「メサ……?」 爆発音と衝撃が完全に収まり、私達の肩に灰が降り掛かる。 「やった……やったぞ!! 人間の武器がイクテュスに通じた!!」 武装した人の一人が勝ち誇ったかのように大声を上げる。しかしハンマーの奴がその音に反応し、ギョロっと目を動かし武装した人達を睨む。 「まずい逃げ……」 しかし私が言い終わる前に奴は今までとは桁違いのスピードで向こうの人達に急接近する。 「ひっ……」 「死ね」 一瞬の後数人の首から上が吹き飛ぶ。 ボトボトと私達の近くに重い物が落ちる。それはぐちゃぐちゃに潰れた人間の頭だった。ヘルメットは役目を果たさず壊れ、その中身が垂れ出ている。 「うっぷ……」 あまりに凄惨な光景に、私は口元を押さえ吐瀉物を口の中で抑えることになる。 「うわぁぁぁぁぁ!!!」 奴がハンマーを振るう度に人間の命が簡単に潰えていく。 「やめやがれ!!」 十人目の首が飛ぼうとしたが、なんとかアナテマの力が届くのが間に合う。 「邪魔……するなぁ……!!」 「うぐっ……重たい……!?」 奴はアナテマが発生させた引力をものともせず、その力を振り払おうとする。 「おじさん達逃げて!!」 地面を殴り氷を向こう側に伝わらせ、奴と武装隊員達との間に壁を作る。 「邪魔するなぁ……!! お前ら全員殺してやる……!!」 「おいラ……」 クラゲの奴が何かしようとした時奴の横を高速の何かが通り抜ける。 「ぐっ……テメェは……!!」 ハンマーの奴の顔面に生人君の足がめり込んでいた。両手は触手になっており、飛んできた方を見ると離れた高所にパチンコのゴムみたいな物を触手で作っていた。 「おいライここは引くぞ!!」 「黙れ!! メサの仇はここで……」 生人君が振り落とされ着地する。二人が揉めている間に私達は奴らを取り囲む。 「クソ……クソぉぉぉぉぉ!!」 奴は地面を殴り一段と大きい爆発を起こす。それは奴自身も、隣に居たクラゲの奴も巻き込み大きな土埃を起こす。 「げほっげほっ……はっ! あいつらは!?」 煙が晴れた頃には二体は居らず、残されたのは武装隊員の死体と辺りに積もる灰だけだった。 「完全に逃げられた……みたいだね」 橙子さんが変身を解除する。それに続き私達と健橋先輩も解除し、生きている謎の大人達の
Last Updated : 2025-08-03 Read more