《クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!》全部章節:第 1481 章 - 第 1482 章

1482 章節

第1481話

何の前触れもなく突然帰ってきたうえ、その態度も明らかに攻撃的。緒莉はどうしても落ち着かなかった。もしかして紗雪は、すでに何らかの証拠を掴んでいるのではないか。そんな不安が胸の奥で膨らみ続ける。緒莉は乾いた笑みを浮かべ、先に口を開いた。「きっとお母さんに会いたくなって帰ってきたのよね。だって、こんなに長いこと顔を合わせていなかったんだもの」「先週の食事会で会ったばかりじゃなかった?」「......」――この忌々しい紗雪。わざと自分に逆らっているのだろうか。なぜ自分が何か言うたびに、こうしてことごとく水を差してくるのか。まるで生まれつきの宿敵のようだった。もっとも、紗雪自身はまさにそのつもりだった。嫌いな相手がいるなら、それを隠すつもりはない。彼女は昔から、人に媚びへつらう性格ではなかった。緒莉がここまで露骨に敵意を向けているのだから、自分だけが愛想よく振る舞う理由もない。自分たちは最初から敵同士なのだ。紗雪は遠慮なく本題に入った。「私が今日ここへ来たのは、ネットで騒ぎになっている件についてよ」だが、彼女が話し終える前に美月が口を挟んだ。「その件なら私も少し聞いているわ」美月はきっぱりと言う。「でも二川家を頼ろうなんて考えないでちょうだい。そういう問題は自分で解決するべきよ。あなたはもう立派な大人なんだから、少し問題が起きたくらいで母親を頼りに帰ってくるつもり?」その言葉を聞いて、紗雪は心底呆れた。いったい自分のどの発言が、助けを求めに来たように聞こえたのだろう。そんな勘違いをされる理由が分からない。そもそも助けが必要なら、京弥に頼んだ方がよほど早い。そう思った紗雪は、遠慮なく口にした。「もし本当に助けが必要なら、京弥に頼む方が早いと思うけど」美月は一瞬言葉に詰まった。確かに、その通りだった。「......じゃあ、何をしに来たの?」「さっきも言ったでしょう。ネットの件についてって」紗雪は美月に向かって話していたが、その視線は終始緒莉を捉えていた。「あなたたちに説明してもらいたい」そしてゆっくりと付け加える。「特に――あなたにね緒莉」その瞬間、緒莉の体がびくりと震えた。――まずい。胸の奥で警鐘が鳴る。美月は不思議そ
閱讀更多

第1482話

それ以外に、彼女は何もしていない。そう思うと、緒莉はむしろ自信を取り戻した。「お母さん......私を信じていないの?」緒莉は真っ直ぐ美月を見つめた。その言葉を聞いた紗雪は、「ぱち、ぱち、ぱち」と、わざとらしくゆっくり拍手をしてみせた。 「さすがお姉様ね」紗雪は感心したように言う。「その口の堅さというか、絶対に認めない根性というか......子どもの頃から今まで、本当に何一つ変わってないわ」緒莉は拳を握り締めた。瞳には涙が滲んでいる。「紗雪、もういい加減にしてくれない?これ以上、お母さんとの仲を引っかき回すのはやめて。確かに私はあなたの姉だけど、だからといっていつまでも何もかも我慢できるわけじゃないの」その言葉に、紗雪は一瞬驚いたように眉を上げた。そして口元に薄い笑みを浮かべる。まさかここまで来て、自分が被害者だと言い出すとは。先に仕掛けておきながら、自分だけは無関係な顔をする。この手口は、もはや見事としか言いようがない。紗雪は静かに問いかけた。「もし私に、証拠があったら?」そう言いながら、彼女は緒莉の表情を一瞬たりとも見逃さないよう観察していた。果たして次はどんな言い訳をするのだろう。案の定、緒莉の心臓は大きく跳ねた。だが表面上は必死に平静を装う。「証拠って何のこと?何を言ってるのか全然わからないよ。ネットの件だって、お母さんから聞くまで知らなかったのよ」美月は詳しい事情こそ分からなかったが、その話だけは知っていた。だから頷きながら言った。「そうよ、紗雪。緒莉は――」美月が緒莉をかばおうとした瞬間、紗雪が遮った。「その話をする前に、まずこれを見てください」そう言って、紗雪はバッグの中から一つの書類袋を取り出した。美月は何なのか分からず、不思議そうな顔をする。だが緒莉だけは違った。その瞬間、心臓がぎゅっと掴まれたような感覚に襲われる。中には何が入っているのだろう。まさか本当に証拠があるのか。自分と栄斗の関係が知られるはずはない。何と言っても栄斗は椎名家の人間だ。それなりの能力も人脈も持っている。簡単に尻尾を掴まれるはずがない。しかし、その時の緒莉は忘れていた。京弥はただの椎名家の一員ではない。椎名家全体を統べ
閱讀更多
上一章
1
...
144145146147148149
掃碼在 APP 閱讀
DMCA.com Protection Status