を更に追い込む様に何処からか声が飛び込んで来た、車内には2人しかいなかったはずだが・・・?声「ホンマでっせ、あんた免許取り直した方がええ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」141

-141 無知の知- 改まった様子で再びクリスタルに魔力を流し込んだ守は、深呼吸した後にクラッチを踏み込んでギアを「2」に入れた。カペンにも持ち主の落ち着きが伝わったのか、ゆったりと走り出したので守はそのまま旅館の駐車場の出入口を目指した。ルイズ「いよいよね、楽しんでらっしゃい。」 気の利いた台詞を言ったエルフの女将に対して、何故か頬を膨らませる好美。好美「何よ、さっきは早く追い出そうとした癖に心にもない事を言わないでよ。やっと叶った2人での旅行なのに雨でも降らせる気?」守「やめろよ、好美。折角お見送りして下さっているんだから素直に出れば良いじゃないか。女将さん、ごめんなさい。」ルイズ「良いのよ、昔から変わっていない事だから気にしてないわ。それと私の事は「ルイズ」って呼んで頂戴、何なら「ルイズお姉たま」でも良いわよ。」 何となくだが一言余計だと思われるルイズを横目にまた車を走らせ始めた守は市街地の道を通ってバルファイ王国(お風呂山経由)の方向へと向かった。この世界でカペンに乗るのは初めてだった為、2人が乗っていた事にネフェテルサ王国の住民は誰も気づかなかった様だ。 そんな中で先程2人を騒がせた「あの声」が持ち主に質問して来た、どうやら個人(?)的に気になっている事があったらしい。カペン「そう言えば、えんらい山を登って行ってますけど今から何処に行くんでっか?」守「うん、分かんない。」 目的地なんて分かる訳が無かろう、全くもって決めて無いんだから。本当に行き当たりばったりの旅になりそうな模様だ。 2人を乗せた車(カペン)はお風呂山の頂上から反対側を降りてバルファイ王国へと到着した、光がこの世界に来たばかりの頃に住民達やレースのドライバー達を悩ませていた砂漠地帯はほぼ完全にアスファルトで舗装され、高速道路や国道のバイパスと言った広めの道路が縦横無尽に張り巡らされて毎日多くの車が行き来していた。はっきり言ってネフェテルサ王国と違って車無しでは生活できない様になっていたのだ。ただ住民達は便利な道路が出来て大変大喜びしており、これもパルライの重要な政策の1つだったという、それにしてもあいつって拉麵屋だけじゃなくて他の仕事もしっかりしてたんだな。好美「何よあんた、いくら作者でも失礼じゃないのよ。ああ見えてもパルライさんは一応国王様なんだからね。」 お
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7. 「異世界ほのぼの日記3」142

-142 ほぼ正確な腹時計と空腹- 特に用事も無いのでぶしつけに中に入るのは良くないと判断した恋人達は急ぎカペンに乗り込んで出発した、それからはずっと平らでまっすぐなストレートの道が続いていたので殆ど代わり映えのしない風景に2人は少し飽きて来ていた。 そんな中、助手席から好美の腹の虫の音が聞こえて来た。音「ぐぅ~・・・。」 時刻は大体12:45位だっただろうか、どうやら好美の腹時計はテレビ等で使用される電波時計より正確の様だ(飽くまで推測での話なんだが)。好美「あんたね、いくら推測だからってちょっと失礼なんじゃない?ねぇ、守。」 助手席でちょこちょこと何かを摘まんでいる好美の問いかけに全く反応を示さない守、まさかと思うが俺と同じ事を考えていたんじゃ無いだろうな。守「な・・・、何言ってんだよ。そんな訳無いだろ、何処かに良い店無いかなって周辺を探してただけだよ。」 おいおい、そんなに慌てる事無いだろうがよ。え・・・、マジで俺と同じ事思ってたの?!正直に言ってみろよ、な?守「あ・・・、アホかお前は!!女の子が腹の虫を鳴らすわ・・・。」 顔を赤らめる恋人の隣から再び「あの音」が・・・。音「ぐぅ~・・・。」 時計を見ると時刻は丁度13:00になったばかりであった、やっぱり俺が言った通り好美の腹時計は正確じゃねぇか。なぁなぁ、正直な気持ちを吐いちまいなよ。好美「負けた・・・、はいはい私の負けです。お腹空きました。」 少し納得いかない様子の好美の言葉を待っていたかの様に2人の目にある店が飛び込んで来た、その店は店内での飲食は勿論の事、テイクアウトやドライブスルー等の設備があるので各々の目的や状況に応じて利用する事が出来る様だ。何となくだが他に店が見つかりそうもない上に尋常ではない位の空腹に襲われていた2人は駐車場にカペンを止めて店へと近づいた、と言うかお前ら食えれば何でも良いと思って無いか?!好美「良いじゃないのよ、逆に聞くけどこの辺りって何か名物でもあったりする訳?」 そう言われると・・・、お答え致しかねますね・・・、何かすんません・・・。守「ずっと運転して疲れてるし、兎に角何か腹に入れたいんだよ。」 そうっすか・・・、まぁお2人のご旅行なんでご自由にどうぞ。一先ず俺は話を進めますかね・・・。 美味そうな匂いに誘われた2人が全体的にガラス
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7. 「異世界ほのぼの日記3」143

-143 恋人の過去とイメージ- 食べたい物をすぐさま決めた好美の目の前で未だにメニューと睨めっこしていた守は「折角なら」と思い切った注文をした、超余談だが俺(作者)は牛丼屋で牛丼を頼まない派の人間である。守「俺はこの「牛豚すき焼きセット」で。」 数分後、この店で一番大きいサイズの丼に山盛りとなった牛丼が運ばれて好美の前に到着した。いやいや、これ絶対腹八分目じゃねぇだろ!!好美「何よ、「腹八分目」にも個人差があるもんでしょ!!」 「薬やサプリメントの効能じゃねぇだろ!!」とツッコミを入れたくなる発言だったが、よく考えてみれば間違った事を言っていないので今はやめておこう。守「結構なサイズだな、本当に食えんのか?」 そうだぞ、彼氏に心配させんじゃねぇ。今からでもいいからお椀や取り皿を貰って分けたらどう・・・、ってもう半分食ってんじゃねぇか・・・。侮れない奴め・・・。好美「私の体の事は私が一番分かってんの、胃袋の大きさも同様のはずだよ。」 「病気かいな!!」と言いたいけど楽しい食事タイムを台無しにするのは良くないのでそっとしておくのが1番だな、1歩引くのも大事だ・・・。 それにしてもどうして転生者を中心にこの世界に住む女性達は大食いや早食い、そして大酒吞みが多いのかね。ハッキリ言ってビクターも想像してなかっただろうに・・・。好美「別に良いでしょ、大好きの物はどれだけあっても足りない位なの。」 確かに好美の発言を否定する事は出来ない、実際俺も京都発祥の某中華料理屋チェーンの焼き飯が大好物なので永遠に食べ続ける事が出来る自信がある。大学に通っていた時、毎週1度は必ず食べに行っていたが「大盛り」で注文していたのにも関わらず、「会計」後に心中で「もっと欲しい」と何度も嘆きながら帰りの列車に乗る為に駅へと向かった事を思い出した。好美「それで?まだ来ないみたいだけど守は何を頼んでたんだっけ?」 メニューを指差しながらプレゼンテーションする守。守「ほらこれだよ、「牛豚すき焼きセット」ってやつ。牛と豚両方楽しめるなんて贅沢じゃない?」 元の世界にいた頃、すき焼きと言えば豚肉だった守にとって牛が入った物はまさに「折角ならこれを食べたい」と言える逸品であった様だ。守「思い出すな・・・、母ちゃんが少ないパート代を数か月かけて貯金して作ってくれてた「豚すき焼き
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7. 「異世界ほのぼの日記3」144

-144 牛丼屋と言えば?- 好美の言葉に普段以上の棘を感じながら大好きな味に舌鼓を打っていた守達のテーブルに店員がお盆を持ってやって来た、好美が空けた牛丼の器を下げに来たのだろうかと思っていたのだが両手に持つお盆にはまさかの新たな丼が乗っていた。勿論(と言っても良いのかは分からないが)、守には注文した記憶は無い。店員「お待たせ致しました、「炙り鶏もも肉の親子丼・特大」になります。」守「いや、俺た・・・。」 守が店員に断りを入れようとした次の瞬間、本人にとって人生で最もアンビリーバブルな光景の1つが飛び込んできた。そう、好美が今までに無い位真っ直ぐに手を高らかに挙げていたのだ。好美「私です、ありがとうございます。」守「お前、いつの間に頼んでいたんだよ・・・。」好美「守がトイレに行ってた間によ、第一守は車の中で水分摂り過ぎなのよ。」 丁度ランチタイムのこの時間帯でこの日一番の強さを誇っていた日差しの下でずっと運転していた守は所々で水分補給をしていた(水分は人間にとって大切だからね)、と言うかオープンカーにして走っていたらこう言う事にならなかったんじゃないのか?好美「紫外線はお肌の敵なのよ、私の玉の様な肌に傷を付けるつもり?」 おいおい、お前のは「玉」は「玉」でもパチンコ玉じゃねぇのか?好美「どんな肌よ、想像したくないのは私だけ?」守「えっと・・・、「眩しく光る」って言う意味じゃないのか?」 そ・・・、そう・・・。光の反射で辺りを明るく照らすような綺麗なお肌という意味ですよ(守、ナイスフォローだ)。好美「そんな事言って「4円で買える安っぽい肌」なんて言わないでよね。」 そんな事言う訳無いじゃないですか、人の肌に価値を付ける権利は誰にもありませんって(特に俺みたいなダメ人間には)・・・。好美「まぁ、別に気にして無いけど。」守「それより早く食わないと折角の親子丼が冷めちまうぞ。」好美「本当だ、出来立ての内に食べなきゃ。」 ただ好美はお盆に載せられた匙を手に取る訳では無かった、懐からスマホを取り出して写メを撮り始めたのだ。実は牛丼屋で親子丼を食べるのが初めてだったので記念にしたかった様だ、たださっき「腹八分目」って言ってたのは誰なんだよ。好美「まだ2割しか食べて無いもん、それにしても美味しそうだな・・・。頂きます!!」 好美の表情は
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7. 「異世界ほのぼの日記3」145

-145 別腹を通り越して- 目の前で特大の丼物を2杯食べた恋人を見て流石に次は無いだろうと思い始めていた守の目にとんでもない光景が飛び込んで来た、またお品書きを見始めたのだ。守「好美・・・、そろそろデザートか?別腹ってやつだよな・・・。」 ただ好美はずっと沈黙していた、守の言葉は全くもって耳に入っていなかった様だ。5分程の間、無言でお品書きを見ていた。よっぽどこの食事の〆について真剣になって考えているらしい、守は致し方なかったのでずっと見守る事にした。と言っても他に理由があったからなのだが。守「この・・・。」好美「ねぇ、これ良くない?」 彼氏の言葉を遮りながらお品書きを指差して提案をし始めた好美、やはり〆のデザートを食べたかったのだろうかと思いつつ好美の指先を見てみると・・・。守「かつ・・・、どん・・・、カツ丼?!まだ食うつもりか?!」 グルメな大食いなのは以前から知ってはいたがまさかここまでとは、大食いをきっかけに有名人になったあの女性タレントにも引かれてしまいそうだと思うのは俺だけだろうか。守「流石に小盛にするんだよな、腹いっぱいになって来ただろ?」好美「勿論・・・、特盛!!」守「「勿論」の域じゃないだろ、食えんのかよ・・・。」好美「まだ半分くらいだから食べたいな・・・、なんて。」 この店で好美はどれだけ食べ、お金を支払うつもりなんだろうか。まぁ、両方共について心配するつもりはさらさら無いのだが。好美「心配なんてされなくても良いもん、私はただご飯を楽しみたいだけだよ。」守「好美が良いと言うなら良いか、俺もデザート的な物が欲しくなって来たし。」 追加注文を終えた好美からお品書きを受け取った守はデザートのページを開いてじっくりと眺め始めた、やはり牧場直営の店が故に今朝運ばれて来た搾りたての牛乳を使用した物が多い様だ。特に「自家製カスタードプリン」がおすすめらしく、自信の1品だと記載されていた。 守はプリンを注文する為に呼び出しボタンを押した、数秒かからない内に店員がテーブルにやって来た。牧場と同じでこの店で働いている殆どの者が鳥獣人族の為、移動速度が物凄く速いので店の回転率も良いらしい。店員「お待たせいたしました、お伺いいたします。」守「すみません、この「自家製カスタードプリン」をお願いします。」店員「かしこまりました、少
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7. 「異世界ほのぼの日記3」146

-146 食・・・、後・・・?- 流石に特盛の丼物を2つもペロリと平らげ、プリンを17個(売り切れになるまで)も食べた好美の表情は幸福に満ち溢れていた、可能な限り好美の機嫌を損ねたくなかった守は車の中で恋人が幸せそうに眠っていてくれることをただただ願うばかりだった。しかし、守の願望は席を立つ直前に打ち砕かれた様だ。好美「すみません、お持ち帰りをしたいんですけど。」 最低でもこの日1日は家に帰るつもりは無かったので守はどうして好美がお持ち帰りを頼んだのか疑問に思ってはいたが、その答えはあっさり判明してしまった。まぁ、俺は今までの流れからして予想は出来ていたんだが・・・。守「おいおい、予め予想していたなら何で先に言ってくれなかったんだよ。」 アホかお前は、俺が口出ししたら2人きりの旅行が台無しになっちまうだろうがよ。折角の恋人同士の時間であるこの行き当たりばったりの旅行を楽しんだらどうなんだ?こう言ったトラブル(?)も楽しむのが醍醐味ってやつなんじゃないのか?好美「珍しく分かってんじゃない、偶には気が利く事言うじゃん。」 いやー、それ程でも・・・。守「お前な、人の彼女に褒められて照れてんじゃねぇよ。」 あのな、8年も彼女がいない男からすれば今のお前らの状況がどれだけ羨ましいか分かってんのかよ。いつも指を咥えながら眺めている方の身にもなりやがれ、この野郎!!守「お前が勝手に妄想しておいて勝手に指を咥えているだけだろうが、正直今の発言は虚しくないのか?」 ああ・・・、虚しいさ・・・。でも仕方ないだろうがよ、深夜に働いている人間には出逢いの機会なんて皆無なんだからな。正直言って人生の半分以上を諦めている俺からすればもう何もかもどうでも良い事なんだがやはり羨ましいと思う事はあるんだ、察してくれよ。ため息ばかりの人生にも疲れちまったんだよ、たまには温泉にでも浸かりたいよ。守「あんたも苦労してんだな、何かごめんな。」 ああ、気にしなくても良いよ。10代の頃よりは気持ちが楽になったのは真実だからな、それよりも助手席を見なくても良いのかよ。守「そう言えば・・・、さっきから和風出汁の良い香りがしてんだよな・・・。」 結構な長丁場だった食事時間を終えてカペンに乗り込んだ守の目に衝撃的な光景が飛び込んで来た、好美が先程店員から受け取って後部座席に置いたばかりで
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7. 「異世界ほのぼの日記3」147

-147 牛丼屋や高層ビル以外に何があるのだろうか- ただひたすらに「透け家」で買った牛丼弁当にかぶりつく好美の横でアクセルとクラッチ、そしてギアの操作を繰り返していた守には疑問に思っていた事があった。守「今更なんだけど・・・、俺達がこうやって2人で旅行に行っている事を誰にも言わなくても良かったのかよ。俺の事は良いとして、流石に好美の事を心配している人はいるはずだぞ。」 両親である操と瑠璃がこの世界にいる訳では無かったがネフェテルサ王国で好美の事を温かく見守っていた者が沢山いたのは真実なので守が聞きたくなるのも無理は無い、その上大家やオーナーである好美無しでマンションや「暴徒の鱗ビル下店」の経営が上手くいくとは思えない。王城の夜勤は有給で休んでいるから良いとしても流石に他は一言で大丈夫とは言い切れない。好美「大丈夫だよ、誰にも頼らずに自分達だけでゆっくりとした時間を過ごしたかったから敢えて2人きりでの行き当たりばったりの旅行に行こうって決めたんだから。」守「おいおい、「誰にも頼らずに」って今言ったけど内緒で出掛けた時点で他の人に色々と頼っている気がするのは俺だけか?そりゃ、マンションは不動産会社に預けているだろうし拉麵屋には店長と副店長にナイトマネージャーまでいるから問題ないかも知れないけど皆心配するんじゃ無いのか?」好美「だから敢えて内緒にしているんだよ、言ったら言ったで皆が何言いだすか分からないんだもん。」守「だからって・・・、無断で全業務を他の人に押し付けるような事して良いとは思えないんだが・・・。」 守の核心をつく一言に少し焦りの表情を見せる好美、ただ一応は連絡をしていた様なのだが・・・。好美「ちゃ・・・、ちゃんとメモを残しておいたんだもん・・・。」 確かに好美は嘘を言っていなかった、いつの間にそうしたのかは知らないが念の為に「暴徒の鱗」の調理場の奥にある事務所(にしている小部屋)に「卒業旅行に行って来ます」と書置きを残していたらしい。ただ「守(男)と」と書いては無かった上にその日は風が強かったらしく、換気の為に窓が開いていたのでその書置き自体が飛んで行ってしまっていたので誰も気づかなかった様だ。守「まぁ、お前がそう言うなら良いのかも知れないけど。」 ネフェテルサ王国でそれなりに実力を持つ好美が言うのだから心配は無いかと一応安心して
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7. 「異世界ほのぼの日記3」148

-148 暑さが故に- 2人は駐車場に車(カペン)を止めて下車し、出入口らしき建物へと歩き出した。入り口前に置かれたパンフレットには開設してまだ2~3カ月とあった、どうやらまだ結愛達すら足を踏み入れていない「未開の地」の様だがあの社長夫婦の場合は「忙しいから」というのが一番の理由だと言える。 ただ2人はあまり良い予感がしていなかった、元の世界にいた頃に小説や漫画、そしてアニメに出て来ていた異世界の植物と言えばやはり「マンドラゴラ(マンドレーク)」など少し奇妙さのあるものばかりだと思っていたので「植物楽園」のイメージが全くもって無かったのだ。好美「ねぇ・・・、何か入るの怖くない?他のお客さん少ないみたいだからそんなに人気じゃ無いんじゃないかな。」守「いや・・・、そうじゃないだろ。平日だから少ないんじゃないかな。」 確かに2人がここに来た今日は火曜日、大抵の住民が忙しく働いているはずだ。特にバルファイ王国は国土の殆どがビジネス街と化しているので皆慌ただしく動いていると思われる。 一先ず恋人達は券売機で入場券を購入して中に入る事にした、元々この世界は比較的温暖な気候であったがその中でもバルファイ王国は元々砂漠地帯だったので気温が高く住民達の水分が奪われやすくなっており、どの店や施設の前にも自販機や給茶機が設置されている事が多かった。好美「ああー・・・、暑い!!ここは沖縄なの(行った事無いけど)?!」守「汗が全然止まらないな、バスタオルを使っても足らない位じゃ無いのか?」 よくよく考えれば先程も言ったようにこの国は元々砂漠地帯、これは飽くまで推測だが水等を求めた先住民達がここに住み着いてオアシスを中心として都市開発を行っていたが故に元々少なかった木々を伐採等で皆無にしてしまったので他の2国に比べて現状の様に気温が高い日々が続いていると思われる。その上オフィスビルにあるエアコンの室外機から排出されるガスや行き交う車から出る物もその原因の1つだと言えよう、きっとパルライが今一番考えるべきなのはラーメンの新味のスープ開発ではなく環境問題と言いたいのは俺だけだろうか。 兎に角涼を得たかった2人は給茶機でありったけの水を飲み干して中に入る事にした、どうやら出来るだけ外に出たくなかったのは施設の係員も同じだった様で出入口には自動改札機が設置されていた(徳島に全くな
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