悠良は少し驚きながら言った。「え、ナプキンなのにそんなにこだわる?」この男、何でも支配したがるのか、ナプキンひとつすらも自分で買わせないのか?「選んだのに結構時間かかったんだぞ。使いきれないならユラにでも使え」伶は車のドアを閉め、ガシャッという音が響いた。悠良は彼が少し怒っていると感じたが、確証はなかった。悠良は内心で笑いがこみ上げてきた。彼、完全におかしくなってる。「ユラだっていつも生理が来るわけじゃないし、あの子、半年に一回くらいだよ?それに、毎月来るとしても、こんなに使い切れないよ。犬用の生理用品だってあるし、これは人間用のもの、どうしても......」伶は男性だから、そもそもこういうことを理解していないのだろう。「生理用のものに、何が違うっていうんだ」「これ、人間用のもので、犬用のはこう......」悠良は何とか言葉で説明しようとしたが、手を動かしながら無理に説明しようとする自分に、頭がパンクしそうになった。伶は肘を車の窓に乗せ、余裕を持って悠良が人間と犬の生理の違いを必死に説明している様子を見ていた。彼女が一生懸命に演技している様子がわかり、眉を少ししかめながら次はどうやって説明しようか考えているのがわかる。突然、伶が彼女の手を掴んだ。「もういい。こんなの、俺が知ってどうする。自分で使えるものを選んで、使えなかったら友達にでもあげておけ」悠良はほっと息をつき、少し疲れた。彼を説得するのは子供を扱うよりも難しい。子供は素直だけど、伶は違う。考えが複雑だ。車はマンションに着き、悠良は湯たんぽを抱えながら車を降り、腹の痛みも少し和らいでいた。彼女が階段を上がると、伶がソファでタバコを吸っているのが見えた。ふと、莉子が言ったことを思い出す。彼女は普通の男でさえ気にするだろう、ましてや伶のような優れた人間なら余計に。悠良は、彼ときちんと話す必要があると感じた。彼女は下の男性をちらりと見て言った。「少し話があるんだけど」伶は一瞥して、隣のソファを軽く叩いて彼女に座るように促す。「ここで話せばいいじゃないか」悠良は少し考えた後、頷いてからソファに向かって歩いた。座ると、急に緊張してきた。このことはずっと心の中で押し込めてきたが、もし莉子が話
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