多くの人数が集まった新宿移動。向こうは新宿駅で待ってくれているらしい。「時間だな、それでは行こうか。各自、注意を怠らないように」「あ、すまん! ちょっと、一つ聞いていいか?」 突然スエが手を上げ、主催者に質問をし始めた。「どうした?」「なんで19時に集まったんだ? もっと明るい方が行きやすかったろ?」「それは思ったが、新宿区からの指示でな。このくらいの時間の方が、襲撃しやすいと言っていた」「ふーん、まぁいいけどよ」 渋谷駅に着いた時、ちょうど電車が来た。簡易型エスカレーターがすぐ用意され、3階へと乗れる事を示す。「3階、行こっか」 ユキに続いて3階へと上がる。その上がる途中、ユキが「初めて襲われたあの日、思い出すね」と小さく呟いた。俺は「⋯⋯そうだな」と。 今思えば、あんなのは本当に始まりでしかなかった。その後は、君野先生との別れ、大学からの脱出、2回目の総理の記者会見、国会議事堂への突撃失敗、そしてユエさんとアオさんと裏部さんとの出会い。もっと正しい最適解を選べていれば、みんな生きていたのだろうか。また苛立ちが募り、ぐっと唇を嚙み締めた。「まだ、悔やんでる?」 隣のユキが顔を覗き込んでくる。「⋯⋯当たり前だろ。絶対に殺す」「ルイ⋯⋯」「お前がやるんだったら俺もやるぞ。マッポの連中は総理の味方してるしな、もう役に立ちゃしねぇんだからよ」「でも、いいんでしょうか、そんな⋯⋯」「んじゃ黙って殺されろって言うのかよッ!!!」 ついヒナに大声を上げてしまうと、周囲が騒ぎ始めた。近くにいたアスタたちが近付いてくる。「どうしたんだよ、らしくない」「いや⋯⋯ヒナ、ごめん」「⋯⋯いえ」「今日怖いよ君ら、何かあったの?」 聞いてくるアスタの前へとシンヤが出た。「どうもこうもあったもんじゃねぇッ! こっちで大事な仲間が二人も殺されたんだッ! "黄色いパーカーのヤツら"になッ!!」「"黄色いパーカー"? ⋯⋯それって最近出てるっていう"殺人集団"の?」「そう。アスタ君も気を付けてよ。深夜に襲ってくるみたいだから」 ユキの声にアスタが頷く。すると、アスタの右隣にいた女の方が黒能面を取った。「アスタ様は死にません」 端正な顔立ちで急にそんな事を言った。と思ったら、左隣の男までも顔を出す。「僕らがいれば、安全ですよ」 アスタは
Terakhir Diperbarui : 2025-05-13 Baca selengkapnya