私達の手から巨大な氷柱が放たれる。奴はそれを容易に躱すものの氷柱は地面に突き刺さり辺りを凍てつかせ、窓や出入り口を完全に閉ざしこの広い密閉空間を私達と奴だけのものにする。「どうした? 逃げる気はないぞ?」「勝手にご想像してな……よ!!」 氷の弾に混ぜて氷柱を蹴って奴の胴体目指して飛ばす。しかし奴は咄嗟に触手を四本展開し氷柱を受け止める。「ほう……直撃したら擦り傷程度にはなりそ……」「今!!」 私はなんとか隙を作ることができ波風ちゃんに合図を飛ばす。リボンが素早く伸び奴の触手や胴体を縛り上げる。「凍れ!!」 リボンは凍てつきそれに触れている奴の身体も一部凍りつく。(これならあの重力攻撃も大丈夫……私達の氷の力の方が強い!!) 実際そのことは奴も理解しているようで、凍てついたリボンに対して重力の力を使ってこない。「ここで……決める!!」 お互い地面に着地し、同時に地面を這っていた氷が奴の足を捉え、氷の牢が奴の下半身に作り上げられる。「ブリザード……」 クラウチングスタートを切るように屈み全身に力を込める。奴へ引導を渡す氷の道が出来上がり、リボンが限界まで伸びミシミシと悲鳴を上げ纏っていた氷が崩れ始める。「クラッシュ!!!」 そして一気に全ての力が爆発し、氷の道を破壊しながら奴の胴体に向かって足を伸ばす。「ふんっ!!」 しかし奴と激突する直前、奴は全身を纏っていた氷を全て砕き牢から脱出する。(なっ……あれを全部……!? でもこのまま突っ込むしかない!!) この威力の蹴りを相殺できるはずがない。私はそう踏んでいた。しかし奴は即座に灰を手から溢しそれを巨大な杖に変形させる。先は巨大な水晶のような物が付いており、硬く重たそうだ。(まずっ……!!) 引き返そうにももう止まれず、私達の必殺技と奴の杖の振り下ろしが激突する。「ぐっ……!!」 辺りに衝撃波が及び出入り口の氷が砕けていく。そしてやがて私達の蹴りの勢いは殺されていき、奴の杖に弾き飛ばされ壇上の壁にめり込み更にそこを突き破って地面を激しく転がる。「うっ……!!」「高嶺……足……が……!!」 変身はさっきの衝撃で解除されてしまっており、同時に下半身の感覚が少しおかしい。そして波風ちゃんに言われその違和感に気づく。「何これ……私の……足……?」 両足の膝が反対方向に曲
Last Updated : 2025-08-27 Read more