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All Chapters of crisis: Chapter 31 - Chapter 40

59 Chapters

31.*****

 ベッドへ倒れ込んだ拍子に、芯から僕のペニスが抜けてしまった。とても寂しい。触れたい。芯を抱き締めたい。それなのに、身体はピクリとも動かない。 脳内でよたよたと思考がよぎる。そんな僕に触れたのは奏斗さんだった。 僕の前髪を握って持ち上げると、乱暴なキスをした。煙草の味がする、不味いキス。それなのに、絡められる舌に応えてしまう。芯のキスはもっと甘くて柔らかかった。 極上のスイーツを知ってしまった今、劇薬のような奏斗さんが痛い。「優しくシてあげようか? 芯クンに甘いの教えられちゃったんだろ。だからそんなに怯えてんだよね」「お、怯えてなんか──」「ま、昔からだけどさ。····あーあ、バカだなぁ。そんなの知らなきゃ、またすぐ俺に溺れられたのに」 甘い鉛を飲み込んだみたいだ。胸の手前で言葉がつっかえている。 二度と、こんな危険な沼に溺れたくない。なのに、奏斗さんの全てに反応してしまう。身体に根付く熱を、どうしても捨てきれない。「せ··ん、せぇ····」「もう起きたの? マジで元気だねぇ」「ハッ····ジジィとは違うんだy──ひッがあ゙ぁ゙ぁっ!!?」 生意気な口を聞いた芯に、ズプッとブジーを挿し込んだ。一気に刺して、怪我でもしたらどうするんだ。「あ~っは····イイ声♡ もっと聞かせて」「か、奏斗さん! ら、乱暴にしないで····芯に怪我させないでください」「あ? チッ··煩いなぁ」 振り返り、僕を睨む奏斗さん。その瞳に逆らえば、もっと酷い目に遭う。僕はそれを知っている。忘れられるはずがない。 けれど、あの頃の僕とは違う。 僕は奏斗さんの腕を掴み、その手を止めた。奏
last updateLast Updated : 2025-06-18
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32.###

「芯····見にゃいれぇ······」 そう呟く先生の顔は、見たことないくらい蕩けきってた。これが本来の先生で、先生の本性なのかな。まぁ、そんな事はどうでもいいや。 多分、薬の所為なんだ。分かってる。けど、先生がエロすぎて目が離せない。俺だって、相当ヤバい状態なんだけど。 イキ過ぎて脳が焼き切れそう。ちんこもケツも感覚おかしくって、それでも腹の奥でイクもんだから苦しいったらねぇの。 にしても、奏斗のヤツすげぇ楽しそうに先生掘ってんな。うぜぇ。 不思議と、今でも先生に突っ込みたいとは思わないけど、興味が無いわけでもない。 でも、このふたりが絵になりすぎててAV見てる気分。あー、なんか他人事みてぇ。 ぼんやりした頭ン中で、くだんねぇ事ばっか考える。先生を助けてやりたい。けど、ガキの俺にはどうする事もできない。つか、これ助けたほうがいいんだよな? 先生、めっちゃ気持ち良さそうなんだけど。はぁ、もどかしいな····。 それよか限界。これ以上イッたら脳みそ死ぬわ。けど、声も出せないのにどうしろってんだよ。2人でイチャイチャやってるから、俺の事は完全放置だし。 見てっと腹立つんだよな。いっそ、目隠しもしてくれたら良かったのに····。 んな事考えてたら、不意に先生と目が合った。泣いてる先生を可愛いと思うんだから重症だ。「芯··ごめんね····ごめっ、ん゙ん゙ん゙っ♡ はぁぁっ····奥゙イギュぅぅ!!」 また首輪引っ張られて窒息イキしてる。いつもは俺の首絞めてイッてるくせに。 かれこれ、何十分も見せつけられてんの。なんか、すげぇモヤモヤしてきた。俺も先生をイかせたい。
last updateLast Updated : 2025-06-19
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33.###

 俺まで、先生と一緒に堕とされるわけにはいかない。と、思っていたのが数十分前。俺は見事に堕とされた。 別に、奏斗サンを好きになったわけじゃない。けど、逆らえない事はよく分かった。逆らうとやべぇ。 2本突っ込んで、2本とも結腸にねじ込みそうな勢いで突き潰された。腹もケツも全部痛てぇ。 先生は俺んナカでイクわ噴くわ好き放題だし、奏斗サンはアホみたいな量の射精するし。俺の腹んナカぐっちゃぐちゃ。 突かれる度、腹に響く衝撃が強すぎて、胃が痙攣するくらい何回も吐いた。それでも、先生の顔にかけんのは避けたんだから褒めてほしい。 ベッドのヘリに座り、煙草を吸う奏斗サン。煙に目を細めて、悠々と賢者タイムを満喫してる。その足の下には先生の頭がある。どういう情緒してんだよ。 鬼畜だとかクソドSだとか言われてた俺だって、事後に女の子の頭踏みながら呆けた事なんかない。因みにだけど、先生にされた事も無い。 けど、奏斗サンのする事に意見する事はできないのは理解る。奏斗サンの逆鱗に触れたら、死ぬほど痛ぇか死ぬイかされるかだ。どっちももう無理。 俺さっき、泡吹いて気絶してやっと解放されたんだもん。縄解く時に、『二度と歯向かわない』って約束させられたし。守る気なんかねぇけど。 あれは多分、“先生に何をシても”って意味も含まれてるんだと思う。んなの、あんな弱っちぃ先生を守んねぇわけねぇじゃんな。 だから、先生を傷つけないなら従うって言ったら、生意気言うなって笑いながらビンタされた。それも、ケツが疼くような甘いやつ。けど、目は笑ってねぇの。すげぇ怖かった。 なのに、すぐにトロンてしちまって、口が勝手に『はい』って言いやがった。脳と身体が生き別れたみたいで気持ち悪ぃ。 ベッドの隅に座って、壁に身を預ける。正直、起き上がってんのも辛い。蹲って吐きたい。けど、ここで弱みを見せるわけにはいかねぇんよな。「それ、先生大丈夫なの? 薬って、危ないヤツじゃねぇの?」「俺ねぇ、コイツにはそういうの使わねぇの。今日のは軽いヤツ。そんなキツいのなくても、コイツは身体が覚
last updateLast Updated : 2025-06-20
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34.###

 奏斗サンが言う“愛してる”って何? 散々酷い扱いして、挙句捨ててったくせに。どこに愛があったっつぅんだよ。「なんで、先生のこと捨てたの」「捨てたんじゃないよ。コイツが俺から離れただけ」「先生は捨てられたと思ってるよ」「あー··まぁ、それはしょうがないかもな。俺が連絡しなくなってからさぁ、コイツからは一回も連絡寄越ねぇの。思えば、いつも俺からの一方通行だったんだよ」 切なそうな顔してっけど、勝手な事しか言ってなくね? ただの我儘じゃん。 けどまぁなるほど、押してダメなら引いてみろってやつを試したって事か。なんだ、奏斗サンも意外と人間っぽいトコあんじゃん。 やる事全部イカれてんのかと思ってたけど、ちょっとは可愛いとこあるんだ。それを知れば、こんな鬼畜外道な無駄イケメンも同じ人間に思えてきた。「バカじゃん····。つぅか、ンなに想ってんのになんで酷い事ばっかすんの?」「性癖。て言うか、大事にしてンじゃん」 あぁ、普通に変態だったわ。んで、感覚も狂ってる。ちょっと可愛いとこあんじゃんって思った俺がアホだった。 アレを性癖で片付けられるとか、俺も先生も可哀想すぎるって。つぅか、どこをどう見て大事にしてるって思えばいいんだよ。 先生が目を覚まさない。奏斗サンは、少しキツめに犯したからじゃないかと言う。久しぶりだったし、薬も効いてたし、何より俺の前だったからだとか言ってた。最後のは意味が分かんねぇけど。 我が物顔で、冷蔵庫から水を持ってくる奏斗サン。俺に投げ渡すと、自分のを口に水を含んで先生の前髪を掴んで持ち上げた。で、強引に口移しで飲ませる。それ、溺れねぇ? 俺も喉が引っ付くくらい乾いてたから、すげぇ勢いで500mlを飲み干した。けど、先生は多分殆ど飲めてない。後でちゃんとあげよ。 奏斗サンが、残った水を容赦なく頭からぶっ掛けると、先生は溺れながら目を覚ました。あの人、ここを風呂場と勘違いしてねぇか。汚し方がエグ
last updateLast Updated : 2025-06-21
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35.###

 落ち着いた先生に、よたよたとホットミルクを入れてやった。ダメージは先生のほうがデカいだろうから、流石に労わってやらねぇと。なんて思ったんだ。 ちょい熱めのミルクを赤ちゃんみたいにちまちま啜って、涙ぐんだ目で俺を見る。そんで、震えた声で聞く。「僕のこと、嫌いにならないの?」「は? なんねぇよ」「····なんで?」「なんでって····、蕩けてる先生が可愛かったから?」「······へ?」 そりゃ意味わかんねぇよな。俺だって意味わかんねぇもん。でも、奏斗サンに犯されてる先生見てたら、可愛いと思ったんだからしょうがねぇじゃん。 俺をイジメて犯してる先生とは真逆の、甘く蕩けた先生。多分アレだ、ギャップ萌え。 そう説明したら、納得しきれない顔で頷いてた。「ねぇ芯、お尻は大丈夫?」「|痛《いて》ぇよ」「見せて」 先生の必死そうな顔見たら断れなくて、しょうがないから見せてやった。痛みはあるけど、どうなってんのか分かんねぇから不安ではある。「少し切れてる。薬、塗っとこうね」 そりゃあんなの2本も突っ込まれたら切れるっつぅの。それは覚悟してたけど、それよりも変な欲望が芽生えてる。「うん。··あ、のさ、先生が嫌じゃなかったら··で、いいんだけど、薬塗る前にさ、えっと··舐めてくれる? ちょっとだけ、その··消毒··的な····」 先生は目を丸くして、少し涙を滲ませて舐め始めた。嫌がんねぇんだ。俺自身、なんでンなこと言ったのかわかんねぇ。けど多分、先生に我儘を言ってみたくなったんだと思う。 つぅか、ちょっと
last updateLast Updated : 2025-06-22
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36.*****

 事件から一夜、薬の所為かまだ頭がぼーっとしている。昨夜の記憶がかなり曖昧だ。 芯に『好き』だと言われた気がするけれど、都合のいい夢だったのだろうか。あんな事の後なのだ。僕自身が捏造した記憶という可能性は非常に高い。 むしろ、嫌われていないのだろうか。真実を確かめてしまうのが怖い。どうして芯は、まだこの部屋に居てくれるのだろう。 起きたら、芯が僕の胸に抱きついて眠っていた。薄ぼんやりと、手を繋いでベッドに入ったのは覚えている。何か話をした気がするが思い出せない。 朝食を用意しておこうと、そっとベッドを抜け出したが起こしてしまった。目を擦りながら、『腹減った····』と呟く芯。安定の可愛さだ。生まれたままの姿だった芯に、僕のシャツを着せる。  さっと朝食を用意し、寝惚け眼の芯を呼ぶ。ポケッとしたまま食卓に着かせ、袖口を捲ってあげた。 芯は、まだ開ききらない目を懸命に開き、バターをたっぷり塗ったトーストに小さな口で齧りつく。『美味ぇ』と一言漏らし、あっという間に平らげた。昨夜から何も食べていないから、お腹が空いていたのだろう。 片付けついでに、口の周りについたパン屑を舐めとったら怒られた。愛らしさにアテられ、本能が先走ってしまったのだから仕方がない。 僕達は、奏斗さんについて話をする。殆ど、芯が語る奏斗さんの愚痴を聞いているだけで、対策を練るなど無意味な話はしない。僕の失態についても、一切触れずにいてくれた。そんな優しさが、今は傷をぬるく抉る。 ただ、僕が奏斗さんを招き入れないよう努力はしろと言われてしまった。勿論そのつもりだが、自信はないと先に謝る。芯は、呆れた顔で『期待してねぇよ』と笑った。「芯は、身体大丈夫なの? お尻痛くない?」「身体はまぁ、普段からハードなセックスで慣れてっから? ヨユー。てかケツは昨日薬塗ってくれたじゃん。若干痛ぇけど、使えなくもないかなって感じ」 嫌味混じりに返される。使えなくもって····、これだから庇護欲が掻き立
last updateLast Updated : 2025-06-23
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37.*****

 あれ以来、人に名前を呼ばれるのが苦手になった。奏斗さん以外に呼ばれても、過剰に反応してしまう。好意を抱いて寄ってくる人からは特に。 けれど、名前を呼ばれる事などまずない。誰にも関心を持てなかったのだから、他人と深い関係になる事は一度もなかった。 言い寄ってくる人から、気安く“零くん”と呼ばれた事はあったが、僕の状態を見るなり去っていった。呼び捨てではない分、症状は軽かったようだけれど。 取り留めて名前を呼んでほしいと思った事もなかったので、これまで特に困る事はなかった。芯に呼ばれたいと思ってしまった、あの時までは。 僕の話を聞き終えた芯は、一瞬表情を落とし顔を伏せた。が、パッと顔を上げしれっとした顔を見せると、いつもの軽い調子で言った。「んじゃ、俺が咄嗟にキスしたの正解だったんだ」「うん。あれはラッキーだった」「え、軽ぅ··。そんなんでよく俺に名前呼べとか言ったよな。死ぬ気じゃんか」 いつまでも“先生”としか呼んでくれない芯が、僕を名前で呼ぶ。それが関係の進んだ証明になると、愛の証になると思ったから。 年甲斐もなく浅はかだった。けれど、この感情に溺れ始めたあの時の僕は、ガラにもなく浪漫に溺れたかったのかもしれない。 しかし、芯の身体だけでは飽き足らず、心まで堕としたくなったのだから、それは至って必然的な衝動だった。今思えば、まともな思考回路ではなかったと思うけれど。 言い訳がましいうえに直感という曖昧な判断ではあるが、芯になら名前を呼ばれても大丈夫な気がしたのだ。だって、名前を呼ばれたいと思ったのなんて初めてだったから。僕自身が望んだ事なのだから。 無論、リスクを考えれば怖くないわけではなかった。だが、あの時の僕は毎日不安に押し潰されそうで、芯に想われている証がどうしても欲しかったのだ。 僕がどれだけの想いや思考を巡らせようが、芯はまだ名前を呼ぶつもりはないらしい。かりそめの恋人だからだろうか。 いや、あんな失態を見てなお、僕から離れなかっただけでも御の字だ。これからまた、好いて
last updateLast Updated : 2025-06-24
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38.###

 腹が減った。車に乗せられて1時間ちょっと。どこまで連れてくんだよ。 俺の腹の虫が絶叫し始めた頃、やっと車を停めた。『こっちだよ』つって、素っ気なく店に向かう先生。なんか腹立つなぁと思って、強引に手を繋いでやった。 すげぇビックリした顔してたけど、予想外に振り払われることもなく、そのまま店までガッチリ握ってた。バレたらマズいんじゃねぇのかよ。 まぁ、こんなトコに知り合いなんて居ないと思ったからした嫌がらせだったわけだけど。あっさり受け入れられると、ちょっと恥ずかしいんだよな。 店は全席個室で、あんまり客は居なかった。俺らの他に数組だけ。ひと組、大人数で来ていて喧しいのが向かいの部屋に居たけど、迷惑ってほどではなかった。 どうやら、この店の店員と知り合いらしい。店員は背の高い女の人で、横顔しか見えねぇけどめっちゃ綺麗。けど、店員まで一緒になって騒いでんじゃねぇよ。 て言うか、あれってどういう関係でなんの集まりなんだろ。大人っぽくてデカイ男が2人に、俺と同い年くらいでチャラそうなのが2人、それから中学生っぽい可愛らしいのが1人。え、中学生くらいの子、取り皿に肉山盛りなんだけど。まだまだ乗せられてるし。ちっこいのにめっちゃ食うじゃん····すげ。 店員が注文取り終えた瞬間、ピアスじゃらじゃらのチャラい奴が勢いよく扉を閉めた。だから、あんまちゃんと見れなかったけど、一瞬で分かるくらいアイツらすっげぇ距離近かったな。 なんて、俺がボーッとしてたら、こっちはこっちで先生がアホみたいな量を注文してた。んっとにバカ。 なんか知らねぇけど、すげぇ食いたい気分なんだって。ストレス発散かよ。そこまで食わねぇくせに。 あんま喋る事もねぇし、ひたすら黙々と食べる。先生、あんま喋んねぇもんな。そう言や、しょうもない話って今まで俺ばっか喋ってたかも。 小言は言うけど他愛のない話とかはあんまりしない。静かなタイプなんだと思ってたけど、それも違うみたいだ。 奏斗サンとの事があったり、元々人付き合いは好きじゃないみたいだし、先生ってコミュ障なのかな。いっつ
last updateLast Updated : 2025-06-25
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39.###

 マジで店員が注文を聞きに来た。そりゃ呼んだんだから来るよな。 俺は極力顔を見られないように、俯いてやり過ごすつもりだった。なのに、調子こいた先生が声を掛けてくる。「芯はブリュレでいいの?」「んぇ? あぁ、うん」 声が上擦った。クソ恥ずかしいんだけど。後で絶対仕返ししてやっからな。 顔が火照んの治まんねぇ。無駄に長い足で、ちんこ踏んできやがんの。バレたら俺より困るくせに、マジでイカれてんじゃねぇ? 店員が扉を閉めた瞬間、つま先でタマをぐりっと潰された。これ、吐きそうになるからやめろつってんのに。「··っ、ぐぅぅ··やめろって····。バレたらどうすんだよ。俺··マジでこれ以上声我慢できねぇかんな」「バレたら····芯を担いでお金置いて逃げようかな。それから、車に投げ入れて犯す」 この人のテンションどうなってんだよ。どういう精神状態でいってんの? メシ食い始めた頃は、この世の終わりかってくらいしょぼくれてたクセに。1回スイッチ入ったらこれかよ。「はぁ····。犯す前にどっかテキトーに逃げろよ。先生ってさ、頭良さそうなのにバカだよな」「芯は、頭悪そうに見えるけど実は賢いよね。と言うか、聡いんだろうね。機転も利くし、何が起きても案外冷静だし。僕が周りを見れてない時、結構頼りにしてるよ」 テーブルに肘をつき、組んだ手に顎を乗っけてにこやかに言う。褒められてんのかバカにされてんのか分かんねぇけど、いつものちょっと嫌味な感じが復活してきたっぽい。 ウザイけど、一安心····でいいのかこれ。「マジか、しっかりしてくれよ。つか、先生は予想外に頼りねぇよな。あんな鬼畜みたいなセックスする割に、スイッチ入んねぇと素はめっちゃヘタレだし。マジでさ、
last updateLast Updated : 2025-06-26
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40.*****

 勢いで、思わずプロポーズまがいの事を言ってしまった。それに対して芯は、合意とも取れる返事をくれた。 注意すべきは、完全な合意ではないという事。だから、これに浮かれてはいけない。けれど、ほんの少しだけ、今日だけ····。 芯がデザートを食べ終えるのを待つ。が、舞い上がった僕はウズウズするのが止められない。自制の利かない僕は、遠回しに急かしてしまった。 店を出ると、今度は僕から芯の手を握る。驚く芯に笑いかけると、照れて俯いてしまった。 愛らしい芯を車に乗せ、近くのホテルへ連れ込む。明日は月曜日。朝方には、一度家に帰らなければいけない。6時間もあれば、ある程度は満足できるだろうか。 それまで、芯が泣いて嫌がっても、離してあげられないかもしれない。芯には悪いが、今日はいつも以上に頑張ってもらおう。「······で、ここ何?」「何って、ホテルだよ。····ホテル、初めてじゃないくせに」 大人げなく、嫉妬心を剥き出しにしてしまった。面倒臭いと思われるのだろうか。「いやいやいやいや。そりゃあるよ? あるけどそういう事じゃねぇの。あのさ、俺普通のホテルしか行ったことねぇんだわ。こーゆー特殊なトコ初めてなの!」 特殊····とは、何がだろうか。ここは昔、一度だけ奏斗さんに連れてこられた事があって、丁度近かったから来たのだけれど。 奏斗さんに呼び出されるホテルは、どこもこういう仕様だったから、これが普通なのだと思っていた。しかし、どうやら一般的にはそうでないらしい。 奏斗さん以外と経験のない僕にとって、それは知り得ない事だった。「普通って、どんなの?」「雰囲気のある部屋にそれっぽいベッドがあって、あと軽い玩具とかはある。けど少なくても····
last updateLast Updated : 2025-06-27
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