二人は、どれほどの時間が経ったのかもわからないまま、ようやく再びベッドに身を横たえ、寄り添って眠りについた。天の月は雲に隠れ、星々だけがかすかに瞬いている。まるで、ようやく再会できた二人を邪魔しないように、そっと息をひそめていた。翌朝。紗雪が目を開けると、隣にはもう誰の気配もなかった。代わりに、部屋には食欲をそそる朝食の香りが漂っていて、一気にお腹が鳴りそうになる。身体を支えて起き上がると、椅子には清那がすでに腰掛けていた。テーブルには料理がずらりと並び、その一部はもう食べられていて、残りはどう見ても彼女のために取っておいたものだった。その光景に、紗雪の胸がじんわりと温かくなる。時計を見ると、まだ朝の八時過ぎ。思わず笑みがこぼれた。「今日は早いのね。清那らしくないよ」そう言いながらベッドを降り、洗面所へ向かう。知らぬ間に、お腹の空きもだいぶ強くなっていた。紗雪が立ち上がったのを見て、清那は慌てて駆け寄り、彼女を支えた。それが可笑しくて、紗雪は声を立てて笑った。「もう、自分でできるよ」呆れ半分に言う彼女に、清那は真剣な顔で返す。「一か月も寝込んでたんだから、体はまだ本調子じゃないでしょ。私が支えていれば安心なの」紗雪は少し抵抗を覚えた。まるで本当に自立できない人みたいで、気持ちが落ち着かないのだ。けれど清那は一歩も譲らず、何を言っても手を放そうとはしない。仕方なく、紗雪は受け入れることにした。長い付き合いだからこそ、清那の性格はよくわかっている。ここで意地を張っても、無意味なことだ。「じゃあ仕方なくお願いしようかな」紗雪は甘えた調子でそう言い、ついでにぷにっと清那のふっくらした頬をつまんだ。その瞬間、心の奥まで満たされていく。ずっとこうしたかった。でも初日は清那があまりに泣きすぎて、そんな気分にはなれなかった。だから今日がちょうどいいタイミングだったのだ。清那は恨めしそうに紗雪を見上げたが、彼女の体調を気遣って反撃は控えた。洗面所の前まで来ると、清那はきちんと引き下がる。「終わったら呼んでね。面倒だからって呼ばないなんて駄目よ。すぐそこにいるから、何かあったら呼んで」念を押すように繰り返す清那に、紗雪は苦笑してうなずいた。「わ
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