一難去ってまた一難とはこのことだと、悠良は身をもって思い知らされた。彼女は眉間に深い皺を寄せた。「史弥が通報したの?」「そう。おそらく悠良のお父さんが病院で意識を取り戻したのを知ったから。今の状態で検査を受けて、もし拘留を免れられなかったら......」「すぐに史弥のところへ行く!」「悠良、落ち着いて。今すぐ行ったって無駄よ。あいつはわざとあんたに報復してるに決まってる」史弥は今回、かなりの痛手を負っていた。会社の問題がまだ片付かないうちに、自分まで留置場に何日も押し込められたのだ。あそこでの暮らしが楽なはずもない。悠良の胸は今や火がついたように焦っていた。「じゃあどうすれば......」「史弥には叔父がいるでしょ?彼、その叔父をかなり恐れてるらしい。調べてみるのどうかな」その言葉でようやく悠良は腑に落ちた。そういえば、以前に史弥にはかなり苦手にしている叔父がいると聞いたことがあった。しかも、その男には彼と対抗できる力もあるらしい。白川家の人間とは一通り顔を合わせたことがあるが、当主の性格からして彼女を助けるはずがない。今の白川家は皆、彼女を憎んでいる。「わかった。じゃあ葉も周りに聞いてみて」「安心しな。何か掴んだらすぐ連絡するよ」電話を切ったとき、ちょうど光紀の車が病院の入口に着いた。悠良は振り返って伶に言った。「寒河江さんはお仕事を優先してください。夜になったらまた来ます」最後の一言には、自分は逃げたりしないという意図が込められていた。だから、この男もそこまで監視しなくていい、と。それに、孝之の件を片付けずに立ち去れば、本当に空が崩れ落ちるような事態になる。だが伶は車のドアを開けて言った。「構わない。ちょうど俺も、おじさんに話しておきたいことがある」「あなたが、お父さんと?」彼女は不思議でならなかった。伶は春代と縁が深いことは知っていたが、父とどこで親しくなったのかまでは知らなかった。伶は車を降り、ゆるんだシャツに、くっきりした顔立ちがどこか眠たげで気だるげな雰囲気を漂わせながら、目元に遊び心をにじませて彼女を一瞥した。「何の話か、知りたいか?」悠良は一瞬立ち止まった。彼が本気で教えるつもりなのか、それともまた罠を仕掛けているのか、
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