そして、あの夏の出来事があってから半年ぶりに夏也に会った。 別れの理由は嫌だったがこのまま何も言わずに海外に行くことは考えられなかった。連絡をして学生時代によく二人で行っていた思い出の海辺近くの公園で久しぶりに顔を合わせた。 「夏也、私、海外に行ってくる」「うん、母親から聞いていた。ビックリした。色々話したかったけど、もう俺が言えることじゃないなと思って……。言いに来てくれてありがとうな、顔見れてよかった。頑張れよ。」「うん、ありがとう。夏也もね」 夏也は、寂しそうに、そして少しだけ悲しそうに微笑んだ。その姿が少し切なく胸が痛んだが否定はしなかった。否定したら、関係がまた変わる気がした。 「あと、俺らが別れた理由、佳奈の留学って家族や周りには言っていたんだな。お前の母ちゃんに会った時に言われたよ。『佳奈の進路のせいで俺を傷つけた』って、本当は俺が佳奈のこと傷つけたのに……本当にごめん」 「うちの家族も夏也のこと大好きなんだよ。小さい頃から知っているし息子みたいなものってよく言っていて。だから、夏也が嫌じゃなければ、私とのことは気にせず前みたいに話しかけてあげて。」
Terakhir Diperbarui : 2025-08-14 Baca selengkapnya