チュンチュン……鳥のさえずりで私は目が覚めた。「……」ベッドに寝そべったまま黄金色に輝く天井を見つめる。「……やっぱり嫌だわ。この部屋」ポツリと言う。そして昨夜見た夢を思い出していた。今迄の私は夢を見ていた自覚はあるものの、いつも目が覚めると内容を忘れていた。しかし、今日の私はいつもとは違う。何故なら夢の内容が頭にばっちり残っているからだ。ムクリと起き上がり、ベッドから下りるとすぐに私は着替えを始めた――****午前7時―カチャカチャカチャカチャ……兄2人と父、そして私を交えての4人での朝食の席。「「……」」2人の兄は相変わらず警戒心むき出しで私を見ている。「ユリア。制服を着ているところを見ると、やはり今日から登校するのだな」父がベーコンを切り分けながら尋ねてきた。「はい、もう何処も具合が悪いところはありませんので登校します」私はニッコリ笑みを浮かべて父を見る。すると2人の兄は互いに目配せしあうと、不意にシリウス兄様が私に声をかけてきた。「ユリア、もうすぐお前の誕生日だろう? プレゼントは何が欲しい?」「シリウス、一体何を……」父が驚いた様子でシリウス兄様に声をかける前に返事をした。「いやですね〜何をおっしゃっているのですか? 私の誕生日は8月にきたばかりじゃないですか。お忘れですか?」「な、何!?」「記憶が戻ったのか!?」アレス兄様とお父様が交互に驚きの声を上げる。「はい、お陰様で少しは記憶が戻って参りました。そういえば8月の誕生日の時は何もプレゼントの話すらされませんでしたけど。ひょっとすると今から頂けるのでしょうか? お兄様方?」2人の兄を見比べる。「あ、ああ! そ、そうだな。先月は忙しくて里帰り出来なかったからユリアの誕生日を祝ってやれなかったからな? う、ゲッホ! ゴホッゴホッ!」紅茶を飲んでいたアレス兄様は余程焦っていたのか激しくむせた。「な、何が欲しいんだっけ? 以前は何が欲しいと言ったか覚えているか?」シリウス兄様はまたしても人を試すような事を言う。「ええ。前回は確か私の髪色、ストロベリーブロンドに似あうピンクダイヤモンドのネックレスが欲しいと言いましたが……欲しいものが変わりました。書きやすい万年筆が欲しいです。今使っている万年筆はなかなか文字を書くにくいので」特に欲しいものが無かっ
Huling Na-update : 2025-06-27 Magbasa pa