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All Chapters of crisis: Chapter 41 - Chapter 50

59 Chapters

41.*****

 感情のままに芯を抱き潰した。薄い毛布に包まる芯は、まるで僕を拒絶するかのように丸まっている。それでも僕に背を向けない芯が、可愛くて堪らない。 柔らかい前髪を指でさらう。小さな声を漏らし、鬱陶しそうに顔を背ける芯。白くキメ細やかな美しい肌を、僕はまた噛み跡とキスマークで真っ赤に染め上げた。  僕のモノだという証が欲しい。傷つける事を許された僕は、芯の心を欠片でも手に入れたのだと錯覚する。 けれど、目に見えてしまう物は危険だ。奏斗さんを相手に厄介すぎる。どうしたものかな。「芯、大丈夫?」「なわけねぇじゃん。身体中いてぇ」 鼻をすすり涙は隠して、差し出した僕の手を拒むように頭まで毛布に潜る。可愛いだなんて言うと、余計に拗ねさせてしまうだろうか。「お風呂入れそう? あと1時間くらいしたら、一度家に帰るよ」「ん。けど風呂は無理。立てねぇ」 甘えたな芯を抱えて風呂に入れる。もう少し肉がつけば、抱えられなくなりそうだ。けれど、それでいい。 筋肉質ではあるけれど、余分な肉が無さすぎる。肉付きのいいほうが、食い込む縄や鞭を打った時の手応えは良さそうだもの。 芯を少し寝かせ、時間が来たら起こして車へ連れ立つ。夢現の芯は、車を走らせるなり再び眠ってしまった。 今夜はいささか、激しく求めすぎただろうか。泣いて叫んで、苦痛はいつもより酷かったかもしれない。 結局、甘いだけのセックスはできないのだと悟った。これが僕の本質なのだろう。途中、自分を押し殺して優しくしてみたが、戸惑っていたのは芯のほうだった。 あの困惑した顔を見て、僕たちには向かないのだと直感した。時々、気まぐれにそういう事ができればいいな。そう思う程度にしておこう。 マンションの前に車を停め、涎を垂らしている芯を見る。気持ち良さそうに眠っているところを、忍びないが起こさなければならない。「芯、着いたよ。起きて」 肩を揺すると、芯は目を薄く開けて僕を見る。襟を掴んで、唇が触れそうな距離まで引き寄せられた。ゆっくりと、僕からのキスを待つよう
last updateLast Updated : 2025-06-28
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42.###

 週末の夕方、先生と平和に夕飯の支度をしてた時。とうとう悪魔が来やがった。 インターホンが鳴り、先生がモニターを覗く。固まる先生を見れば分かる。奏斗サンだ。 案の定『開けろ』と言われて開ける先生。予想通り過ぎてなんも言えねぇ。抵抗とか拒否なんて、やっぱできねぇんだろうな。  まっすぐ寝室に俺らを引っ張っていって、挨拶もなしにベッドに腰掛けやがった。そんで、煙草に火をつけると俺を呼んだ。 先生じゃねぇのかよ。つぅか、ヤリに来た感ハンパねぇな。「何するか、わかるよな? さっさとシて」 偉そうに座って命令する。「チッ····はーい」 ファスナーを下ろそうとしたら両手首を掴まれた。馬鹿力め、手ですんなってか。 しょうがねぇから口でファスナーを下ろす。勃ってねぇのにキツく収まってるちんこを、口だけで取り出そうと奮闘する。やってるうちに、ちょっと硬くなってきたから余計出しにくい。 “くそっ”なんて言ったら、またしんどい事されんだろうな。賢い俺は、気持ちをグッと押し殺す。 漸く出せたちんこの先をチロッと舐めた瞬間、片手で俺の髪を掴んで一気に喉奥までねじ込んだ。「──んぶっ、お゙、ゔえ゙っ··お゙ぼっ··」「舌打ち、だるそうな返事。次やったらイラマで殺すよ♡」「んぶっ····ふぅ゙··」 従ってもこれだ。「俺の指示には従順に従え。····お前もおいで」 シャツの裾を握り締めて固まっていた先生に視線を向けると、偉そうに顎で呼んだ。んで先生には、背後から耳や首、肩とか背中へキスで愛撫させる。 なんでそっちはそんなに甘いんだよ。酷くされるよかいいけどさ。(クソッ! ムカつく) 奏斗サンを睨むと、
last updateLast Updated : 2025-06-29
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43.###

 そうだ、先生と奏斗サンが甘いキスなんかするわけないんだった。先生言ってたもんな。 案の定、わざとらしく見せつけられたのは、先生が嘔吐くくらい激しくて強引で、本当に捕食してるかのようなキスだった。なのに、先生はすげぇ気持ち良さそうに蕩けてる。 まぁ、確かにこないだされた時、すげぇ上手いなとは思ったけど。 奏斗サンは俺をちらっと見て、したり顔で笑いやがった。んで、先生を俺に投げ渡すと、先生から俺にキスをさせた。あんな激しいキスは好きじゃねぇけど、負けたみたいで悔しいから俺もやってやる。 つっても、先生はもう何してもトロットロで、奏斗サンがケツ弄り始めたらキスしながら喘ぎ始めた。先生の甘い吐息が熱い。 奏斗サンが先生のナカに収まる。エロい声出して喘ぐ先生。俺もケツが疼く。 それを察した奏斗サンが、先生に縄を縛り直せって命令する。で、俺にはケツ向けろって指示してきた。 キスをやめ、先生が俺の縄を解いて縛り直す。後ろ手に手首を、足は正座の状態で縛られた。 歩けねぇから床を這って移動する。んで、おずおずと奏斗サンにケツを差し出した。「あっは··。モゾモゾして虫みたい。かーわい〜♡」「チッ··テメェが縛るからだろ」 ボソッと悪態を吐くと、思い切りケツを叩かれた。「ひぐぅっ!!? い゙っっっでぇぇ····」 不意をつく甲高い音と俺の声に、驚いた先生の身体が跳ねる。ンな心配そうに見んなよ。「言葉遣い」 振り向いて見上げると、すげぇ冷たい目で俺を見下ろしていた。俺のこと、マジで虫とか思ってそう。めーっちゃ怖ぇ。「ご、ごめ、なひゃい····」「ん、気をつけようね。次舌打ちしたら舌噛み切るから、本当に気をつけな? ほら、ケツ弄ってあげるからおいで」 リズム良く先生に腰を打ち付けながら、器用に俺のケツをイかせ続ける奏斗サン。俺も先生も、びっしゃ
last updateLast Updated : 2025-06-30
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44.###

 やっぱ鬼畜外道には負けらんねぇって、気合い入れ直したらとんでもねぇ事になったんだけど。  ケツにチューブ挿されて、腹がタプタプになるくらいぬるま湯を注がれた。奏斗サンがいいって言うまで出すなって言うけど、こんなん我慢すんの無理だって。 四つ這いじゃ面白くねぇからって、壁に手ぇついて立たされてるんだけど。ベッドの上じゃないだけマシか。あー····マジで腹いてぇ。ケツからちょろちょろ漏れてんの気持ち悪ぃ。 そろそろ限界。奏斗サンにギブしようと思ったら、先生の顔面引っぱたいて起こしやがった。 なーにが『見てごらん。愛しの芯クンの可愛いショーが見られるよ』だ。甘い声で言っても、言ってる事クソだかんな! 先生が起きて、ボケッとしながら俺を見る。一瞬、ギョッとしたけど、すぐに惚けた顔で『可愛い····』とかいいやがんの。 ったく、マジでイカれてんじゃん。揃いも揃ってなんなの。 限界が来て、注がれてたもん全部ぶっ放す。すげぇ爽快感と開放感。これ多分、羞恥心が死んでたら気持ち良かったんだろうな。 で、なんでこんなん見ておっ勃ててんだよ先生。「しぇんしぇ、挿ぇたいの?」「····っ!?」 俺も、何聞いてんだよ。つぅか、口に力入んねぇ。 あれってただのぬるま湯だったよな? 何か混ぜてんのは見てねぇけど、あんな外道信用できねぇし。 現に、いつもより頭ふわっふわしてんだもん。やべぇわ。すげぇ先生が欲しい。「遠慮しなくていいよ。挿れたいよね?」 奏斗サンが、先生の耳元で囁く。肩まで赤く染めて震えてる。クソ可愛いの、先生のほうなんだけど。 そうさせてんのが元カレってのはムカつく。「い、挿れたい··です」「俺も♡」 待てって。すげぇ楽しそうに笑ってっけど、なに? 『俺も』ってどういう意味だよ。
last updateLast Updated : 2025-07-01
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45.*****

 僕がどれだけ虐めても、ここまで蕩ける芯は引き出せなかった。悔しい。芯の綺麗な背中を、痛々しい花で埋め尽くすのが僕である事。それだけが、正気を保たせる。 けれど、今はそれすらどうでもよくなってしまうくらい、快楽に溺れている自分がいる。 芯のナカが、僕たちの熱い液で満たされた。ちょろちょろとペニスを伝ってくるけれど、キツく塞いでいるから然程溢れてはこない。 今抜いたらきっと、あの芯が、エロスで見違えるほど艶やかになった芯が見られるのだろう。 けれど、奏斗さんの指示がなくては動けない。 あぁ、早く抜きたい。「芯クン、ケツ締めててね。俺らが抜いても零さないように」「はぇ····むりぃ」「無理じゃない。やれって言ってんの、分かるだろ?」「······はい」 一旦の反抗を見せる芯だが、2度目には従うようになった。従順とまではいかなくとも、逆らえない事を理解しているらしい。 きっと、頭ではなく本能で判断しているのだろう。 奏斗さんの指示に従い、2人同時に勢いよく引っこ抜く。可哀想に、自分では締めきれないらしい。 それを分かった上で命令を下した奏斗さん。常套手段だ。 いやらしい音を立て、お尻から止め処なく溢れさせる芯。愛らしくも妖艶だ。 奏斗さんにぶたれて、真っ赤に染まったお尻。ぽっかりと開いたままの穴から、滝のように溢れる僕たちの体液。ゾクゾクと込み上げるものが、僕の手を突き動かす。 お尻を開き、排泄を手伝ってあげる。奏斗さんは、芯の下腹を指で押し潰す。 獣のような可愛い声を漏らし、酷く泣きながら排泄し続ける芯。一体、どれだけの量が入っていたのだろう。 そして、意地の悪い奏斗さんは出し切るのを待ち、お仕置きだと言ってスキットルを突き刺した。「芯クン、お酒飲んだことある?」「····
last updateLast Updated : 2025-07-02
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46.*****

 何も言わず、僕を綺麗に洗ってくれる奏斗さん。壁に手をつかせ、後ろから容赦のない手マンで掻き出す。どうしてシャワーを使わないのだろう。 こんな事、今まで1度だってなかった。自分の置かれている状況が分からない。「か、奏斗さん····あの、自分でできます」 何が気に入らないのか、言葉を返してくれない。それがどれほど不安を煽るか、この人には分からないのだろう。「奏斗さん、やっ··そんな奥まで····」 アナルに捩じ込まれる指が深く、掻き出されているだけなのに達してしまう。「ねぇ··、何回イクの? 誘ってる?」「違っ──んぅっ」 不意にキスをされた。芯が教えてくれる、甘いキスだ。 ふと記憶が蘇る。こういうキスを、何度かされた事があるような····。はっきりとは覚えていないが、身体が覚えている。 不意に、奏斗さんの柔らかい表情がフラッシュバックした。いつのものだろう、知らないけど知っている顔だ。 結局、奏斗さんは僕のナカに収まり、掻き出した分より多くナカに注いだ。 そして、今度はシャワーで強引にナカを洗う。洗い終えると、僕を上に乗せて湯船に浸かった。僕を後ろから抱え、息を掛け項を熱くする。 この胸の高鳴りは、次の瞬間を怯える恐怖心の所為だ。そう言い聞かせておかないと、僕はまた、どうしようもない思い違いをしてしまうだろう。  緊張で強ばっていると、奏斗さんは風呂で芯にシた事を話し始めた。なんて酷い事を、そう思ったが同時に昂った。「あぁ··凄いビンビン♡ お前さぁ、俺と同類だったの? よくそれで俺に飼われてたよな。····辛かった?」「辛··かった、と思います。今思えばですけど。当時は&mid
last updateLast Updated : 2025-07-03
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47.*****

「芯····」 芯の名前を零し、ハッと我に返る。「へぇ····。俺に突っ込まれてんのに芯クン呼んじゃうんだぁ。妬けるなぁ」 僕のお尻に爪を食い込ませ、力一杯鷲掴んで開く。直後、最奥まで一突きに貫かれ、一瞬意識をやった。「おっ··、あっぶな」 後ろに倒れそうになった僕を、奏斗さんが受け止めてくれた。なんだか今日は、奏斗さんの態度がおかしい。 優しすぎて怖い。さっきの話だって、到底信じられないものばかりだった。 けれど、もしも真実なのだとしたら、僕がこれまで味わい抱えてきた苦しみは何だったのだろう。ふと、虚無感に駆られる。 あぁ、そうか。これは、僕たちを手っ取り早く堕とす為の作戦なのだろう。芯がなかなか堕ちないものだから、焦っているのかもしれない。 僕を先に陥落させようという魂胆なのだろう。身体で堕ちきらないから心を砕きにきたワケだ。それを甘いと思える余裕。芯のおかげだろう。大丈夫、もう絆されたりしない。 所謂、押してダメなら····というやつなのだろうか。今更、僕にそんなものが通用すると思われているのなら、甚だ腹立たしい。 それなのに、身体が逆らう事を許さない。脳が、脊髄が、奏斗さんの言葉や一挙手一投足に反応してしまう。無論、僕の心とは裏腹に。 いや、既に心さえ腐っているのかもしれない。口先だけで、芯への愛を盾に、どうにかこうにか凌いでいるだけ。 まさか、あの頃とは違う奏斗さんに、醜悪な期待を抱いているのだろうか。そんなものは認めない。 それに、どうしても拭えないのは芯への支配欲だ。奏斗さんが僕と芯を求めるのと同じように、僕は芯を求めている。それは未だ歪んでいて、それでいて純粋に愛を知りたいと足掻く。 奏斗さんと2人で芯を可愛がっている時、心の底から愉しいと思っていた。そんな穢れた僕は、芯に相応しくないのかもしれない。 芯を大切にした
last updateLast Updated : 2025-07-04
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48.*****

 ついに拒まれてしまった。弾かれた手が力無くベッドに落ちる。「しぇんしぇ····奏斗しゃんの事、またしゅきになってる」「な、なって··ない····」 奏斗さんをチラッと確認するが、僕たちの会話に興味を示さず、悠長に煙草を吸っている。冷蔵庫から勝手に持ってきたチューハイを片手に、僕たちを横目で見ているだけだ。「嘘ら。····なぁ、しぇんしぇは俺と奏斗しゃん、どっちがしゅき?」 なんと可愛い質問だろう。身体が動かないのか、仰向けに横たわったまま顔だけ僕に向けている。可愛さを助長するような体勢に、また下半身が反応してしまう。 まるで赤ん坊の様な芯。今すぐにでも抱き潰して泣かせたい。が、まずはこの肝心な質問に答えを返さなければ。「芯だよ。僕は、芯を愛してる。芯に愛されたい」「んへへ····そっか。しぇんしぇのバーーーッカ!」 突然の怒声に驚いた。何故罵られたのだろう。愛らしく微笑んだかと思えば、目に涙を溜め唇を震わせている。 そして、言葉を選ぶように、ゆっくりポツリポツリと話す。「俺のこと、しゅきなのは分かってっけろさ。えっと、なんらっけ····、そう! 自分の気持ちに素直になれよって言いてぇの。奏斗しゃんの事、迷ってんらろ。じゃーさ、もっと欲張っちゃえよ」「····え?」「俺ねぇ、2人がかりでイジメられんのしゅきぃ♡」 ダメだ。素直なのかイカれているのか、判断がつかないほど酔っ払っている。けれど、正気でない事は疑いようがない。「芯、欲張れってどういう事? え、イジメられたいの?」「有り得ねぇんらけろさ、イジメられんのも悪くねぇなって思っちゃうんらよね。ん
last updateLast Updated : 2025-07-05
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49.###

 段々意識がハッキリしていく中で、奏斗サンのちんこを悦んで受け入れてる自分に吐き気がした。 先生は俺の下で今にも寝落ちしそう。つぅか多分、何回か落ちてる。よっぽど疲れてんだろうな。「奏斗サ··も··やめ····先生、もうちょい寝かしてやりてぇ」「あれ? 酔い覚めたの? ざーんねん、酔ってるほうが素直で可愛いのにぃ」 「··るせぇ。とにかく抜けよ」「は? 芯クンが『ケツ疼くから挿れてぇ』って強請ってきたんだろ。覚えてないの?」「知··らねぇよ。ンな事言うわけねぇだろ!」 嘘だ。薄らだけど記憶にある。目ぇ覚めたら奏斗サンのちんこがケツに当たってて、なんかすげぇ欲しくなったんだよな。 いや、違うな。先生のと勘違いしてた気がする。「あっそ、別にどうでもいいけど。俺がイクまで頑張ってなよ、大事なセンセー起こさないように──さッ」「ン゙ァッ··ふ··ぅ゙ぅ゙っ····」 思いっきり奥突きやがんの。んっとに、加減っつぅもん知らねぇんだよな。鬼畜っつぅか頭悪すぎんだろ。 んでこの後、奏斗サンは何十分も出ていかなかった。このクソ遅漏が。ちんこの感度死んでんじゃねぇの? 俺は、結腸でたっぷり精液を飲まされて気絶していたらしい。 目が覚めたら、先生が朝飯を作ってた。二日酔いに効くとか言って、しじみの味噌汁を出してくれたんだけど、これがすげぇ美味ぇの。 先生って、意外と家庭的なんだよな。絶対俺より嫁向いてんじゃん。俺、あんまそういうのやった事ねぇから満足してもらえそうにないんだけど。 ····って、そうじゃねぇんだわ。俺は別に先生の嫁になるワケじゃねぇの。だから、ンな事気にしなくていーんだよ。
last updateLast Updated : 2025-07-06
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50.*****

 芯から飛び出てくる言葉の真意が分からない。もしも、ここで答えを間違えると、全てが崩れ去ってしまうのだろうか。「僕は····」 正しい言葉を選ばなければ。芯を傷つけないように、奏斗さんを怒らせないように。 けれど、どれだけ思考を巡らせても正解は見つからない。きっと、そんなモノはないのだろう。それを理解しているからこそ、言葉を発せずに息が詰まるんだ。 段々と俯き、テーブルに並ぶ食器をただ見つめる。そうして僕が答えを思案していると、背後に来た芯が僕の頭をふわっと抱き締めた。「先生、大丈夫だよ。素直になれって言ったの気にしてんだろ? 簡単に言ってごめん。覚えてねぇんだけどさ、酔っててもアレが俺の本心だと思うんだ。だから··、な? やってみて先生が嫌だって思ったらやめりゃいーじゃん」 ポロッと涙が零れた。芯の深い優しさに、僕は甘えっぱなしでいいのだろうか。もし選択を間違えたとしても、芯は許してくれるだろうか。 張り詰めていた心が、ぐずぐずに解けてゆく気がした。「俺さ、先生の気持ちが知りてぇの。何でもいいから、先生が思ってる事教えてよ」 言っていいのだろうか。けれど、言わなければ何も変わらない。そもそもこれを受け入れてもらえないのなら、この先を共に過ごす事も難しいだろう。 勇気、それがどれほど莫大なエネルギーを消耗するか、僕はよく知っている。僕自身がこれ以上のダメージに耐えられるか、不安しかない。 しかし、逃げるわけにもいかない。どうしよう、心がボロボロと崩れていきそうだ。怖い。 震えが込み上げた時、僕を抱き締める腕にギュッと力が込められた。大丈夫、芯ならどんな僕だって受け入れてくれる。芯の温もりが、そう思わせてくれた。「僕は、奏斗さんと2人で、芯を··イジメるのが楽しかった。僕たちに堕ちていく芯が、可愛くて愛おしくて堪らなかった」「うん、それで?」「奏斗さんが、僕の知らない芯を引きずり出したのは悔しかった。それは、絶対に僕
last updateLast Updated : 2025-07-07
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