麻酔科へ戻る途中、私は颯也にメッセージを送った。もう新雅に戻っているのか尋ねると、彼はかなり忙しいらしく、短い返事が二通だけ届いた。【うん、新雅に戻った】【優月、もう俺が恋しくなったのか?】颯也は、親しくなるほど私をからかうようになってきた。この一言には、どう返せばいいのか分からない。私はただこう返した。【まだ夏目先生に命を救っていただいたお礼もしていません。次に東市へ戻られる際は、ぜひ教えてくださいね】メッセージを送ったあと、返信は来なかった。特に待つつもりもなく、そのまま忙しい業務へと戻った。……それからの一週間は、食事の時間すら無理やり確保するほどの忙しさだった。幸い浩賢が気を配ってくれて、時々食事を届けてくれたおかげで、胃腸の調子が大きく崩れることはなかった。とはいえ彼も食事を届けるのが精一杯で、以前のように家まで送ってくれる余裕はない。神経外科も同じく目が回るほど忙しいのだ。その日の昼、手術室から桜井と一緒に出てくると、彼女はぐったりした顔でぼやいた。「優月さん、もう限界……お腹すきすぎて死にそう……」 「お腹が空いても死にはしないわ。桜井さんが生きてさえいればそれでいい。ここ最近、本当にお疲れさま。さあ、おごるから食堂に行きましょう」私は彼女の肩を軽く抱き、笑ってなだめた。最近は私だけでなく、桜井も忙しさに振り回されている。彼氏とのデートの時間すら取れないほどで、さすがに疲れ切っているようだった。二人で食堂に入り、席を見つけて腰を下ろす。桜井はようやく大きく息をつき、スープを一口飲んでから眉をひそめた。「そういえば、副主任医が一人配属されるって話、どうなったんでしょう?まだ来てないよね?」「それ、私も聞きたいわ。その大物、いつになったら来てくれるのかしら。みんな首を長くして待ってるのに」私は小さくため息をついた。ここ最近、麻酔科はまったく落ち着く暇がない。まず、豊鬼先生が懇親会で手を火傷して、しばらく手術に入れなかった。続いて今度は、私の手が拉致事件で神経を損傷。もともと人手不足だったところに、さらに欠員が出て、忙
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