「ありがとうございます、紅音〈あかね〉さん……そんな風に想ってもらえて、本当に嬉しいです」「柚希〈ゆずき〉さん……」「正直に言いますが、実は僕も、紅音さんに告白しようって、ずっと思ってました」「え……」「でも中々勇気が出なくて……だから僕も今、紅音さんに告白します。僕も紅音さんのことが、好き……です……」「柚希さん……」「駄目ですね、女の子にこんな恥ずかしいことを言わせるなんて。僕がしっかりと、先に告白するべきでした」「ふふっ、確かにそうかも。私はともかく、早苗〈さなえ〉さんにはそうしてあげるべきでしたね」「ええっ? 紅音さん、知ってたんですか?」「はい。早苗さんはお友達ですから」「参ったな……これじゃあ僕って、本当に空気の読めない唐変木〈とうへんぼく〉じゃないですか」「はい、晴美〈はるみ〉さんもそうおっしゃってました」「あはははっ……面目ない」「ふふっ……でもこれで、気持ちがすっきりしました」「……」「……この想いだけは、どうしても伝えたかったんです。でも出来れば、こんなことになる前に伝えたかったです」「紅音さん……」「早苗さんにはもう、お返事されたんですか?」「あ、いや……それはまだ……」「駄目ですよ。想いを告げられた殿方としての責務、ちゃんと果たさないと」「でも……」「でも、じゃないですよ、柚希さん。早苗さんは本当に素敵な方です。私がもし男だったら、間違いな
Last Updated : 2025-06-23 Read more