静江はスコップを動かす手を速め、やがて、錆びた金属の箱が現れた。箱を取り出して土を払い落とすと、彼女は急いで蓋を開けた。中のUSBメモリを見て、静江の表情が輝き、思わず息遣いが荒くなった。彼女は箱を抱えて急ぎ足でリビングに戻ると、パソコンを立ち上げてUSBメモリを挿し込んだ。30分後、静江は明輝に電話をかけた。「あなた、今どこ?すぐに家に帰ってきて!」静江の声から緊迫感を感じ取り、明輝は眉をひそめた。「どうした?何かあったのか?」「ええ、とにかく早く帰って。大事な話があるの」1時間もしないうちに、明輝は家に駆けつけた。「一体何があったんだ、そんなに急いで呼び戻して」「まず座って」明輝は不審そうな顔で静江の隣に座ると、静江はパソコンの画面を彼の方へ向けた。「これ、見てみて」明輝は画面を食い入るように見た。それまでどこか険しかった目が大きく見開かれ、信じられないという様子で画面に顔を近づけた。しばらく見てから、彼は静江の方を向いた。「これは、どこで見つけたんだ?」「裏庭の梨の木の下よ。でも、そんなことはどうでもいいわ。すぐにこれを警察に渡して。そうすれば、結衣を助けられるわ」明輝は首を横に振った。「いや、今は警察には渡せない」静江は驚いた顔をした。「どういうこと?警察に渡さないって、結衣をこのまま警察に置いておくつもり?これがあれば、結衣の無実が証明できるじゃないの?」「落ち着いて。今は警察に渡さないと言っただけで、結衣を助けないとは言ってない。このファイルを直接ネットに公開するんだ。そうすれば、必ず大きな騒ぎになる。このことを知る人が多ければ多いほど、長谷川家もこの件を隠せなくなる」それに、これまで長谷川グループは汐見グループを散々いじめ抜き、破産まで追い込んだんだ。このまま長谷川グループを簡単に許すわけにはいかない。「分かったわ。じゃあ、いつその証拠をネットにアップするの?」「今夜だ。まずは知り合いに連絡する」夕方、ネット上に突然あるファイルが現れ、すぐに多くの人々の注目を集めた。30分も経たないうちに、「長谷川社長の犯罪」と「長谷川グループの違法行為」という二つのトピックがトレンド入りした。【長谷川グループって、表向きは慈善活動してる企業だと思ってたのに、裏でこんな犯罪
Read more