Lahat ng Kabanata ng 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜: Kabanata 111 - Kabanata 120

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第1部 一章【財前姉妹】その9 第七話 新人王の底力

110. 第七話 新人王の底力  第4節は波乱の幕開けだった。なんと役満が出たのだ。 役満を炸裂させたのは中野雅也プロ。第35期新人王の彼である。 一回戦オーラスに大三元をツモアガリしたという。 中野プロはついていた。もう攻めないと再試験になる可能性がある選手が三元牌を2種掴んだのだ。普通は鳴けないものもその状況だと手牌次第で出ることもあるだろう。(下位7名に2期連続で入るとライセンス剥奪。プロテスト再試験となる) 露骨に怪しい切りをしていたのだが、それでもアガれたのは僥倖である。やはりタイトルを獲るような人間は持って生まれた運の良さのようなものがあるのだろうか。  隣の卓で打っていたミサトの耳に中野の「8000.16000」という声が聞こえた。(中野プロが役満ツモか…… 今回で彼も上位7名の昇級ラインに入ったかもな…… これが35期新人王の底力か。油断は出来ない!)  しかし、ミサトも負けじと好調で、満貫を2回ツモアガリしての安定したゲーム回しでトップスタート。私だって昇級ラインは切らないわよと言わんばかりの成績を出す。(負けないわ。私だって36期新人王なんだから!)  二回戦以降も中野、ミサトの両名とも好調を持続させた。カオリとメグミがそれ程絶不調だったというわけではないが現状維持の麻雀をしていたので後ろから上がってきた選手に一気に並ばれた。  一方マナミはまた地道にコツコツと何度もアガリを積み重ねてじわじわとプラスを加算し、首位を譲らなかった。  ────  ミサトの卓とマナミの卓は先に終わり、2人は休憩エリアでパックのミルクコーヒーを飲んでゆっくりしていた。 「マナミは相変わらずね」「ミサト
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第八話 人生は1回きり

111. 第八話 人生は1回きり  中野雅也は新人王とは言えもう30過ぎのいい大人だった。  平日は大手企業で働く企業戦士で役職は課長代理をしており、バリバリ働くサラリーマンである。 麻雀は学生時代にハマってアルバイトで雀荘メンバーをしながら大学時代を過ごした。 大学卒業後はメンバーをやめて今の会社に入社。入社してからの評価はとても良く、係長まではすぐに昇進した。しかしそこからが長く、責任ある立場ゆえにストレスも多くて太ってしまう。 ビジュアルが良いのが中野の良さだったのに太ってしまうし仕事はつらいしで休日に運動でもしようかと思い、津田沼駅から家までの往復しかしてこなかったこの街を少しランニングしてみることにした。すると、見つけてしまう。へんぴな所にポツンとある、雀荘『あおい』という店を。   それからの休日は決まってランニングして『あおい』まで行き、疲れるまで目いっぱい麻雀したらまたランニングして帰る。 ランニングは言うほどたいした距離ではないが肥満になった中野には充分きつい運動だった。それが続けられたのは麻雀がやりたいから。 やがて、少し体型が戻ってきたのを実感してきて家でも体力トレーニングなどするようにしたらしっかりした身体になってきた。 見た目が良くなると信頼もされるものなのだろうか。身体作りをし始めてからというもの部下から慕われて、それにより上司からの評価もまた高まってきた。気付いたら課長代理へ昇進を決める。 ランニングのおかげだ。と思い、中野は(麻雀よありがとう)と感謝した。  課長代理という役職は意外にも係長よりは仕事が少なくて趣味に没頭する余裕が生まれた。 なので、中野は競技麻雀の世界へ足を踏み入れることを決めた。 その事をあおいのオーナーである田所史子(たどころふみこ)さんに相談してみた。この店は田所直人(たどころなおと)さんと史子さんの夫婦で経営している。&nb
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第九話 36期前期リーグ戦最終節

112. 第九話 36期前期リーグ戦最終節  第4節と第5節の間隔は短くて、あっという間に今日は36期前期リーグ戦の最終節だ。  マナミは首位昇級に向けて気合いを入れていた。首位昇級者は1年間の各大会シード権という特典が付くし僅かばかりの賞金も発生する。シード権が欲しいのはもちろんだし大学生のマナミには僅かな賞金だって大切なので絶対にこの首位という座を譲りたくはなかった。 2位には神田川満(かんだがわみつる)というおじさんが付けていたが彼は前回のリーグ戦で落ちてきたベテランだ。プロ歴は長いようだが、彼が強いという話は聞かないし、また昇級さえすればいいというタイプだと思うからそれ程警戒していない。問題なのは自分の妹。あれは間違いなく強い。それだけは事実だった。(私の首位を脅かすとしたらきっとそれはカオリだ。カオリとの同卓だけはしたくない。それだけはありませんように……!)  ────  会場へ到着する。卓組み表を確認する緊張の瞬間だ。 「あっ…!」  最終節はマナミとメグミが対決することになった。メグミは昇級ラインギリギリであるしマナミは首位昇級を狙っていた。つまり、2人とも負けられない戦いだと言うこと。 「メグミさん、何度も言うように私は本気しか出せません。今日はよろしくお願いします」「ふ、私の前に立ち塞がるつもりなら今度こそブチ破るわよ!」  コンピュータによりランダムで作られた卓組みで二度目の直接対決となる2人。お互いに相手をよく知っているが故に(私はなんてついてないんだ)と2人して思ったと言う。しかし、そのような気持ちは微塵も顔に出さず、強い闘志で臆病な本心をひた隠しにした2人だった。 (臆したら負けだ。私は勝つ!)(こん
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十話 化け物の巣窟

113. 第十話 化け物の巣窟 《みんなして同じことを願ってるなんて。良い子たちですねえ。本当に、心は強いし、優しいし。私は嬉しいです。こんな子たちが麻雀を愛してくれてることが》(みんなの声も聞こえるの?)《たまにね、さっきのように神様への願いみたいなものは届いたりします。私も神ですからね》(そーなんだ。じゃあ、私たち今日も頑張るから見守っててね!)《勝つんですよ、カオリ。あなたは私の主であり友人です。牌の神の友人なんですからね》(任せて! 絶対勝つから)   最終節は堂々たる麻雀で勝ちを重ねるカオリ。既に昇級が濃厚なカオリには条件戦になっている暫定順位の低い相手との間に大きな違いがあった。それは戦略の自由度。カオリは負けなければいいだけ。勝ち方に制限はないし、多少の負けも大丈夫。それに比べて他の人は大きな勝利が必要だったので何を狙っているか手に取るようにわかる。  危なげなく勝ち切るカオリ。  《強過ぎてなんだかドラマすらなかったですね。ここまで強くなりましたか。私の出番もなくなってしまいそうですね》  (今日のはたまたまよ。まだ教えて欲しいことばかりなんだから。いつまでも一緒にいてね)  ◆◇◆◇  その一方でマナミは首位から落ちていた。全くノーマークだった無名の2人が12000、16000、24000と何局も早い巡目で超弩級の手をダマで入れてマナミを討ち取っていたのだ。この2人、豊田貴志(とよだたかし)と大上順平(おおがみじゅんぺい)の存在はメグミも知らない。完全に油断していた。油断は禁物とあれほどいつも思っていたのに。まあ、大上プロの方はその後ボッコボコに反撃してやっつけたんだけど豊田プロはかなり強かった。(もう、首位がどうこうと言っていられない。なんとかこれ以上は下がらずに最
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十一話 最終局面

114. 第十一話 最終局面 「ツモッ!!」 中野手牌一二二二三四四伍伍六六七八 九ツモ 「12000は12400オール(メンチンツモピンフイッツーイーペーコー)」 中野雅也が親の三倍満を決めた。最後の最終半荘のオーラスで積みに積んでの12400オール。まさかまさかの大大大逆転だ。これにより首位昇級は中野でほぼ確定。カオリは2位になった。3位に入ったのは微差でミサト。4位には神田川がつけていた。3位までは賞金があるのでミサトもカオリもそこは喜んだ。バイトしてる学生の身には大助かりだ。 5位以降はまだ誰になるか分からない混戦。その中にマナミもメグミもいた。とは言えマナミはリードしており、よほどやらかさない限りは昇級出来そうだが、その条件は細かくは分からない。ただ、勝たなければならない。そう思っていた。  その最終半荘のオーラス。  親はメグミ。トップ目はマナミという7巡目。 マナミ手牌四伍六七④⑦⑧⑨789南南 ドラ一  ここへ最高のツモ八!  ④切りテンパイの高め三色だ。しかしアタマが役牌であるためピンフにはならず、三-六でも出アガるためにはリーチをかけなければならない。 場には八が3枚切られていた。 (どうする? 八が場に3枚出ているし九はダマで拾えるかもしれない。でも三や六だってもう中盤の巡目でオーラスだ。いらなくなれば出すわよね。それを捕まえられないのはマズイかしら? でもでも、ミサトが『守るためには役を作りリーチをかけない』って言ってたし。とは言え、この待ちの場合は……)  マナミにしては考え込んだ。マナミ史上リーグ戦で初めての長考だ。 「&helli
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十二話 おめでとう

115. 第十二話 おめでとう  手牌を開いたのはマナミだった。 マナミ手牌四伍六七八⑦⑧⑨789南南 九ツモ 「2000.4000」    「「ありがとうございました」」  これでトップはマナミで決着。おそらくマナミは総合5位になったと思われる。気になるのはメグミの順位だった。スレスレで昇級出来るかどうかの瀬戸際なはずだが。  パソコンに上位全員の成績が入力される。終了していない5人打ちの卓はまだ2卓あるがどちらも昇級ラインには到底届かない人しか居なかったので実質この成績を打ち込んだ結果が全てである。   パソコンの画面を覗きに行くマナミとメグミ 1.中野雅也+329.42.財前香織+296.53.井川美沙都+240.24.神田川満+240.05.財前真実+183.96.福島弥生+170.97.豊田貴志+150.0ーーーーーーーーー8.成田恵美+148.9  「1100点差……」   マナミは手放しで喜ぶことは出来なかった。自分の三色がなければ。あれをダマのままにしていれば豊田プロの打牌も違っていて鳴きはなかったかも知れない。もし出アガリなら。あるいは安目のツモなら。メグミさんも昇級していたのに…。そう思うと苦しかった。7位と1100点差の8位……! 「アハ。惜しかったけど、ダメだったか。まあ、相手がちょっと毎
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十三話 さよなら私のプロリーグ

116. 第十三話 さよなら私のプロリーグ  成田恵美には決めていたことがあった。それは、今期も昇級できないようなら競技プロを引退する。ということ。  子供はまだ小さいし、雀荘の仕事もしているしでその上プロリーグまで全部出るなんて忙しい生活をしていたら自分が参ってしまう。 これだけやっても昇級できないのならもう辞めた方がいいのかもしれない。子育てに専念できるし、いい機会だ。雀荘のプロ手当は無くなるけど、それでもいいじゃないか。旦那がちゃんと稼いでくれるんだから。そう考えて決意をした上で今期のリーグ戦に挑んでいた。そして、8位。 (なんで8位? 悔しいじゃないのそんな終わり…… ギリギリの惜しい所なんて、そんな順位にはなりたくなかった。でも、これが運命なのかな。これが私の力の限界なのかも……  そうね…… 思えば惜しいことばかりだった。新人王戦は2回決勝戦に残っていながら2回とも準優勝。昇級はしても産休育休でやむなく休場して降級。良かった事と言えば師匠の杜若茜(かきつばたあかね)さんと一緒に勉強会を開催したらそれがけっこうな評判になったことかな) 「…あーあ。こんなに頑張ったのになぁ……。アカネさんになんて言おう。でも、自分で決めたことを反故にしてはいけない。決めたら行う。それが勝負師の誇りだもの……」  数分間メグミはその場に立ちつくしていた。 (とりあえず、帰ろう)  すれ違う人達が見てくる。(なんだろう。なんか付いてるかな?)と駅の鏡を覗き込んだらびっくりした。そこには涙を流している女がいた。 「あれ、わたし泣いてたんだ…… 恥ずかしいな、はは
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十四話 説得

117. 第十四話 説得 次の土曜日。今日は前半がカオリ、後半がマナミの出勤だ。すると店長から驚きの報告を受けた。「メグちゃんね、プロやめるって。ここの仕事は続けるんだけど来月からメグちゃんは女子バイトになるんだ。まあ、やる事はあまり変わらないけどそう言う事だからよろしく」 それを聞いたカオリはショックだったが。それよりマナミが気掛かりだった。マナミは最後の対局で自分のアガリがトドメを刺したと思って気にしている。その上プロを辞めたなどと知ればどんな風に思うだろうか。「あの、このことはまだマナミには言わないで下さい。どうか、どうか。おねがいします!」「あっ… ああ。それはいいけれど」「ありがとうございます」────15時40分「おはようございます!」 カオリとマナミの交代の時間だ。「いらっしゃいませ!」 マナミが出勤の挨拶をホールにする。「マナミさんおはようございます。いま仕事はとりあえず落ち着いてるから。あっ、カオリさんはもうあがっていいよ」「ありがとうございます、じゃあ挨拶してあがります」「お先に失礼します。みなさまごゆっくりどうぞ」「お疲れ様」「はーい、また明日」「カオリちゃーん昇級おめでとう! 明日は何時からなの?」「ありがとうございます! 今日と同じ10時からですよ。明日も来てくださいね」 カオリはお客さんに大人気だ。財前姉妹は今や水戸の麻雀アイドルになりつつあった。(さて、メグミさんを説得しなきゃ)“メグミさん、会ってお話ししたい事があるんでこれから駅前の喫茶店『グリーン』に来れませんか? 私は今日はもう用事がないのでのんびりお茶して待っています。来れたら来て欲しいです”(さーて、なんて説得しようかなぁ。ねえwomanどうする?)《メグミさんにも事情があるでしょうし、そんなうまくいきますかね?》(とりあえずはやってみる。話はそれからでしょ)《まあ、頑張ってみましょうか。私も彼女がプロを辞めてしまうのは悲しいです》(そうよね、それを伝えてみるわ)(あとは、アンに連絡か)“今から『グリーン』に行くけどなるべく静かな席を2席取っておいて欲しいの。できたらで構わないけど” するとアンからは即で返信が来た。“OK”(よし) しかし、メグミからの返信はすぐには来なかった。
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十伍話 笑顔

118.第十伍話 笑顔♪ピロン(カオリちゃんからだ…… なんだろう。あまり、見たくないな。なんだか、合わす顔がないし……) 家事は終わらせているので子供は旦那に任せることも出来るが、気が乗らない。プロを辞めた事についての話だろうなと思うとどうしてもメッセージを開くことに躊躇してしまうメグミだった。────(メグミさん、既読付かないなあ)「アンちゃん。ちょっと私、洋服見に行ってくる。また帰ってくるから」「わかりました~」「じゃ、またあとで」「あい、いってらっしゃい」 カランカラン“メグミさん。忙しいですか。それならまた今度でもいいです。すいません、無理言って”────(またカオリちゃんからだ。さすがに開くか……) 丁度その時、子供を夫に任せてメグミは夕飯の買い物をしに外に出ていた。“いま丁度外に出たとこ。少しなら会えるけど、10分くらいでいいかな”“大丈夫です”“じゃあ10分以内で行くから待ってて”“わかりました”────「お待たせ、ごめんね返信遅くなって」 メグミがほぼノーメイクで来た。いつもメイクが濃いわけではないがそれなりに化粧をしていたんだなとこの時知った。「メグミさん! お待ちしてました。何か飲まれますか?」「じゃあ、アイスコーヒーが飲みたいかな」「アンちゃん、アイスコーヒー2つ下さい」「アイスコーヒー2つですね。かしこまりました」「随分親しげね。あの子は友達?」「あれ、そういえば紹介してませんでしたっけ。彼女は竹田杏奈。私の高校の後輩で一緒に麻雀を鍛錬したかけがえのない仲間です」「そうなの。竹田さん初めまして。私は日…」「に?」「いえ、成田恵美です。よろしくね」(日本プロ麻雀師団所属だという紹介はもうしなくていいんだった)「よろしくお願いします」「……で、いきなり本題なんですけど、師団を辞めるって本当ですか?」「あら、もう聞いたの。店長ったらお喋りだなぁ。……ホントよ。もうけっこう前から決めてたの、次のリーグ戦で昇級しなかったら辞めようって」「嫌ですよ! 辞めてほしくないです!」 カオリにしては珍しく大きな声を上げた。アンは初めてカオリの大きな声を聞いてビックリした。「シーッ…… 喫茶店で大きな声出さないの……。うん、ありがとね。わざわざ止めるために呼び出したり…… 私、後輩に説得
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第1部 一章【財前姉妹】その9 第十六話 豊かな人生

119.第十六話 豊かな人生「じゃあ、まず店長に連絡しましょう」「そうね、プロ辞めたと思ってシフト作り始めてたら大変だものね、だって来月は女流リーグが始まるし」 そう、プロリーグはカオリたちには2つある。1つは普通の男女混合リーグ。そしてもう1つは女性だけのリーグ戦『女流リーグ』だ。 リーグ戦を終えたら直ぐに女流リーグが始まる。「あ、もしもし。店長、あのね実は……◆◇◆◇ 一方、中野雅也はというと、ニューヨーク支店行きを結局は喜んでいた。(リーグ昇級をムダにしてしまったのは悔やまれるけど会社員にとって栄転はそれ以上に喜ばしいことだ。まして、ニューヨーク支店。断ったりしたら一生後悔する) 中野の今期リーグ戦は役満をツモったり三倍満をツモったりと奇跡の首位昇級だった。それだけでいい、辞めるならむしろこの、自分が最強だった記憶を最後にするのは悪くない。中野はそう思うことにした。  中野はプロになるきっかけとなった雀荘『あおい』の店主に挨拶をしに行った。あおいのオーナーの後押しがあったからプロになろうと思ったのだ。「史子(ふみこ)さん、おれ、この店に偶然出会えて本当に良かった。 おかげでこんなに楽しい思い出がいっぱいです。おれの人生は、今とても豊かです。恋人がいなくても。結婚してなくても。プロリーグを辞める事になっても。こんなにも豊かです。 少しの間お別れですけど、いつかまたここに来ますね。 今日までプロ雀士中野雅也を応援していただき、誠にありがとうございました!」 「雅也くん。また、卓上で会える日が来るって信じてるよ。栄転おめでとう」「……必ず、また会いに来ます。どれだけ先になろうとも、必ず!」 そう言うと中野はガラガラッと扉を開けた。「もう帰るのかい? 1回くらい打っていきなよ」「けっこう忙しくてね、時間がないんだ。マスターにもよろしく言って下さい。それじゃ。また」※マスターは基本的に遅番をしてるので今はぐっすり寝ている時間だった。「うん、またね。約束だよ」 かくして、繰り上げとは言え財前香織はリーグ戦初出場にして首位昇級者。井川美沙都は新人王にして2位昇級。財前真実は新人王戦3位で4位昇級となった。素晴らしい結果である。 これにより、彼女たちは新世代のスーパールーキーとしてその存在を認知され始めるのであった――
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