[高嶺!? どうしたの!? 何があったの!?] [波風ちゃんが……波風ちゃんが突然消えたの!! 戦ってたらいきなり……居なくなって……どこに行ったの!?] まともに会話ができない人間の話し方と声色だ。完全に錯乱している。確かにこの状態ならたとえ変身していても隙だらけのため簡単に殺されてしまう。 (でも波風が消えたって……一体何が……) [高嶺……今は前を見……] [うるさい!! そんなことより波風ちゃんを 探してよ!! キュアリンは波風ちゃんがどうなってもいいの!?] 彼女はキュアリンに強く当たり怒鳴りつける。いつもの優しさが失われている。それだけ錯乱してしまうほどの何かがあったことだろう。 [とにかくすぐに行くし波風も探すから落ち着いて!!] 宥めようにもこちらの声など届かず、ボクは下唇を噛みながら高嶺の元まで急ぐのだった。 (一体何があったんだ……!?) ☆☆☆ 「キュアチェンジ!!」 海水浴場で暴れるイクテュス達。私達はキュアヒーローに変身し奴らの対処に向かう。 離れた場所に居る襲われそうになった人を私の銃で倒し、迫ってくる敵は槍で奴らの頭を貫き灰になっていく。 「みんな逃げて!!」 まず逃げ遅れた人の救助に向かう。二人では対応がギリギリで、助ける過程で何発か攻撃が掠ってしまう。 「ウォーター伏せて!!」 私はイリオのアドバイスあってスッと敵の攻撃を躱す。そこに合わせて槍が突き出され攻撃を仕掛けてきたイクテュスの頭は砕かれて灰になる。 「うわっ! 背中に……それに口にも灰が……ぺっ! ぺっ!」 落ちてきた灰が口に入り、吐き出そうにも舌にくっついて上手く取れない。 「大丈夫ウォーター?」 「う、うん心配ありがとうね……」 なんとか唾液を絡して灰は吐き出す。とりあえず視界内にいたイクテュスは撃破でき、私はイリオに背中を摩ってもらう。 《やっぱり二人って仲良いよねーまるで恋人みたい!》 一段落したことでふと配信のコメントの一つがチラリと視界に入る。きっと揶揄うつもりなく比喩のつもりで言ったのだろうが、それが気になってしまいなんだか恥ずかしくなってくる。 「も、もう大丈夫だから。それより……」 その時気づく。イリオの背後に半透明の触手が迫っていることに。
Last Updated : 2025-06-11 Read more