「うわぁ~美味しそう」 亜季は目をキラキラさせながら喜んだ。すると和季も、美味しそうな料理に興味があるのか必死に手を伸ばしていた。 小さな体を必死に伸ばして、茶碗蒸しの器に触ろうとする。「あ、和季。メッ」 慌てて止めようとしたら櫻井課長が、ひょいっと和季を抱き上げた。 叱られたので和季は、ぐずりだしてしまう。「ふぇぇ~ん」「こら。お前は、こっちだ!」 そう言いながら膝元に座らせると、持ってきた離乳食を食べさせる櫻井課長。 しかし、これだと料理が食べられない。 いつもは助かるけど、さっきもお風呂に入れてもらったばかり。せめて食事ぐらいは……。「和季は、私が食べさせますから。智和さんは先に食べていて下さい」「あぁ、大丈夫。それに君も食べたいだろ? あんなに楽しみにしていたんだから。ゆっくり食べろ」「ですが……」「子育ては、やれる奴がやればいい。普段は、亜季が面倒を見ているんだ」 櫻井課長はクスッと笑うと和季に、もう1口食べさせてくれた。 彼の優しさに亜季の胸がキュンと高鳴る。 そし、そのお陰で、ゆっくりと食事を楽しみことができた。 小さい子が居ると、なかなか落ち着いて食事ができないから助かる。 食べ終わると、交代する。 その後も櫻井課長は和季を寝かせてくれた。疲れたのか和季は、すんなりと寝てくれた。「今日は、寝付きがいいな。たくさん、はしゃいでいたから疲れたのだろうな」 櫻井課長は布団をかけ直すと、こちらに来てくれた。 亜季は、その間にお茶を淹れる。窓側にある椅子に座るのを確認すると、櫻井課長にお茶を差し出した。「すみません。旅行まで、色々と任せてしまって。後で、ゆっくりと露天風呂に入り行って下さい」「何、大したことはない。それよりも、やっと大人の時間が楽しめるな」「えっ……あっ!?」 確かに。今は和季がすんなりと寝てくれたから、二人の時間がゆっくりとできる。 意識をすると、何だか恥ずかしくなってくる亜季。 初めての旅行に、こんな素敵な部屋に泊まれた。そして今は2人きり。 まるで付き合った頃を思い出してしまう。「……そうですね。付き合っていた頃は、旅行だなんて考えてもみませんでしたし」 亜季はそう言うと、櫻井課長はお茶を飲んだ。 あの頃は、とにかく櫻井課長のことが知りたくて、新しい発見ができることが嬉しか
Last Updated : 2025-04-06 Read more