風、涼しい。風にあたったら、なんか落ち着いた。しばらーくそうしてたら、ゆっくりゆっくりカリンの紫キャベツが近づいて来た。ウイィー。窓が開いて、「レイカ、正気に戻った?」 カリンが声を掛けてくれた。「もう大丈夫だよ」 後ろドアが開いて中に入れてもらった。セイラがゴリゴリゴリ。セイラがゴリゴリ。セイラがゴリ。最大級のアウェー感。「レイカ。ココロにも会って」 カリンがバックミラーを覗き込んで言った。モチロンだよ。ココロにこの間のこと謝りたいもん。「多分頷いてくれてんだろーけど、ミラー映ってないから声でお願い」「あ、はい。いいよ」 セイラ、ワラウな。さっきはゴメンね。「ついたよ。ココロんち」 お化け出そう。って、いまさらか。「ここにいたんだ」「そうだよ。ほとんど出てこない」「何でこのあいだウチとこ来たんだろ」「はっきりとは分かんないけど、血が欲しいのとは違う理由の気がする」 どうしてそれがわかるの?「この子は休んでてもらうから、レイカ行こう」「カリン。ゴマスリは? セイラがやらなきゃでしょ」「そうか。さっきのことあるか。でも大丈夫? 顔色悪いよ」「セイラは大丈夫だから。白ごまだったよね」「そう。ココロは白ごまが好き」 暗いね。なんか変な臭いする。段ボールの腐ったような。でもココロのとはちがう。ココロは日向の香りだもんね。「レイカ。ホントに大丈夫だよね。さっきみたいなのは、やだよ」「ごめんねセイラ。もうしない」 鼻つまんどくね。こーやって。やっぱ血の匂い嗅ぐと出ちゃうみたい。次は大丈夫。多分。自信ないけど。「この奥だよ」 台所だ。窓目張りしてある。昼も暗いんだな。しかし、何もないね。テーブルも椅子も。ジュータンだけ敷いてあって。カリンがジュータン剥いだら床に扉が。地下室なんだ。「ここだよ。レイカ扉持ち上げるの手伝ってくれる? すごく重いんだ」
Terakhir Diperbarui : 2025-05-31 Baca selengkapnya