「パイプカット手術をしたんだ」静まり返った寝室に、彼の落ち着いた声が響いた。桜は衝撃のあまり、目を丸くした。パイプカットですって!?あまりにも安人の表情と口調が平然としていたから、桜は一瞬、聞き間違えたのかと自分の耳を疑った。「安人、今、なんて……」安人は彼女を見つめ、口角を少し上げた。「いつもちゃんと避妊してたのに、結局あんなことになっちゃっただろ。だから、いっそ手術した方が安全だと思ったんだ」「でも……」桜はまつげを震わせた。「あなたはまだ若いし、子供もいないじゃない!」「今は技術が進んでるから、いつでも元に戻せるんだ」安人は優しい声で言った。「心配するな。S国でやったんだ。手術は成功したし、もし将来子供が欲しくなったら、また簡単な手術を受ければいいだけだから」「そ、そんなことができるの……」桜は半信半疑だった。「安人、私に嘘をつかないでよね?」安人は困ったように笑った。「手術の記録でも見せる?」桜は言葉を失った。別に、安人が手術をしたことを疑っているわけじゃない。ただ、そんな手術が彼の体に悪い影響を与えないかと心配なのだ。安人は、言いたげな彼女の顔を見て、何を心配しているのか察した。彼は顔を寄せ、彼女の唇に軽くキスをした。「桜、もし手術が俺の“機能”に影響するんじゃないかって心配してるなら、今からもう一回、体で証明してやってもいいぞ」桜は目を丸くし、彼の言わんとすることを理解すると、慌てて首を横に振った。「い、いえ、大丈夫!し、信じてるから!」しかし、それを聞いた、安人はさらに畳みかけるように言った。「疲れたか?」その一言に、桜はさらにぞくっとするのを感じた。彼女は慌てて横になり、布団を顔の半分まで引き上げて目を閉じた。「もう眠くなっちゃった。明日は北城に戻ってファンミーティングに参加しなきゃいけないし、わ、私、もう寝るから!」そんな彼女を見つめて、安人の目線は愛しさに溢れていた。実を言うと、桜のスケジュールはマネージャーから彼のもとに届いていた。今後一週間、彼女の予定はびっしりと詰まっている。仕事が多いのはいいことだが、その分、かなりハードになるということだ。安人としても、これ以上彼女を疲れさせるのは忍びなかった。彼は清潔なパジャマに着替えて、桜の隣に横になる
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