感情のままに芯を抱き潰した。薄い毛布に包まる芯は、まるで僕を拒絶するかのように丸まっている。それでも僕に背を向けない芯が、可愛くて堪らない。 柔らかい前髪を指でさらう。小さな声を漏らし、鬱陶しそうに顔を背ける芯。白くキメ細やかな美しい肌を、僕はまた噛み跡とキスマークで真っ赤に染め上げた。 僕のモノだという証が欲しい。傷つける事を許された僕は、芯の心を欠片でも手に入れたのだと錯覚する。 けれど、目に見えてしまう物は危険だ。奏斗さんを相手に厄介すぎる。どうしたものかな。「芯、大丈夫?」「なわけねぇじゃん。身体中いてぇ」 鼻をすすり涙は隠して、差し出した僕の手を拒むように頭まで毛布に潜る。可愛いだなんて言うと、余計に拗ねさせてしまうだろうか。「お風呂入れそう? あと1時間くらいしたら、一度家に帰るよ」「ん。けど風呂は無理。立てねぇ」 甘えたな芯を抱えて風呂に入れる。もう少し肉がつけば、抱えられなくなりそうだ。けれど、それでいい。 筋肉質ではあるけれど、余分な肉が無さすぎる。肉付きのいいほうが、食い込む縄や鞭を打った時の手応えは良さそうだもの。 芯を少し寝かせ、時間が来たら起こして車へ連れ立つ。夢現の芯は、車を走らせるなり再び眠ってしまった。 今夜はいささか、激しく求めすぎただろうか。泣いて叫んで、苦痛はいつもより酷かったかもしれない。 結局、甘いだけのセックスはできないのだと悟った。これが僕の本質なのだろう。途中、自分を押し殺して優しくしてみたが、戸惑っていたのは芯のほうだった。 あの困惑した顔を見て、僕たちには向かないのだと直感した。時々、気まぐれにそういう事ができればいいな。そう思う程度にしておこう。 マンションの前に車を停め、涎を垂らしている芯を見る。気持ち良さそうに眠っているところを、忍びないが起こさなければならない。「芯、着いたよ。起きて」 肩を揺すると、芯は目を薄く開けて僕を見る。襟を掴んで、唇が触れそうな距離まで引き寄せられた。ゆっくりと、僕からのキスを待つよう
Last Updated : 2025-06-28 Read more