二秒待っても返事がなく、蓮司は電話を切った。ガラスの向こうで、美月はついに慌てふためき、彼が去ってしまうのを恐れて、慌てて言った。「話すわ、話すから!あなたが私に買ってくれた物……」聞きたい答えではなく、意図しない情報を聞き、蓮司は途端に目を見開いた。なんだこれは。美月という狂った女が、自ら彼の「浮気」の証拠を透子に渡したというのか?相手に決定的な証拠を与えたと?愛人自らが挑発し、人証も物証も揃っている。元々、蓮司はしらを切り通すつもりだったが、これで自ら墓穴を掘った形だ。しかも、それだけではないはずだ。美月は絶対に、透子に他のものも送っているに違いない。激しい怒りが頭にのぼり、蓮司は陰鬱な目でガラスの向こうの女を見据え、その本性をすべて見透かしていた。一生刑務所にぶち込んでやりたいとさえ思った。「この狂人が!人の婚姻を破壊しやがって、俺の弁護士に任せるから待ってろ!」蓮司は憎々しげに言った。ガラス窓の内側。男のその言葉を聞き、美月の悲しみと苦痛は怒りへと変わり、ここ数日心に抱いていた希望も完全に打ち砕かれた。蓮司の婚姻を破壊した?それが自分一人のせいだとでも?以前、死ぬほど自分を愛していたのは誰だったの?「新井蓮司!このクズ男、どの面下げて私を責めてんの!」美月は叫んだ。「私に優しくしたのは、ずっとあなたからだったじゃない。私が強要したことなんて一度もないわ!今更私を問い詰めるなんて。何よ、あのプレゼントは私がねだったとでも?全部あなたからくれたものじゃない!どっちもどっちよ。今更、愛情深い男のふりなんて、一体誰に見せてるのよ!」その声を聞き、蓮司は中の女を睨みつけ、目は怒りで血走り、腕には青筋が浮き出ていた。美月という狂った女は、面会窓に守られていることに感謝すべきだ。でなければ、とっくに平手打ちを食らわされていただろう。元の写真がどの部位かなんて、もう聞くまでもない。彼は直接、看守に美月の携帯の確認を申請しに行った。しかし、交渉の末、親族ではないという理由で看守に拒否され、蓮司は拘置所を去るしかなかった。結果を得られなかったばかりか、さらに不利な証拠を知らされ、その上、美月に腹の底から怒りをかき立てられ、蓮司の鬱憤は言葉に尽くせないほどだった。会社へ戻る道中、彼は弁
Read more