美月はその言葉を聞いた瞬間、冷ややかな表情を浮かべた。「紗雪、私はあなたの母親なのよ。その態度は何?もう私と縁を切るつもり?」「ええ」紗雪は一切ためらわずに答えた。「どれだけ母親の愛情に飢えていたとしても、私を利用してばかりの母親なんていらないわ。それと、私が京弥の家でどう過ごしてるかなんて、あなたたちには関係ないわ。彼のご両親は本当に優しくしてくれる。あなたより、ずっとよ。私は彼と出会って初めて、『母親』ってこういうものなんだって知った。実の母親とは、まるで別物だった」その言葉に、美月は胸を押さえ、傷ついたように顔を歪めた。「......本気で言ってるの?」信じられないという目で紗雪を見る。その視線を受けながら、紗雪は最後にはっきりとうなずいた。「もちろん本気よ。京弥と帰ってきた時、ずっと幸せそうに笑ってたの、気づかなかった?あなたたちを前にした時だけ、私はこんな態度を取る。できるなら、もう私の生活に干渉しないで。私と京弥は今幸せなの。二人でいる時は、余計なことなんて何も考えなくていいから」緒莉が間に入って場を収めようとしたが、口を開いた瞬間、紗雪に遮られた。「あなたは黙って。そのくだらない話はもう聞きたくない」そう言って紗雪は京弥を見た。「京弥、こんなくだらない話を聞かせちゃってごめんね」京弥はくすりと笑った。「どうして?君のことなら、俺は何でも喜んで付き合うよ」「行きましょう。もう遅いし。明日の朝、ここを出ましょう」「ああ。わかった」二人は腕を組んで去っていった。後ろ姿だけでも、あまりにお似合いだった。緒莉は拳をぎゅっと握り締める。気づかないはずがない。最後のあれは、絶対に紗雪のわざとだ。京弥とあんなふうに親密そうにしていたのも、きっと自分に見せつけるためだった。緒莉は呼吸を整えようとし、少しでも表情を取り繕おうとした。だが何度試しても無駄で、最後にはただ悔しそうに美月を見つめるしかなかった。「お母さん......もう私、どうしたらいいかわからない......」その言葉に、美月も深く息を吐いた。「私もよ。まさか、椎名くんがあそこまで執着しているなんて......何でも紗雪の言う通り。そんな相手に、私たちが何をできるっていうのよ」「じゃ
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